ツィス 広瀬 正

ツィス

人口増加率が全国1位の神奈川県では、
公害問題もひとごとではなくなっていた。
なかでも騒音が特に際立つという。

C市にある病院の精神科医・秋葉は、
更年期うつ病の患者だった逸見の娘・のり子から
耳鳴りがすると相談を受けていたが、
しばらくして彼女はツィスの音が聞こえると言い出した。
それはピアノの中央少し右寄りの黒鍵(ドのシャープ)の
音より小さく純音だと、のり子は言う。
彼女は絶対音感と人並みはずれた聴力の持ち主だった。

ほとんどの人の耳には届かない微音だったツィス音は、
一定のカーブで次第に大きくなり、
注意力散漫による火事や事故が相次ぎ、
ノイローゼになって自殺者も出るという事態に
見舞われるようになった。

やがて大都会・東京にまで波紋が広がるツィス音。
壊滅や混乱を撒き散らしたツィス音の正体とは?

しかし影響を与えたのはツィス音だったのだろうか?
ツィス音を通して人間の高慢や
欺瞞も見え隠れするパニック小説。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

華やかなのはどっち?

タコライス


とてもタコライスには見えない、
ヘルシーでおしゃれなワンディッシュ。

ときどき年老いた母を連れだしてランチに出かける。
実家の近くの中華料理かお豆腐専門店、
あるいは和食店でローテーションを組むのだけれど、
たまには未知のお店を探そうとネット検索してみた。

珍しい店名は何語なのか、どんな意味なのかと
思いを巡らせながら向かっている最中、
ふと記憶の断片がちらついた。

そういえば地元放送局の番組で紹介されていたような……
AMIJOK……名前の由来はオーナーの姓を逆さにしたとか。
そしてそのオーナーは前職の同僚だったのだ。

懐かしい顔と華やかなタコライス。
どちらも楽しみつつ、心の声が叫んでいた。
キミは偉い!
一介の会社員から一国一城のオーナーになったんだね ‼︎

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

ザ・ファブル1 南 勝久

ファブル

6年間で71人しとめた殺しの天才ファブル。
今年は特に殺りすぎたので、
大阪で身を隠すことになった。
プロの殺し屋が一般人に溶け込んで、
普通の人間を学んでこいとボスは言う。

昔から付き合いのある大阪のヤクザ真黒(まぐろ)組に、
助手兼運転手とともに佐藤兄妹として世話になるが、
その組の若頭がファブルを
こころよく思わず監視させ追い出しをはかる。

本業は休業中なのに、どこにいてもチェックを入れる。
言葉遣いも無礼千万、趣味なしのファブル。

たったひとりで10人からの組長組員を2分で全滅、
急所をワンショット。
何人もの命を奪ったあと、
平然とお笑い芸人ジャッカル富岡を観て
大笑いする天才殺し屋は一般人になりきれるのか?
南勝久氏が描く長編コミック第1巻。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

本格辛口かぼすハイボール

かぼす


あまり大きな声では言えないが、
特技?はキッチンドリンキング。

昔、職場の先輩が言っていた。
「ビールを片手に包丁を持つと、
右手の動きが滑らかになるのよねぇ」と。

その台詞を語る彼女の顔を思い出しながら
「ですよねぇ!」と、誰もいない空間に
相づちをうちつつ、トントン包丁をすべらせる。
毎夕の日課だ。

こんなドリンカーなので、お店で新商品や
珍しいアルコールを見つけると、
それまでせわしなく食材を探していた足が
ピタッと止まってしまうのだ。

今日もいつものスーパーで買い物中、
目の片隅に写った缶の前で、しばしかたまった。
黄緑から緑色にグラデーションがかった缶に
後光が差しているように見えたかぼすハイボール。
ためらうことなくそれをカゴに入れ、レジへ進む。

帰宅してまな板と包丁を並べ、プルタブを引き、
「とりあえずハイボール」と渇いた喉に流し込む。
そして右手に包丁を握って、ハタと気づいた。
あっ、食材を買ってくるの忘れた!

