9月の投稿書籍

紅(くれない)匂ふ1真夏の夜の被害妄想 20文豪失格ねぼけ人生
ショート・アラベスク1戦後史の学び方好きな人がいること1ナニワ金融道 カネと
非情の法律講座
聖セイント ロザリンド 侠飯おとこめし政宗くんのリベンジ1世界を変えた10冊の本

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世界を変えた10冊の本 池上 彰

世界を変えた10冊の本

進む活字離れと相反し、日々出版されている大量の書物。
そのなかには世界を動かして世界史を作り上げたり、
そのダイナミズムに圧倒されたり、
独特の論理に魅せられたりする本があると語る著者が、
そんな偉大な力を持つ書籍10冊を紹介。

第1章 アンネの日記
中東問題の行方に大きな影響力を持つ『アンネの日記』は、
イスラエルが中東に確固たる地歩を築く存在だった。

それは13歳から15歳までの多感な少女の成長記録であり、
母親との葛藤や性的表現が削除された父による編集版で
清純な乙女の日記と、幼さの残る容赦ない筆致、
友人への辛辣な批判、母への反感と父に対する愛情など、
等身大の少女の実相が赤裸々に描かれた
増補新訂版とがある。

キティーと名づけられ、アンネの心の支えと
慰めになった日記帳は、
アンネナプキン命名の由来でもあるという。

《弱いものは狙われます。けれども強いものは生き残り、
決して負けることはないのです!》
日記のなかで、アンネは可憐な少女から
強きユダヤ人女性へと成長する。

性に目覚め、愛に目覚め、
強きユダヤ人女性に目覚めたアンネは、
やがてドイツ親衛隊とオランダ保安警察に逮捕され、
この日記が終わる日がやってくる。

作家になりたかった少女の夢は、彼女の死後叶えられ、
世界の記憶遺産にも登録された。

世界中で愛され、今もイスラエルが存続している所以である
『アンネの日記』によって、中東世界は大きく変わったが、
そのことで苦しむ子どもたちを見たら、アンネは……と、
池上彰氏は、今も人々の心に生き続けるアンネに問いかける。

そして池上彰氏に選ばれた偉大な書籍の紹介は続く。
第2章 聖書
第3章 コーラン
第4章 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
第5章 資本論
第6章 イスラーム原理主義の「道しるべ」
第7章 沈黙の春
第8章 種の起源
第9章 雇用、利子および貨幣の一般理論
第10章 資本主義と自由

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

政宗くんのリベンジ① 原作:竹岡葉月 漫画:Tiv

政宗くんのリベンジ1

細マッチョでイケメンの真壁政宗には
黒歴史の過去があった。
デブ時代だったころ、
「あんたなんか好きにならない、豚足!」と、
蔑まれ、こっぴどくフラれたのだ。

それから8年、信州の祖父のもとで
厳しい鍛錬を重ね、身分を隠すために
祖父の姓を名乗り、この街に戻ってきた。
そして復讐のため、編入試験満点で、
憎いヤツのいる高校に転入したのである。

入試トップ、安達垣(あだがき)グループの筆頭で
超美人の安達垣愛姫(あだがきあき)は、
男嫌いで告白されると酷いあだ名を付けて撃退する。
陰で残虐姫と呼ばれている安達垣は、
実は政宗がリベンジのために探していた仇敵だった。

8年ぶりで再会した政宗は、情報収集からリベンジ開始。
昼食時、体育倉庫に隠れてドカ弁数個に
カツサンドを食べるという、とっておきの切り札を
手に入れたころ、恥ずかしいあだ名を付けられて
フラれた腹いせに安達垣の髪を切ろうとしていた
タナベアキオに、政宗が立ちはだかる。

安達垣を恋に落として夢中にさせ、
最高の形で捨てるという作戦だったが、
そんな折り、政宗に1通のラブレターが届いた。
なかに書かれていたのは「豚足」という文字。
それは8年前、政宗が安達垣に付けられた、
恥ずべきあだ名だったのである。
いったい誰が……愕然とする政宗。
はたして政宗のリベンジは成功するのか……

デブというだけでいじめられていた、
あの黒歴史を繰り返すのは嫌だ。
我が身を彷彿とする政宗の心情が
痛いほど伝わってくる復讐ラブコメディー。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

