旅の窓 沢木 耕太郎

旅の窓

そこから、どこへ?
竹藪から追い立てられた雉を、鷹匠が放った鷹が
一撃で仕留める鷹狩りの様子を撮影していた。
ところが1枚だけ鷹狩りとは
まったく関係ないショットが撮られていた。
土手の上を歩いている男性の写真だ。
なぜか鷹狩りより、
その男性の背中に魅せられてしまった。

待つ女
モロッコのリゾートホテルに、
美形で似合いのカップルがいた。
1時間後、女はひとり階段に座っていた。
3時間後、やはり女はひとりそこにいた。
幸せな雰囲気を纏っていた彼女が、
不幸せな気配を漂わせ、まるで別人のように感じる。

さまざまな窓から見える風景。
しかし、不意にその向こう側に見えてくる
心の景色が現れることがある。
それが旅の窓。

世界中を渡り歩いた著者が撮った81枚の写真から、
向こう側の物語が綴られる。
心の奥底に隠されている声が、
動物が言わんとする言葉が、
そこには写っていない光景が……

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

僕たちがやりました(1)   原作 金城宗幸 漫画 荒木 光

ぼくたちが

凡下(ぼけ)高校は、道路1本挟んだ向かい側にある
矢波(やば)高校の生徒にたびたびカツアゲされていた。

SEXするまでは、ボウリングでスコア200出すまでは死ねない、
俺の人生は希望しかないなぁと楽天的で中途半端なトビオ。

なにもないことに絶望するしかないと、明るくかわすマル。

巨乳の彼女ができたと自慢げな伊佐美(いさみ)。

実家が金持ちだから20歳でニート、
友だちがいないので凡下高に入り浸り、
トビオたちとツルむパイセン(先輩)。

カラオケにボーリングと、そこそこ楽しい日々を
過ごしていたが、ある日パイセンの愛車の前に
ダンボール箱が置かれていた。
中に入っていたのは、
矢波校の連中にボコボコにされたマルだった。
それを見たトビオは静かに呟く。
「アイツら、殺そう」と。

そして復讐を企てるが、
脅し程度のつもりで仕掛けた爆弾が大爆破し……
なにが起きたのか、呆然とするトビオたちの未来は……

必死で追いかける夢もないが、矢波高(アイツ)らのように
将来を捨てるほどバカにはなれない、
そこそこ楽しければいいと思っている高校生たちの
破天荒な青春物語。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

仕事も人間関係もうまくいく「気遣い」のキホン 三上 ナナエ

気遣い

特別な人に備わっている資質ではなく、
誰でも簡単に身につけられるスキルである気遣い。
少したけ意識を変え、コツをつかむだけで、
誰でも気遣いの達人になれるという。

例えば……
相手の話をしっかり聞き、
自分からも情報を提供し共感を示す。
自己満足にならないよう熟慮しつつ、
目の前にいる人の気持ちを想像する。
相手を知り、なにが好きかを考える、などなど。

さりげないひと言や些細な行動といった
ほんのちょっとの気遣い。

本書は周りを思いやることで、
自分自身も生きやすくなるよう、
元ANAのCAだった著者が、ビジネスマンのみならず、
すべての人に伝える気遣い講座。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

やめてみた  わたなべぽん

やめてみた

ある日の夕方、炊飯器が壊れてしまった。
そこで土鍋を使うことにした。
火にかけているあいだに、
ささっと部屋を片付け、おかずを作る。
初の体験だったが、炊けたご飯は粒が立ち、
ツヤツヤのピカピカでめちゃうま!

土鍋には保温機能がないので、余ったご飯は
冷凍して、食べるときに電子レンジでチン。
すると、これがまた炊きたてと変わらない旨さなのだ。

やめてみると意外と生活はまわっていくのに、
使い続けているものがたくさんあるのかも、
ということに気づいた著者は、
つけっぱなしテレビ、掃除機、ゴミ箱など、つぎつぎと
“やめてみる” 生活にチャレンジしていく。

あって当たり前の生活から、少し思考を変えてみると、
新しい発見や自分に合った生活スタイルが
あるのかもしれない。
当たり前に過ごしている日々のなか、
わたし自身耳が痛いと反省し、
自分を顧みることのできる1書。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

玉妖綺譚(ぎょくようきたん)  真園めぐみ

玉妖綺譚

玉妖とは、異界と現実世界との間(はざま)で産する、
妖力を持つ竜卵石(りゅうらんせき)の精霊である。
なかでも伝説的な存在とされるのが
難波コレクションの7つの玉妖たちだ。

難波俊之が育てた7つの玉妖たちは今、
主(あるじ)の手を離れようとしていた。

父親に続き母親まで病で失った姉妹を主とするのは、
7つの玉妖のほむらとくろがねだった。

くろがねの主となった修行中の驅妖師(くようし)・
高崎彩音(あやね)は幼いころからほかの人には
見えない妖(あやかし)が見える妖力があった。
くろがねは中心が墨のように黒くしずく形をした石で、
呼びかけると浅黒く全身黒づくめの長身で
若い男が現れる。

原因不明の病に臥せっている姉の高崎百合乃
(ゆりの)を主とするほむろは、
彼岸花のような赤い髪と金茶色の大きな瞳を持つ
凛々しく若い男。
透き通る周囲の中心は髪と同じ色の濃い紅で
しずく形をした石の精霊である。

ほむらに恋した百合乃はそばに彼がいても
触れることのできない関係を嘆き、
玉妖が石の中に思い描いた世界を作ることのできる
郷(きょう)へ、ほむらとともに去った。
郷では玉妖と触れ合うことができるのだ。
そうして百合乃は眠り続けた。