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

最後は臼が笑う   森 絵都

臼

妻子持ちの男に騙され、借金まみれの男に貢ぎ、
アブノーマルな男にいたぶられ、
高校時代から酷い男に弄ばれてきた桜子。

友人たちは「桜子の男運を変える会」まで結成したが、
「善良な男に愛されるより、
あかん男に騙される方が萌えるんや」と、
まるで意に介さない。

ところが40歳を目前にして、その会に緊急招集がかかった。
愛しいところが少しもない完全な悪に出会ってしまったという。

地味で平凡で没個性、無機質で冷たく暗い目をした男。
仕事帰りの電車で毎夕同じ車両に乗るその男は、
たびたび老人とは言えぬ女性に席を譲り、
当惑から傷心へ深化する女性の表情を観察していた。

女性たちに「そっちへ行ったらあかん」と
心のなかで叫びつつも、
惹きつけられていく桜子は彼の前に立った。
当然のように席を譲ってきた男を、
桜子はラブホテルに誘った。

陰鬱な部屋での35分間……その男に愛しむべき1点はなく、
桜子にとって生涯初の例外で汚点となったにもかかわらず、
男はその後も平然と同じ電車に乗り、
桜子には一瞥もくれない。

男への憎悪が頭をもたげ、会のメンバーを集めた。
そして下品な悪行へ向けた怒りの復讐劇が始まるが……
思わぬ展開に溜飲が下がるおとなの恋愛短編物語。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

め〜ぐ〜り〜あ〜え〜た〜♪

天丼


ずっと探していた。
この長さ、この厚み、この存在感。

足繁く通った和食のお店。
あるときいつものように足を向けると、看板が変わっていた。
我が目を疑った。
しかし何回見直しても、見覚えのない店名なのである。
それから大海老天丼を求めて、いく年月。

そんなある日、友人が教えてくれた。
「ホームページのメニューに大海老の写真が載っていたよ」と。

そこは桜の季節になると、
鮮やかなピンク色に染まる弘法山のふもと。
民芸調の和食店。

2階の和室に設えられたテーブル席につき、
まるで桜が開花するのを待つように、
静かに料理が運ばれてくるのを待つ。

そして、ついに出逢えたのである。
待ち焦がれた大海老に!

遠い昔、テレビから聞こえてきたちょっと恥ずかしい台詞、
その同じ言葉を思わず口にしてしまった。
やっと逢えたね!

東野圭吾ミステリースペシャル「分離帯」 原作/東野圭吾 作画/大竹とも

東野

市の中央を東西に走る白石街道で、
トラックが中央分離帯を越えて横転したところへ
対向車が突っ込む事故が起きた。
トラックを運転していた向井恒男(33歳)は
病院に搬送されたが助からなかった。

事故原因は左側に路上駐車していた黒のアウディが
突然頭を出し、それを避けようと急ブレーキをかけたために
横転したようだという証言があがった。

向井の妻・彩子は偶然にも担当警官・世良が高校時代、
気になっていた同級生だったが、
不条理な理由で高校を退学したのである。

大切な人を喪い、またしても不条理な法律によって
泣き寝入りすることになった彩子が、
みずからの命と引き換えに試みた復讐とは……

東野圭吾著名作ミステリーをコミカライズ!

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

ルルの孤独

ルル

平成30年、今年ももう4月を折り返して春が着々と歩き出し、
季節も色とりどりの明るい色に染まろうとしている。

なのになぜだろう、
ウキウキする気持ちに反比例するかのように、
不安な様子が伝わってくる。

独りを感じるといたたまれなくなってうろうろしたり、
「ウォーン、ウォーン」と悲しい声で鳴いたり……

よくいっしょに暮らすと似てくると言われるが、
そうなのだ、このひと(パピヨン犬)も
アルジによく似ている。

わたしが仕事で2階に移動すると、
独り取り残されることに恐怖を覚えるのか、
鳴いたり歩き回ったり、とにかく落ち着かない。

逆にそばに誰かいることを確認すると、
安心してスヤスヤ寝息を立てる。

きっと楽しい夢を見ているのだろう、
小さく丸まっているルルを確認して、
わたしはホッとする。

生きていくことはたぶん孤独。
それは命あるものに神から課せられた誅罰?

