最後の晩ごはん 黒猫と揚げたてドーナツ 椹野道流

最後の晩ごはん

定食屋「ばんめし屋」を営む夏神留二(なつがみりゅうじ)は、
今は亡き母を思い出して、おふくろの味を再現してみた。

「ばんめし屋」に下宿を兼ねて店を手伝っている元イケメン俳優の
五十嵐海里(いがらしかいり)と、眼鏡の付喪神(つくもがみ)で
海里に拾われ、ときどき人間の姿になるロイドの分も
お弁当を作った留二は、2人を誘って芦屋川へ向かい、
3人は遊歩道の縁にこしかけて蓋を開けた。

芦屋川の水面を眺めながら食べる懐かしいそぼろ弁当に感激し、
ミニピクニックに気分が高揚した彼らは、
そこで社員旅行としての京都行きへと話が進んでいったのである。

清水寺近くの片泊りの宿を借り、八坂神社、清水寺、錦市場、
鴨川のほとり、金閣寺と巡り、貴船の川床料理では
海里の俳優時代の後輩である里中李英(さとなかりえい)とも
合流し、楽しい2泊3日の旅はあっという間に過ぎた。

芦屋に帰ってしばらくすると、李英から
遺品整理のアルバイトを手伝ってほしいと連絡がくる。
複雑な思いはあったものの承諾し、李英とともに、
若くして事故で急逝した男性の部屋を片付けて
戻ってきた海里だったが、彼の後ろには長い尻尾と
緑の瞳を持つ黒猫が消え入りそうな姿ですわっていた。
実はそのこはこの世に存在しない黒猫だった!

アキバのメイドのような口調のロイドと海里の、
主従の間の抜けたやり取りと、留二の軽妙な関西弁に
ページをめくる指が逸りつつ、
冬山で恋人を亡くした留二の喪失感に感情が揺さぶられる。

歴史ある街並み、伝統の京料理、お弁当レシピなども楽しめる、
定食屋を舞台に、留二と海里にロイド、それから彼らを取り巻く
友人たちの家族愛や人情味あふれるお料理青春ファンタジー。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

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Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。