姉を呼び戻し、眠りから目覚めさせるために、
彩音はくろがねにほむらの郷に
連れていくよう命じるが……

皇国大和の首都・櫂都を舞台に、主の意を受け、
思い通りに姿を変える玉妖たちが、異界で、はざまで、
郷で、愛するがゆえの痛みと哀しみに翻弄されながら、
妖との、ときには玉妖どうしの闘いが描かれた、
第1回創元ファンタジィ新人賞優秀賞受賞作。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

少女不十分① 漫画 はっとりみつる 原作 西尾維新

少女不十分

文章を書くのが早くて得意というだけの若者がいた。
大学時代にはさまざまな賞に応募したが、
当然のようにどの出版社からも相手にされず、
作家は物語を作り、
作家志望者は嘘をついているだけなのだと気づく。

そんな折り、出逢った少女・Uは目の前で
友だちが事故死したのに、
まず携帯ゲームをセーブするという
異常な精神を持った小学生だった。

少女の本質を見切ってしまったがため、
若者はこともあろうに小学生のUに拉致される。
少女は真っ暗な物置に若者を押し込んで言う
「私を見てしまったから、閉じ込めて飼うしかない」と。

そして1週間にわたる監禁生活がはじまる。

謎を秘めた小学生・Uと、どこか彼女にシンパシーを感じる
作家志望の若者との奇異な関係が描かれた
西尾維新氏の作品を、はっとりみつる氏が
コミカライズしたものがたり第1巻。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

オリーブオイルに願いを

オリーブオイル


小高い山が墓石でうめられた霊園がある。
お彼岸やお盆には、そこで眠っている父の好物を持参して訪ねる。

先日も老いた母とふたり、供花と天ぷらを持って霊園に足を向けた。
その帰りに近くのスーパーに寄った際、突然声をかけられる。

「珍しいところにいるんですね、◯◯さんですよね?」
……えっ、誰だっけ?なんとなく見覚えはあるものの、思い出せない……
などと思案に暮れながら、とっさに出た言葉は
「お久しぶりです。よく分かりましたね」
脳内の思いとウラハラにその場を取り繕っている自分自身に呆れていた。

小学生らしきお嬢さんを連れていた彼女は
「この子が気づいて教えてくれたんです」と言う。
わたしは名前を思い出せないまま、
当たり障りのない話をしてその場を去った。

早くそのスーパーを出たい、
とにかく逃げ出したいという気持ちでレジに向かう。
すると “広告の品” と書かれたポップとともに
高く積まれたオリーブオイルを発見。

オリーブオイルといえば地中海料理。
地中海料理といえば認知症予防に効果大。
思わずレギュラーサイズよりかなり大きめの
“広告の品” をカゴに入れた。

我が脳の不甲斐なさに少し自棄になっていた。
帰ったら、オリーブオイルの一気飲みだぁ!

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

パッとしない子 辻村深月

パッとしない

5人組男性アイドルグループ「銘ez(メイズ)」のメンバーで
MC担当の高輪佑(たかなわたすく)は、喋りのセンスと
頭の回転の速さで、高い人気を博していた。

今や国民的アイドルであるたすくが小学生のとき、
図工を教えていた松尾美穂は、たびたびその頃の
彼の様子を聞かれるが、
パッとしない子というイメージしかなかった。
ただ絵は斬新でセンスが良かった。

そんなある日、『スペシャリスト』という番組の収録で、
本人が母校の小学校を訪れることになった。
まさかこれほど有名になった彼が自分のことを
覚えていてくれると思っていなかった美穂に、
たすくが「先生に聞きたいことあるんです」と
質問してきたのである。

その内容とは
「ぼくのことをパッとしない子だったと、
あちこちで吹聴しているって本当ですか?」

息が止まり、全身が硬直した美穂に次々と
浴びせられる、彼女自身忘れかけていた事実は……

“たすくんスマイル” と呼ばれる笑顔が清々しく、
少年のまま歳をとったような綺麗なたすくから
聞かされる、もう記憶も不確かな真実。

読中、嫌悪と怒りばかりが沸き上がっていた。
きっと読後感は最悪なんだろうと思った。
でも、それは美穂に自分を見ていたからだ。

悪気などない。でも何気ないひと言が、
不快感と人を傷つける刃になることがある。
そして自分の存在すら怖くなる。

一度発してしまった言葉は、
二度と戻ってきてはくれないのだ。
気づかないうちに犯してしまう罪。
危うい心に警鐘を鳴らす短編物語。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

幸せの香り

キンモクセイ


遠い昔、上京した年の初秋、
調布で初めて金木犀の香りを知った。
可憐なオレンジの花が空中を舞うように香る秋の香気。

それから金木犀の虜になったわたしの家には、
毎年小さな花とともに、この時期甘く優しい香りが
我が家を包んでくれる。

庭だけではもったいないと思い、
今年は枝を数本いただいて部屋に飾ってみた。
朝起きて、階段を降りながら、
ふわっと感じる香気に幸せな気持ちになる。

強く気高い芳香のわりに、慎ましい花をつけることから、
花言葉は「謙虚」だとか。
甘い香りに満たされながら願う、今秋は謙虚に、
でもスィートな恋と出逢えますよう!

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

カウンタ
Kindle 電子書籍の購入
電子書籍リーダー
honto 電子書籍の購入
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新トラックバック
検索フォーム
カテゴリ
リンク
おすすめ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
プロフィール

Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。