母は強し ⁈
普通にイタリアではほぼ全家庭に
犬や猫がいる……ような気がする。
友人宅に同居しているのは
チェコスロバキアンウルフドックという大型犬と
5匹の猫。
前回イタリアを訪れたとき、
彼らのなかで気になったのが
1匹のお腹が大きな猫だった。
「生まれたよ」
今日、そのイタリアの友人から
写真付きメールが届いた。
仔猫たちはお母さんのおっぱいに夢中で、
どんな顔をしているのかさえ
伺い知ることはできないし、後ろ姿だけ見ても
猫であるのかすら判然としない。
なのにわたしの身体は弛緩する。
ただただ、その存在を間近に
感じることができる友人が羨ましいと思う。
写真という二次元の世界に釘付けになりながら、
いちばん目を奪われたのはママ猫の目だ。
母性の悦びと、母だからこそ仔猫たちを
敵から守る闘争心が見るものを威嚇する。
哀しみを帯びた幸せ。
ここにも孤高の強き母がいた。