侠飯(おとこめし)  福澤徹三

侠飯おとこめし

偏差値40ちょっとの大学に通う22歳の若水良太は、
4年生の12月になってもいまだ内定をもらっていない。
就活をはじめたころは出版社や広告代理店に
応募していたが、書類選考すら通らず、
ほかの業種にかえるもすべて不採用。

就職が決まらないまま卒業したくないと、
良太は大学主催の模擬面接に参加したあと、
友人の信也とガストでだらだら粘って、
箸本ハイツに帰宅した。

時刻は9時を過ぎていた。
空腹のためコンビニへ行こうと外に出て、
あろうことか暴力団抗争に巻き込まれる。

日本最大の暴力団山盛組組員が、
対立する柳刃組組長の柳刃竜一と舎弟の火野に
発泡していたのである。
良太は流れ弾にあたりそうなところを柳刃に助けられるが、
そのあとヤクザふたりは良太の部屋に隠れると言い出した。
恐怖におびえる良太はしぶしぶ彼らを部屋に案内し、
それからヤクザとの奇妙な同居がはじまる。

部屋に入るなり、火野が敷きっぱなしの布団や
雑多な物が散乱しているリビングを掃除し、
柳刃がキッチンを磨いたあと冷蔵庫にある食材で
手際よく料理をはじめた

とんでもない状況に食欲も忘れていた良太だったが、
並べられた料理……缶ごとグリルされたレモン風味の
オイルサーディン、かまぼこバターの卵とじ、
りんごとチーズサンドなどを見て急に空腹だったことを
思い出し、夢中でそれらを平らげた。

満腹になると不安がよぎる。
山盛組と警察に追われている柳刃は、いったい
いつまでこの部屋に居座るつもりなのか、
警察に通報するのが賢明か……

しかし迷っているあいだに、電化製品は新品にかわり、
食材や酒をネット注文したり、
どっちが部屋の主人か分からない日々が続いていた。
良太はヤクザとの生活にストレスを感じつつ、
柳刃の作る食事が楽しみになっている自分に戸惑う。

そんなある日、内定が決まったら、
部屋から出て行くと、柳刃に約束させるが……

突然首筋にあてられた刃物にビビったり、
声を出さずに毒づいたり、そこかしこにギャグ満載。

タラテッロのマリネ、アイスパイン、カチョカヴァロのソテー、
スティルトンのクリームパスタ、ジェイルライス、
花椒(ホアジャオ)のきいた麻婆豆腐など、
聞き慣れない料理も紹介。

頬に大きな傷があり眼光鋭いが礼節をわきまえ、
几帳面できれい好きな柳刃に、就職も決まらない
甘っちょろい良太が、料理だけではなく、
さまざまなことを教わる成長物語&グルメ任侠小説。

やっぱり本っていいなぁ。
ユーモラスな文体が心地よいのだ。
現実逃避のなかで幸せに浸ることのできる1書。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

御嶽海 と 山雅 と 郷土愛

御嶽海


「暑さ寒さも彼岸まで」という慣用句、信州では
「暑い暑いもお盆まで」なのだ。
そう、これは勝手に作った造語。

とはいえ、温暖化が進んだのが原因なのか、
近年は信州も8月中は夏でいてくれる。

そして9月。
お彼岸といえば、お墓参りに行かねばと、
供物の果物とお饅頭を持って実家を訪ねた。

母とふたり、父と祖母が眠っている墓前で、
手を合わせ近況報告をしたあと、
ちょうどお昼どきだったので、
昔ながらの和食チェーン店でランチしよう
ということになった。

ところがお店に入るなり、予約の有無を聞かれびっくり!
……予約できるんだぁ……

予約していない旨を伝えると、
現在満席なので、20~30分かかるとのこと。
……えっ、まだ11時30分なのに、
そんなに人気店だったっけ?……

と、2度びっくりしつつ待つことに。
手持ち無沙汰でキョロキョロしていると、
目に飛び込んできた1枚のポスター。
それは信州が生んだ若きスター力士を応援する
御嶽海丼なる逸品。

へぇ〜!っと、さらにびっくりしているところで、
ようやくカウンターに案内される。
何を食べようかメニューをパラパラめくっていると、
山雅丼なるものまで発見。
驚きとともに温かい気持ちになる。

なんだか御嶽海も松本山雅も、
今年は優勝できそうな気になってきた。
やっぱり信州は郷土愛が強いんだぁと心打たれながら
わたしが注文したのは、どちらにも関係ない
あがた御膳だった……ダメじゃん!

