8月の投稿書籍

のだめ カンタービレ#1ビジネスマンへの
歌舞伎案内
赤灯えれじい1黄金仮面
スティーブ・ジョブズ  Steve Jobs 1必笑 小咄のテクニックイシュタルの娘イギリスの家庭料理
はいからさんが通る1仕事は楽しいかね?鉄腕アトム神様より

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神様より 慈恩 保

神様より

ときどき理由も分からず気分が滅入るときがある。
ううん、理由はは分かっている。
仕事がうまくいっていないとか、
友人との仲がぎくしゃくしているとか、
漠然と将来に不安を感じたりとか。

そんなとき本書に出逢い、
タイトルに引き寄せられるようにして購入した。

冒頭には
《この現実は、あなたの思考が創りあげている世界です。
現実を変えたければ、自分の思考を
変えるしかないのです。神様からのメッセージは
ありとあらゆるところに存在します》と、書かれていた。

なにか胡散臭い、あるいは当たり前のことしか
書かれていないと感じつつ、
本を閉じることができなかった。

幸せになる方法……笑顔を作る。
だって幸せな思考が幸せな現実をもたらす。
それは人間の脳は笑顔を作ることで幸せだと
認識するようプログラムされているから。

元気になる方法……「身体さん、24時間働いて偉いね、
ありがとう!」と、自分の身体を褒めて感謝する。

夢を叶える方法……自分を愛し、自分を信じ、
自分に願う、それが自分だけに送られた
メッセージだって、いつか分かるから。

ただ読んでいるだけだと、あまりに分かりきったことが
書かれているように感じるが、
実はそこに真実があるのかもしれないと思えてくる。

この世界は思考が創りだした幻の世界。
だから病も辛いできごとも意識から葬れば消えてしまう。

ふと、気持ちが楽になった。

辛いときは思いっきり泣いていい。
でも幸せになるために、作り笑いでもいいから笑う。

簡単なようで、実はかなり難しく、
難しいようで、もしかしたら、
とてもすんなりできるかもしれない。

なにも考えず、なにも思わず、豊かなフリ、
幸せなフリをしていれば、それが現実になる。

身体が疲れたとき、心が辛いとき、
優しく語りかけてくれる人生のバイブル書。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

鉄腕アトム 手塚治虫

鉄腕アトム

天文学によると、何千億万兆もの星のなかに、
十数個も地球にそっくりの「別の地球」があるとか……
そこにもし人間がいたら……

この物語はそんな空想をもとに描かれたおとぎ話である。

太陽の周りには数え切れない惑星が存在する。
そのひとつである地球が突然大爆発を起こした。
人々はロケットに乗って、別の地球に向かったが、
彼らは2,000年間宇宙をさまよい続け、
その間ロケットのなかで生活してきた。

そしてようやく到着した第2の地球は、
見渡す限り美しく青い野山がそびえ、
そこに住む動物たちは以前の地球にいた生物と
変わりなかった。

それに植物も地質も、もといた地球とまったく同じで、
驚いたことに第2の地球には、
宇宙人としてやってきたタマオやお茶の水博士に
ヒゲオヤジたちと、風貌も名前も同じ人間が
住んでいたのである。

そこでふたつの星の人々のあいだで
話し合いが持たれ、宇宙人は第2の地球に
移住させてもらえることになったが、
それを快く思わない天馬博士は収縮薬を使って
宇宙人を襲ったために、宇宙人もそれに対抗し
攻撃をしかけ争いとなってしまったのだ。

そして平和の使節となったのがアトムだった。

実はアトムは天馬博士が事故で喪った息子を
忘れられずに造られた人造人間だったが、
やがて天馬博士と闘うことに……

21世紀の未来を舞台に
ロボット少年・アトムが活躍するSF漫画、
手塚治虫不朽の名作第1巻。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

仕事は楽しいかね? THE MAX STRATEGY デイル・ドーテン 野津智子=訳

仕事は楽しいかね?

5月、3日前から仕事でシカゴに来ていた私は、
午後の早い便で帰宅しようと思っていたのに、
ひどい雪で空港が閉鎖され、
26時間閉じ込められることになった。
それは、背中合わせの不運と幸運だった。

空港には同じように足止めを食わされた人々のなかに、
子どもたちと遊んでいる老人がいた。
眺めるともなく見ていたが、しばらくして私に近づいてきた
その老人は、子どもたちのことを話しはじめ、
いくつか私に質問をしてから言った。
「仕事は楽しいかね?」と。

ギクリとした私は、苦々しい思いと憤懣、
失望感を老人にぶちまけていた。

勤めだして15年、一向に出世できず、
まるで生きているのはまだ死んでいないことのようです。
リストラ、退屈と不安。
自己啓発書を買い、起業のための貯蓄もしたがうまくいかない。
かつて友人と会社を興して、すべてを失くしたことを話したあと、
そんな話をしたことを後悔したが、老人は逆に尋ねてきた。
「他人は何のためにいるのかね?」と。

そのとき子どもたちに見つかってしまい、
老人は連れていかれてしまった。
私の肩に大きな手を置いたとき、彼の生の喜びを感じ、
熱いものがうずいて鳥肌がたった。

その直後、老人は発明家・起業家として巨万の富を築いた
マックス・エルモアだったことを知る。

しまった!愚痴ばかり話して、老人の英知を吸収するチャンスを
逸してしまったと、酷い後悔に苛まれる。

ところがしばらくして企業のトップのひとりである老人は戻ってきた。
そしてふたりは成功のための戦略について話し合った。

コカコーラ、リーバイス、ドールハウスのクッキー、
スティーヴ・ウォズニアックとジョブズ、ビル・ゲイツなど、話は進み……

たったひと夜の講義が主人公である「私」を
ゴールのない極みへ引き連れていく。

この穏やかでお茶目な老人が、
次はいったいどんなことを話してくれるだろう ⁈
次に出逢う話に、きっと自分のなかで希望が見えてくる確信に
ワクワクした期待が膨らむ、
未来に向けた成功が秘められた人生の指南書。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