だからなのだろうか、この小さな命に、
体温の温もりに、体毛の感触に安らぎを覚える。
すでに老犬となってしまったけれど、
尊い存在からお預かりした可愛い赤ちゃん。
お互いの孤独が少しでも遠のきますよう、
この幸せな時間が少しでも長く続きますよう !
ただこの願いが届きますことを……

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

妖怪アパートの幽雅な日常① 香月日輪

妖怪アパート

中学1年生の春、両親を同時に亡くした稲葉夕士
(いなばゆうし)は、今年条東商業高校に合格した。

親戚に引き取られ
肩身の狭い暮らしを強いられてきた夕士にとって、
寮のある高校生活は輝きに満ちていた。
なのに、入学する直前に寮が全焼してしまったのだ。

悲嘆にくれる夕士だったが、勇気を振り絞って
アパートを借りることを決意する。
そして決めた部屋は、
鷹ノ台東駅から歩いて10分ほどの住宅街に、
なぜか違和感あるモダンなアパート。

そこの住人は、夕士が尊敬する難解で高尚な詩と、
グロテスクで耽美な大人の童話を書く作家・一色黎明。
鷹ノ台高校2年生で、
明るく利発な久賀秋音(くがあきね)。
暴走族のような風貌をした、画家の深瀬明。
彼らに囲まれ、
いっきに家族ができたような喜びを覚える夕士。
でも、なにかが変だと感じる。

玄関の床に浮き出る妙な足跡。
暗く沈んだ空間になにかの気配。
玄関横の居間、暗がりのなかでもぞもぞ蠢いている人?
姿が見えない賄いのるり子さん。
影の薄い子どもと犬。
着ぐるみを着たような大家さん。

そこは寿荘、そう別名妖怪アパートだったのである。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

春ですね!

蕗味噌


例えば雪が多かった年、残雪の合間から顔を出す春。
それがふきのとう。

キラキラ光る雪のしずく。
そのきらめきに負けない緑の生命力。

そ、そして、何より春の味覚である。
摘みとったふきのとうを粗みじんにし、
多めの油で炒めてお味噌と砂糖で味付けする。

お〜、これで今日のブレックファーストは何杯メシ ⁉︎

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

ホモ無職、家を買う  原作 サムソン高橋 作画 熊田プウ助

ホモ

本業の月収は約1〜3万円、
日雇いバイトでなんとか食いつなぎ、
ボロアパート(家賃4万7千円)に
サラリーマン時代から20年間も
住み続けている著者が、現金で800万円の
中古3階建て1軒家を購入した。

20代半ばから8年間、
ホモ雑誌の編集とAV監督をしていたサラリーマン時代、
多忙で家に帰れず、生活費を会社の経費で賄った結果、
1,400万円貯まったから買うことができたのである。

その後脱サラして10年、人づきあいを絶ち、
セコく生きてきたある日、そのチラシと遭遇したのだ。
駅から徒歩5分、800万円の物件と。

貯金の残高は900万円だったが、
チラシを発見してから30分後には、
契約書に押印していた。

ものが溢れる狭小ゴミアパートでの
地獄のような日々から解放されたいと、
土地代が入っていない旧借地権の物件を
衝動買いしてしまったが……

淡々と綴られる純愛ホモの世界と
“家” 遍歴、夢のマイホームとの
格闘が描かれたコミックエッセイ。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

桜である理由

桜


先月下旬には30cmの雪が積もった。
4月に入るや、突然桜の開花宣言が出されてすぐ満開に。

これはイカん。
急いでお花見に行かないと、
明日には散り始めてしまうかもしれない。

というわけで、予定外のお花見となった。
といっても、とりあえず近場の名所を車で流すという、
インスタント花見である。

美ヶ原のふもとまで、河の両脇を彩る
淡いピンク色が澄んだ空色と融合する。
車から降り、木の下に立って見上げる。

あっ、桜とお見合い。
なぜお花見といえば桜なのか……
本来は花粉が雨で流されないために
大地に顔を向けて咲く……そのため桜は人と花が
向き合う格好になるという。

そんなことを思い出していた瞬間、強い香りに包まれる。
あ〜、視覚嗅覚が桜色に染まる。

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

超短編15話

短編

『野菜サンドのレッスン』
両親が亡くなり、その遺産で日当たりのいい
小さな家を手にした異邦人のバルバラは、
そこで老犬のラーチャとともに
洗濯の仕事をして暮らしていた。
痩せてひどく荒れた手になったが、
この暮らしは心地よかった。