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

聖(セイント)ロザリンド わたなべ まさこ

聖セイント ロザリンド

メリイ夫人がベランダから転落して亡くなった。
実はメリイ夫人がかわいがっていた美少女ロザリンドは、
夫人が死んだら金の置き時計をもらう約束を
していたのである。

8歳の美少女は言う
「明日ギリシアのロドス島に発つために急いでしまって。
どうしてもこの置き時計を持っていきたかった」と。

ロドス島ではロザリンドの従姉妹のダリアが
ベランダから海に落ち、無惨な姿となって発見される。
しかも左手の薬指が噛みちぎられていたのだ。
その指にはめられていた、
ロザリンドが欲しがっていたダイヤの指輪ごと。

悲嘆に暮れるダリアの母が。
そこでロザリンドが好きになったイリアスと彼の恋人が。
屋敷の周りをうろつくルンペンのベンが。
次々と無惨な死を遂げる。
ロザリンドの周りで起こる奇怪な事件。

彼女のルーツをさかのぼると、
未成年にもかかわらず残虐な殺人を犯し、
史上稀な断頭の刑に処せられた祖……

バラの花びらのような頬と天使のように
愛くるしい瞳の気品高い美少女ロザリンド。
その美しい容姿とは真逆の、
悪魔に魅了された殺人鬼。

誰もが愛さずにはいられないキュートな姿に潜む、
想像に堪え難い残酷な悪鬼が描かれた
少女ホラーコミック。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

ナニワ金融道 カネと非情の法律講座 青木雄二

ナニワ金融道 カネと非情の法律講座

全国に消費者金融はおよそ9,300社。
ノンバンク全体の約5%を占め、
信販・リース・銀行系カードなどがマイナス成長に対して、
消費者金融はプラス成長を記録。

しかしバブル崩壊後、自己破産が急増したために、
返済の滞納者も増加している。
不況による収入減で、ローンやクレジットの
返済ができなくなったことに起因するようだ。
「バブル型」多重債務者から、
「不況型」多重債務者にかわり、
彼らは破産予備軍になる可能性も高い。

貸し付けを縮小する傾向にあるなか、
消費者金融だけが貸し付けを増やしているのは、
必ず債権を回収する自信があるからである。

債務者に仕事を強要する、家族や親類から取り立てる、
夜逃げしても住民票から居場所を探し出すなどで
回収するのだ。

債権が回収できず経営の苦しい業者もいる。
カネ貸し業も厳しい時代、カネを貸す側借りる側、
法律の欠陥と裁判など、『ナニワ金融道』の著者が、
消費者金融と法律について雄弁に語る。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

好きな人がいること①  栄羽 弥(さこうわたり)

好きな人がいること1

高校2年生の八木桃子は
いつもクラスメイトの柴崎夏向(しばさきかなた)を
目で追ってしまう。
夏向のルックスは彼女好み。
でもそれだけではない、
どこか影のある表情に惹かれているのだ。

イケメン3兄弟の二男で、
長男の千秋が営んでいるレストランを手伝うつもりの
夏向は、将来必要ないからか物理で赤点をとり、
補習を命じられる。

これはチャンスだとばかり、桃子は物理の先生に
「最後に先生の補習を受けたい」と
嘘をついて補習に参加する。

実は桃子の両親が離婚することになり、
彼女は転校しなければならなくなったのである。
片想いの夏向とも逢えなくなる。
だから桃子は必死で夏向を追いかけ、
そしてついに言葉にする。
「好きな人いる?」
夏向は桃子を指差し……

明日この街を去る桃子と夏向の恋は……

フジテレビ月9放映中、同タイトルの主人公・
夏向高校時代のドラマ番外編。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義 日本篇 池上彰

戦後史の学び方

学校で教わる歴史は、たいがい第二次世界大戦まで。
しかしその時代を経験していない者にとって、
それは歴史であり、その知らなかった空白を埋めることで、
現代が鮮明に見えてくるもの。
歴史から学ぶ力をつけることが、
現代を生きる必須の教養なのだ。

