羊と鋼の森 宮下奈都

羊

静かで温かな深さを含んだ音だ。
高校の体育館で、調律師の板鳥宗一郎が叩いた
ピアノの音を聴いて、高校2年の外村(とむら)は、
夜になりかけの森の匂いを感じた。
それは彼の未来を決める出逢いだった。

山で育ち山しか知らなかったが、高校を卒業後、
板鳥の紹介で北海道から本州にある
調律師養成学校へ進学した。
まるで森に入り込んだような2年間を、調律の勉強に
費やし、板鳥さんのいる楽器店に就職した。

調律の世界では、半年間は先輩について
見て覚えることになっていた。
なのに、魔が差した。
新人が守るべき規律を破り、ピアノに触れてしまった。
そして収拾がつかなくなった。

しかし落胆する外村に板鳥はなにかを察したように、
今日が始まりだとお祝いしてくれたのだ。

調律のことなどなにも知らなかった高校生のあの日、
板鳥さんが叩いたあの音に魅せられ、
調律の世界がすべてとなった外村。
ピアノのなかにある羊と鋼の森。

イメージを確立して完璧な仕事をこなす先輩たちに
見守られ、教えられ、戸惑い、悩み、音を自分を
探し求めながら、調律師を目指す外村の成長物語。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

カウンタ
Kindle 電子書籍の購入
電子書籍リーダー
honto 電子書籍の購入
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
10 | 2018/11 | 12
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新トラックバック
検索フォーム
カテゴリ
リンク
おすすめ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
プロフィール

Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。