大正処女御伽話 桐丘さな

大正

家中の雨戸を閉めきり、
暗いなかでただ寝起きだけを繰り返していた。
食欲も気力も落ち、孤独のみ存在する
終の住処のような屋敷に、
突然夕月(ゆづき)がやってきた。

去年自動車事故に遭い、
母と右手の自由を失った珠彦(たまひこ)は、
父に養生という名目で、千葉の別荘に
厄介払いされたのだ。
そう、夕月も父が与えた嫁(つがい)だった。

珠彦を心配し世話をやく14歳の夕月を、
17歳の男子は恥ずかしくて
素直に受け入れられない。

しかし天然なのか楽天家なのか、
何も考えていないのか、
珠彦に邪険にされても意に介さず、
かいがいしく世話をやく明るい夕月。

笑うことも忘れ、引きこもりの厭世家に
成り果てた珠彦だったが、いつしか笑い、
ご飯を美味しいと感じ、天真爛漫な夕月を
妻として意識しはじめる、
ピュアなふたりの大正ロマン。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

Dolce! イタリアの地方菓子 監修 ルカ・マンノーリ サルヴァトーレ・カッペッロ

イタ菓子

古代ギリシア人が伝えた
蜂蜜が唯一の甘味料だといわれる昔。
砂糖が伝えられた中世以降も、
甘味は高級で庶民には高嶺の花だったという。
それでも甘い果汁を煮詰めたり、
木の実を用いたりして作られ続けてきた銘菓。

イタリア各地で育まれた伝統菓子をたどれば、
歴史や文化、その時代に生きた人々の顔が
目に浮かぶ。

最近は日本でもお馴染みのビスコッティや
パネットーネ、ティラミスやパンナコッタなど
26種類のドルチェレシピが、特徴や起源、
各地方の特色や伝説などとともに解説。

昨年イタリアを訪れた際、お土産にといただいた
ビスコッティとヴィン・サント(デザートワイン)。
帰国してすぐ口にした、ヴィン・サントに浸した
ビスコッティは香ばしく大人の味だったし、
ローマのジェラート店で、あまりに豊富な種類を
目の当たりにした驚き。本書を手にし、
歴史に培われた伝統菓子の奥深さを知る。

ちなみにティラミスは私を上に引き上げて、
バチ・ディ・ダーマは
貴婦人のキスという意味だとか。
さすがルネッサンスの国。
ネーミングまで芸術的。
レシピのみならず、さまざまに感動を覚える1書。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

永遠の約束

コスモス

コスモスが一輪、開花していた。
気がつけば、蛙の大合唱から昆虫の演奏会へと
季節は移り、取り巻く環境は静かな宵を演出していた。
秋がやってきたんだぁ。

可憐で色鮮やかなコスモスは大好きな花だ。
なのに一抹の淋しさを感じることも否めない。
秋はなんとなく寂寥感を運んでくる。

とはいえ30度を超える残暑も意に介さず、
花開く生命力をどこから得ているのだろう ?
秋の淋しさというより、
力強い意志に勇気づけられる。

この家に引っ越した年から、
どこからともなく運ばれてきた種。
今では我が庭の一角に
小さなコスモス畑をなしてくれている。

毎秋、憂うことなく必ず花咲く光景に、
人間界にはないだろう永遠が約束されるようで……

不変などない、そう思っていた。
でも……
もしかしたらこのコスモスは
この先未来永劫変わることなく、
毎秋咲き続けてくれるのかも……

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

蕎麦と叔母

天ざる

東京から叔母がやってきた。
従兄弟である長男が運転する軽自動車の
後部座席で窮屈そうに身体をくねらせ、
我が家の庭に降り立った叔母は
「はぁ〜、暑い!暑い!」を繰り返す。

当然だろう、今年はなぜか、
連日東京より信州の方が気温が高いのだから。

小さい頃、叔母の家へ行くのが好きだった。
田舎モノのわたしには見たこともない
小洒落たディッシュが食卓を埋めるほど、
お料理の腕とセンスは抜群なのだ。

濃いマスカラと真っ赤なリュージュ、
原色の派手な服を着こなし、
颯爽と歩いていた叔母は今はわたしより
小さくなって、でもその分80kgの巨体は
横に広がり、だるまさんを思い起こさせる。
なんだかカワイイ!