日本は第二次世界大戦と水爆実験によって
原爆の被害を受けながら、米国から原子炉を買い
原子力発電事業を推進してきたが、原子力船むつ、
東海村臨界事故、
東電福島第一原発事故などの問題から何を汲み取るのか。
永遠の議題である安全性とコストダウン。

戦後の日本経済を発展させるための政策、
警察予備隊設立から現在の自衛隊へ、
世界の東西冷戦と日本の東西冷戦、
長期自民党政権が引き起こした腐敗、新党結成、
日米安保条約と全学連、エネルギー革命、韓国併合、
日本列島改造、バブル経済からその崩壊、
そしてデフレと政権交代まで。
特に興味深い学校では教えられないことなど、
現代から過去を掘りさげ歴史に学ぶ。

東工大生に、日本を背負っていく若者に、
期待を込めて問題提起する本書。

戦後の日本は、全土があの東日本大震災を
彷彿とさせるような悲惨な状態だった。
そこから不死鳥のように甦った経験を若者に伝えたいと、
日本の戦後史がまとめられた池上彰教授の
東工大講義第2弾。

どうしてだろう、科学や政治・経済が苦手なわたしにも、
池上彰先生の講義はとても分かりやすく、
そして興味深く脳に溶けていく。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

ショート・アラベスク 手塚治虫

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『 刑事(デカ)もどき-エムレット-』
台風18号で海が荒れ、連絡船遭難。
網走刑務所へ護送中の詐欺師・
大枚田助五郎(おおまいだすけごろう)は
海に投げ出され、手錠で繋がれていた刑事の
段袋(だんぶくろ)に助けられる。
そのことがきっかけで、
大枚田は段袋の家に転がり込んでしまう。

大枚田は命の恩人である段袋に恩返しをしようと、
自慢の腕を振るい家事をこなして段袋に尽くす。

そんな折り、殺人事件が……
被害者は製薬会社エムレットの社長・唐津三郎。
鑑識の結果、殺害現場とは別の場所で溺死し、
ひるが池に運ばれたとのことだが、
遅々として事件の謎を解くことができない段袋。

そこで一流の詐欺師だった大枚田が段袋のために、
事件の真相究明に乗り出す。

『刑事もどき-鹿の角-』
『苦情銀行』
『一族参上』
『角』
『ヒョーロク記』
『蛸の足』
『現地調査』
『声』
『反射』
『笑う男』
『夜の客』
『ゲーム』
『紐』
『成功のあまきかおり』
と続く、お色気とお笑いと人情がおりなす
手塚治虫傑作短編集。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

ねぼけ人生 水木しげる

ねぼけ人生

偶然と神秘にあやつられている誕生と生。
両親は奇妙な事情が重なって結婚し、
しげるは鳥取県境港市入舟町の武良(むら)家に、
3人兄弟の2男として生を受ける。

幼いころ、不思議な話を聞かせてくれたのんのんばあが、
しげるのお化けの教師であり、妖怪や伝統行事を
住みつかせることになった原点だった。

小学生になったしげるは霊感が強かったのか、
不思議で怖い体験もしたが、ガキ大将となり
ゲリラ戦も展開するイタズラ好きのスターだった。

ズイボ(餓鬼というような意)と呼ばれたり、
天才少年画家と報じられたり、動物園を作ったり、
さまざまな才能を発揮したしげるだったが、
きわめて酷い成績で小学校を卒業し、
高等小学校から印刷屋や版画社などに勤めるも
すぐクビになるので、両親は精華美術学院に
入学させ、しげるは朝から晩まで絵を描いて過ごした。

しかし2年もしないうちに退屈になり、
退学して住み込み新聞配達員となり、
その後支那通信に就職、
日大付属大阪中学夜間部に入学。

昭和18年、夜間中学3年のとき召集令状が届いて
ラバウルに出兵し、空襲を受けて左腕を切断しながらも
生きながらえたことで、
自分の意志以外で生かされていることを痛感する。

ラバウルでは土人と仲良くなり、彼らはしげるのために
芋畑を作ってくれたり、マラリヤで高熱が続くしげるに
パパイヤやバナナを差し入れてくれたり、
仲間として絆が強くなっていったころ終戦を迎え、
昭和21年3月帰還。