ある日、大学の講師をしているという男・
アンドルーがシャツの洗濯を頼みに
パルパラのもとにやってきた。

やがてパルパラはアンドルーの部屋で
いっしょに暮らすようになり、朝は目玉焼きを作り、
お昼はサンドウィッチをランチボックスに入れて
アンドルーに渡す生活に満足していった。

しかしいつしか時間を持て余すようになり、
講義を聴講したいという思いがつのっていくパルバラは、
アンドルーに内緒で大学へ潜入したのである。

すんなり不法侵入に成功して気を良くしていたが、
数日後ひとりの講師から研修室に呼ばれ、
この大学の学生でないことをとがめられて、
ついアンドルーのことを口走ってしまったパルパラが
くだした決断は……

本書は小説競作サイト「てきすとぽい」が実施した
「覆面作家小説バトルロイヤル」の入賞作を掲載。

目次
『掲載作品について』『清らかな隔壁』
『野菜サンドのレッスン』『澱を掬う』『青の憧憬』
『星辰奇譚』『純愛テーマパーク』
『星空に手を伸べて。』『愛ってよく分からない』
『あしうらのきずあと』『僕の恋愛招待券』
『ともしび』『ソラ』『Preta』
『今は亡き王妃のためのリコルダンツァ』
『君がいないので』『著者紹介』

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

誕生日は〜いいもんだ〜♪

バッグ


春が来て、桜が咲き、新年度がはじまる4月。
そしてわたしの歳もひとつ増える。
少し複雑な気持ちはあるものの、
祝ってくれる人もいる。

毎年手作りのポーチやブックカバーなどを贈ってくれる
学生時代からの友人。
今年届いたのは……

包みを開いたとたん、声が漏れた。
「なんて華やかで、
可愛くて、心のこもったバッグなんだろう!」

癒しのラベンダー、美しいマゼンタ色のバラ。
豊かな感性をよりいっそう開花させて……
カラーセラピストの彼女からのメッセージ付きだ。

取っ手の袖に鎮座する花のレザークラフト。
裾にあしらわれた清楚なレース。
上品にまとめられたシルエット。

これはもうパーティ仕様だ!
シンデレラを思い浮かべながら、
メルヘンの世界をさまよっていたが……
でも、っと思い至った。
あれっ、わたしにパーティの招待状なんて……

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

空の境界1 天空すふぃあ 原作/奈須きのこ キャラクターデザイン原案/武内 崇

Image 20180219 192000

巫条(ふじょう)ビル屋上の上を浮遊する女の子。
その周りを飛び交う
飛び降り自殺した少女たちの幽霊。

高校2年に進級する直前、両儀式(りょうぎしき)は
交通事故に遭い、2年近く眠り続けた。
奇跡的に回復したが、
自分の記憶に実感が持てず、
過去と現在を断絶してしまったのである。

人間嫌いの式が唯一言葉を交わす友人は
同級生の黒桐幹也(こくとうみきや)だった。
黒桐は巫条ビルを調査すると言って
出ていったが……

原因不明の昏睡状態に陥り、3週間が過ぎた。
栄養補給もせずただ眠り続けていたが、
不思議なことに餓死も衰弱もしない。
しかし元の黒桐を取り戻すために
巫条ビルへ向かった式は……

実は式は1つの身体で2つの人格を操る
解離性同一性障害だった。
和服姿でユニセックス、日本人形のようで
無駄のない立ち居振る舞いが
大人びた式のなかには、女性としての式と
男性としての識が存在する。

式の抑圧された志向を受け持ち、
意志を、識という闇を、
つまり自分で自分を殺し続けてきた識。
時間がかしぎ、ときの経過が一定ではない空間。
横行する連続猟奇殺人。

自分は殺人者だと打ち明ける識の
真の姿とは……
歴史的傑作小説『空の境界』が
コミカライズされた長編伝奇小説。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

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Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。