歩くことも難儀そうな叔母の手を取り、
3人でお蕎麦屋さんに入る。
天ざるを食べながら
「もう81歳、次回はいつ来られるか
分からないしねぇ」と、叔母は言う。
そして付け加える。
「だから、天ざるもうひとついただこうかしら」

えっ、そっち ⁈

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

監察医 朝顔 画・木村直巳 作・香川まさひと 佐藤喜宣・監修

朝顔

法医学者・監察医の山田朝顔は
死体と向き合う唯一の医師で、
興雲大学法医学教室の助教授である。

刑事の父から検死を依頼されると、
死亡推定時刻、胃の内容物、臓器の重さ、
怪我や病気の有無などを調べ、
自殺か他殺か事故死なのか病死なのか、
死の原因を究明する。

10年前、神戸の大震災で母を失くした朝顔は、
遺族の気持ちに寄り添い、
また人並みならぬ洞察力と刑事顔負けの勘で
事件の真相に迫る法医学ミステリー。

同名タイトルのドラマが放映中である。
大好きな上野樹里ちゃんが朝顔役だから、
原作を読んでみたいと思ったが、
主人公のキャラクターや
事件の内容も似て非なるもの。
でも、まるでヒロインがふたりいるような、
得した気分で楽しめる1書。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

ひまわり と 松本山雅FC

ひまわり

陽光を浴びて微笑んでいる。
まるで好きな人を見つめる恋人のように、
ずっと彼(太陽)しか目に入らないみたいに。

ホームのサンプロアルウィンから
駐車場までのあぜ道には、
お行儀よくひまわりが並んでいた。
そしてみな1点だけを、
煌めく光の向こうを見つめている。

試合が終わって、山雅仲間数人で
その道を歩くとき、
友人はいつもひまわりにカメラを向ける。
勝った日は正面から、
負けた日は裏側から撮るのだという。

今週末、幸せの黄色輝く笑顔が写せますよう!
写真を撮る友人の後ろから、
そっと……ではなく……強く祈る……必ず
勝利の女神さま、どうか微笑んでください!

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

室内でかんたん、水いらず!水耕ガーデン 深町貴子

水耕

毎年、春になると血が騒ぐ。
ホームセンターへ走り、なにを植えようか、
苗を物色する。

昨年はビーツを種から育てた。
が、収穫したのはラディッシュと見間違うほど、
小さなデキだった。

必ず植えるきゅうりも大した収穫にはいたらない。
なにしろドシロートの手慰みなのだ。

今年も土と数種の苗を買って植えた直後、
出会ってしまった。
明るいグリーンインテリアが映える表紙の本書と。

虫が嫌いでも大丈夫。
ペットボトルや使い捨てカップでも可能と、
気軽に栽培できそうな内容が嬉しい。

今年は水と土、両刀遣いで気張ろう!

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

凪のお暇 1   コナリミサト

なぎ

「空気、読んでこ」
それが一番だと思っていた。

ランチタイム、
同僚たちの会話についていかれず、
サンドバッグ状態。

唯一の生きがいは節約のみという
情けない大島凪(おおしまなぎ)は28歳。

しかしたった1枚、
秘密のカードを持っていた。
それは営業部のエース・我聞慎二と
付き合っていること。

早く結婚してほしい。
そうすれば、なんだかなぁ〜という
凪の人生がひっくり返る、
そう思っていたのに、聞いてしまった。
「ケチくさい女は生理的に無理」の
決定的なひと言を。