その後ヤミ米の買い出し屋、新生会に入会して
魚屋や街頭募金、リンタク屋や東海道募金旅行などに
勤しみながら武蔵野美術学校に通い、
神戸の安宿を買った。

その宿は兵庫区水木通りにあったので「水木荘」と命名。
ペンネーム・水木しげるの由来だった。

住人に紙芝居画家がいたことでしげるも紙芝居をはじめ、
鈴木勝丸先生、加太こうじ先生とともに
阪神画劇社で紙芝居『墓場の鬼太郎』を描き、
甥をモデルに怪奇なだけではなくユーモアと
アクションを取り入れて人気を博していった。

ニーチェやショーペンハウエル、
聖書やゲーテを好んで読み、
空想のなかでゲーテになって楽しむ青年時代。
水木荘の奇人たちとユニークな漫画家仲間。
死と隣り合わせの戦地でも、決死や玉砕より
パパイヤがちらつく楽天ぶりと、細かいことに
気がつかない陽気な『ゲゲゲの鬼太郎』の
著者・水木しげるの半生が描かれる。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

文豪失格 千船翔子

文豪失格

第1話 文豪、アキバへ行く
そこは天国。
49歳の生涯を終えた夏目漱石は、
天国でも執筆活動に余念がない。

彼を慕う弟子は多く、
木曜日のみ面会日としたにもかかわらず、
芥川龍之介(代表作『河童』『羅生門』)が
漱石を訪ね、
ライトノベルの書き方を教えてほしいと言う。

最近は天国でもライトノベルの読者層が増え、
出版社から依頼を受けたらしい。

そこにやってきたのは、生前、面識のない漱石に
金の無心をしたという、極度の潔癖症で、
幻想文学を得意とした文豪・泉鏡花と、
いたぶられるのが大好きな潔い変態で、
耽美主義の文豪・谷崎潤一郎。

こうして漱石のもとを訪れた文豪たちは、
ライトノベルの読者が集まる天国の平成地区にある
アキバへ取材に向かうが、その異様な雰囲気に、
芥川は色欲と煩悩が巣食う阿鼻地獄だと青ざめ、
谷崎は『蜘蛛の糸』セカンドシーズンだと悪態をつく。

カラフルな髪に獣の耳や羽根をつけた
異常な姿に漱石は百鬼夜行かと嘆き、
うさぎグッズの収集家である泉は
うさぎのコスプレで高揚し、
谷崎は看護師の白衣にエロ電波を受信する。

心の闇を感じた芥川は
《如何に一芸一能に秀でようとも、
人として五常をわきまえねば、地獄に堕ちる外はない
by 『地獄変』》とつぶやき、
虚飾の世界と醜悪な人間に新作の予感。

それからメイドカフェに入ると、漱石は
「坊っちゃんと呼んでいただきたい、おキヨ」
とメイドに頼み、ドMの谷崎はご褒美ビンタを
受けた漱石を羨む。

取材を終え、明治地区に戻ってきた文豪たちは
ライトノベルは擬音ばかりで雑な文章だと
落胆しながらも、ミヤケン(宮沢賢治)風で、
いずれ文学的・歴史的価値を持つかもしれない。
現代人に負けてはいられないと、
天国でも創作意欲に掻き立てられるのだった。

ほかに
第2話 文豪、ラジオで生激論
第3話 文豪、締め切り前
第4話 文豪、芥川賞の恨み
第5話 文豪、婚活をする
第6話 文豪、逃走中
第7話 文豪、ラジオで生激論2、収録。

崇拝すべき偉大な文豪がボケてツッこんで、
とにかくおかしくて笑いが止まらない。
文豪たちの人物像とその関連書籍の紹介も嬉しい。
笑いながら文学史を学べる、
あまりに有名な文豪の方々と、
彼らのエピソードも含め、
コミカルに描かれた教養ギャグ漫画。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

SiX SAMANA 真夏の夜の被害妄想 20 監視される前に読め

真夏の夜の被害妄想 20

秋田県の五城目町にあるジャズ喫茶・ミカ。
昔は林業が盛んだったというこの町も、
今は淋しく退屈な雰囲気が漂っていた。

目的地に向かって歩を進めて行くと、
鬱蒼と茂る建物が現れた。
それがその喫茶店だった。

蔦に覆われた強烈な存在感。
1962年開店のジャズ喫茶。
大量のLPレコードと高級アンプに名機・JBL4343。

不思議な縁でたどり着いた
喫茶店の章から始まる本書。

記憶力が衰えたと嘆く本誌発行人が、
他人の人生を覗いたような過去が書かれた
冥府魔道日記を公開。

キワい客層で有名な上野の某映画館を取材。
君塚正太・フランス国家憲兵隊大尉に
ロングインタビュー。
DJ北林自伝『仁義なき買春』企画会議。
終戦記念日の靖国神社を取材。
お台場の怪談イベントに参加。
ホモの無法地帯を視察など、
非日常のような日常が描かれる。

編集長のクーロン黒沢氏からはじまり、
山田・サム・レンシー・五郎氏、井上太夫氏、西山たけし氏、
とりドル氏、古牧和都氏、吉倉槙一氏、エポック伊藤氏、
ザビエル古太郎氏、岡本朋久氏、ロボットマナブ氏、
サボール氏、ケチケチ・グル氏、イトゥー氏、
コイワカメラ氏など、かなり個性の強いライターによる
ノンフィクションドキュメンタリールポルタージュ。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

紅(くれない)匂ふ① 大和和紀

紅(くれない)匂ふ1

昭和24年、京都のはずれの山科に生まれた吉田珠子は、
もともと公家の家柄だったが、
今は友禅の絵描きをしている父と、母との11番目の
末っ子として誕生した。

無口で人みしり、賑やかなのが苦手で、
嫌なことがあると押入れに逃げ込む珠子は、
幼いころに芸妓置屋「石橋」の女将から
跡取りにしたいと懇願される。

両親は決して珠子を手放したくないと、
女将の申し出を断り続けていたが、
「誇りを持って、お人さんのお役に立つようにならなあかん」
という父の言いつけを聞き、
幼いながらも父と母のために「石橋」へ行くことを決意。

そして珠子6歳の6月6日、舞のお稽古が始まり、
昭和34年珠子10歳のとき、正式に石橋の養女になる。
大好きな両親と別れる辛さを堪えての、
両親のためだと信じての決断だった。
自分は、吉田珠子は死んだのだと自身に言い聞かせながら。

それから昭和40年、15歳で咲也(さくや)になり、
お茶屋見習いの初日を迎える。

舞妓は天使。邪心も汚れもない天の子ども。
天使と遊ぶ客は善人になる。それがお茶屋遊び。

置屋からお稽古・お茶屋への往復を繰り返す舞妓の365日。
新聞・雑誌・書籍で知識習得、深夜に帰宅してから
ひとり稽古、1日3回の入浴、3時間睡眠。
それが15歳の店出し以来、咲也の日常だった。

やがて世界の一流ゲストをおもてなしするような、
100年にいっぺんの舞妓・咲也に育っていく、
華やかでいけずと妬みが渦巻く祇園舞妓ものがたり。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

♪ この〜実、なんの実、気になる実〜

花

この季節、日中の強い陽射しと
夕方降る雨の恵みを受け、草もエネルギッシュだ。

だからわたしも太陽が低くなった時間をねらって、
草と格闘する。
といっても、単なる草むしりですけど……

むしった草がバケツにいっぱいになると、
マルチ代わりに、さくらんぼや
キンモクセイの根の周りにバケツを傾ける。
肥料になるかもと、
ときどき料理に使った野菜くずも添える。

そんなことを繰り返していたある朝、
そのオリジナルマルチから
野菜の苗らしいツルが伸び、
鮮やかな黄色い花を咲かせていたのである。

ん〜、なんだろう?
野菜くずのなかに、
なにかの種が入っていたんだろうか?
いずれ、なにか実るんだろうか?

そういえば何年か前、トマトと書かれた苗を買ってきて
プランターで育てた。
数週間後、実った姿に仰天したことがあった。
トマトの容姿とはかけ離れた、
緑と黒のたて縞が描かれた実が生っていたのだ。
そう、それはスイカだった。

ふと、そんなことを思い出し、数週間先を夢見ながら
謎の花に魅入られて口ずさむ。
♪ この〜実、なんの実、気になる実〜 ♬保存

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

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プロフィール

Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。