そして悟ったのだ、空気は読むものではなく、
吸って吐くものだと。

まっさらになりたくて、すべてを捨てて
都心から郊外へ都落ちし、
ひとりごちる「しばしお暇いただきます」

カーテンもない蒸し風呂状態の6畳1間。
なにもないけど、不安に押しつぶされそうに
なることもあるけど、勇気を出したら
人の優しさを感じられた。

どんな新しい人生が待っているのか、
変わりたいと強く願うリセットものがたり。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

個性を収入に変える生き方 ブログ飯(メシ)アフィリエイト&Google AdSense収益化の大原則 染谷昌利

ブログ

組織に属さず、個人の力だけで
家族3人+1匹が生活できる収入源を構築したいと、
会社を退職したのは2009年。

それから家事や育児、旅行やレジャーなど、
家族との暮らしを大切にしながら、
ブロガーとしての日々がはじまるが、
1年後には貯金も底をつき、
ブログから手を引こうと覚悟した直後、ブレイクする。

「誰かの役に立つ」という気持ちが
結果につながると語る著者が、
読者に与えてくれるヒントは、独自性、
アクセス数を増やす充実した内容、
成約率を上げるための心を打つ文言を
載せることで、ファンを生み、収益を発生させるという。

ブログをはじめて、人気ブロガーになるまでの軌跡と
ノウハウが詳細に解説。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

金田一少年37歳の事件簿   原作 天樹征丸 漫画 さとう ふみや

金田一

「謎はすべて解けた」
の決め台詞でお馴染みの
金田一一(はじめ)ちゃんも、今や37歳。
音羽ブラックPR社営業部の万年主任である。

伊豆沖の孤島リゾートホテルの
オープニングイベントを任されることになったが、
企画書を見て驚愕したのは歌島という文字。
そこはかつて3度にわたって殺人事件の起きた、
恐怖の殺人アイランドだったのだ。

イベント名は歌島リゾート夢の縁結びツアー。
事件は肝試しイベントの最中に起きた。
参加者のひとりが首に
何重ものロープを巻かれ死んでいた。
しかもそのあと、閉めきったチャペルから
死体が消えてしまったのである。
ファントムという差出人からのカードを残して。

ずっと「もう謎は解きたくないんだ」と
探偵に背を向けていたはじめちゃんだったが、
「もう謎を解くしかない、
ジッチャンの名にかけて」と立ち上がる。

かつてオペラ座館のあった歌島で
再び繰り広げられる連続殺人に巻き込まれ、
天才はじめちゃんが復活する
金田一おっさん事件簿。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

家族トランプ 明野照葉

家族

結婚願望はなく、できるならこのまま変わらず
日々を送りたいと願っていたが、営業所の移転、
通販大手への出店など、ニチカに勤める風見窓子の
周りが騒がしくなってきた。

同居している両親とは折り合えないが、
独食会というネットコミュニティに参加することで、
親との衝突を避け、自分の食を守っていた。

そこで知り合った津村桂二とは友だち以上
恋人未満のあいだがらだが、どこかピンとこない。

そんなある日、両親から36歳までに結婚するか、
家を出るように宣告された反動からか、
窓子は気乗りしないまま桂二に誘われ
神田の屋台村へ出かけた。

ビールを飲みながらふと周りに目をうつすと、
営業統括本部副部長でやり手の有磯潮美が
美形の若い男性に艶やかな微笑を向けていた。

そのことをきっかけに尊敬する上司である潮美と
「リゾさん」「ザミちゃん」と呼び合う
社外交際が始まった窓子の生活は一変する。

潮美の実家・三ノ輪の居酒屋兼食堂に
出入りするようになって、
自分には縁のなかった家族の温かみを知る窓子。

主体性がなく非定型で消極的。
ひと夏の恋も夏の思い出もないまま
三十路を過ぎた窓子がようやく見つけた道標。
果たして窓子の家族トランプは……

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。