はいからさんが通る① 大和和紀

はいからさんが通る1

大正7年、ロマンの香りあふれ、人情が色濃く残っていた時代。
えび茶の袴にハーフブーツをはき、髪に付けたリボンを
たなびかせて颯爽と自転車をこぐ17歳の女学生花村紅緒。

満開の桜を仰ぎながら走っていたが、突然毛虫が現れ、
自転車とともにすってんころりん。
偶然居合わせた陸軍少尉・伊集院忍は、
みごとにコケた紅緒の姿に笑いが止まらない。
紅緒はムッとし、少尉の頬を思いきりビッタン!

それがふたりの出逢いだった。

殿方に選ばれるのではなく、女性が殿方を選ぶと弁じる
跡無女学館の同級生・北小路環は学術優秀な紅緒の親友。
親の決めた縁談で見知らぬ男に嫁ぐなんてまっぴら。
花嫁修行ではなく、進学のために勉強したいと熱弁する
華族のお嬢さま・環と紅緒は大正女学生ハイカラさんなのだ。

少尉との再会はまたまた紅緒のジャジャ馬ぶりを
見せつける最悪の状況だった。
しかしそこで陸軍少佐の父から、
少尉はいいなずけだと知らされた紅緒は
あまりのショックに意気消沈。

しかも少尉は親友の環が幼いころから想い続けてきた
意中の人だったのである。

この縁談は少尉の愛すべき祖母の悲願を叶えるためだったが、
ラブ抜き結婚に抗い、環のためにも受けることはできないと、
伊集院家の花嫁修行でメチャクチャに暴れるつもりだったが……

おしとやかで美男、踊りの師匠で、
紅緒にぞっこんの幼なじみの蘭丸。
公家の伊集院家、上品で心の広いおばあさまと、
槍を持って紅緒を追いかける、頑固で時代錯誤だけど、
実はかわいい伯爵おじいちゃん。
車ひき・牛五郎の笑える金魚の刺青。
美形蘭丸のメイドコスプレ。

男まさりでおっちょこちょい、食べ物に弱く酒乱だけど、
一途で正直で友だち思いの紅緒と、
笑い上戸で美形のハーフ、結婚できなかった両親からの
愛情薄く、祖母に育てられた麗しい少尉との、
ユーモアとコメディあふれた、あの大正ロマンがよみがえる。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

イギリスの家庭料理 砂古玉緒

イギリスの家庭料理

特別な調理器具も使わず、
作り方も簡単でシンプルなイギリスの家庭料理。

オーブン料理にしても焼いてそのままテーブルへ運ぶ
手軽で気取りないメニューなのに、見栄えも味にも優れ、
日々の食事としてもおもてなし料理としても活用できる。

四季があり、かつ島国という日本と共通点の多いイギリス。
豊富な食材で旬をいかし、昔ながらの知恵と伝統を
受け継いだ、素材の味と最少の調味料が特徴の
イギリス料理が、著者のアドバイスである調理に必要な
基本的ルールとコツ、写真とレシピで紹介される。

Part1 イングリッシュブレックファスト
フルブレックファスト ……イギリスの朝食に欠かせない
      ミルクティーとともに、ほかのヨーロッパ諸国では
      類をみない豪華朝食
デイリーブレックファスト……紅茶かコーヒー、
      シリアルやカリカリトーストなどがメインの普段の朝食

Part 2 サンデーローストとコールドランチ
サンデーロースト……代表的なローストビーフなど、
      かたまり肉を焼いて家族で楽しむ日曜日のランチ
コールドランチ……サンドイッチとチーズやフルーツなど、
      普段のランチ
イギリスといえばティータイム
      メイン料理を焼いているあいだに、
      ボールひとつでできる焼きっぱなしのお菓子
      トレイベイクなどがポピュラー

Part 3 いつものスープ……長く厳しい冬に
      部屋を暖めながら煮込む地方色豊かなスープ

Part 4 受け継がれてきたメインディッシュ……素材を生かした
      素朴で伝統の味

Part 5 じゃがいもと野菜の料理……種類豊富なじゃがいもと、
      調理方法もバリエーション豊かで、
      イギリスでは不可欠な野菜料理

Part 6 クリスマスの料理……もっとも盛大で厳かに迎える
      クリスマスを、家族みんなで作り
      祝う伝統料理で母の味

日本料理、フレンチ、イタリアン、メキシカン、中華と、
さまざまある各国レストランで、
イギリス料理はあまり馴染みがなかった。
そのためイギリスの家庭料理がどんなものなのか
興味がわき拝読する。

本書はそのレシピのみならず、イギリスの文化や伝統に歴史、
家族のあり方や絆までが伏線として楽しめる
内容の濃い英国家庭料理本。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

イシュタルの娘 --小野於通伝-- 第一巻  大和和紀

イシュタルの娘

開けの明星、宵の明星と呼ばれる金星。
ローマ神話ではヴィーナス、ギリシア神話では
アフロディーテと女神の名が与えられ、
古代メソポタミアでは女神イシュタルと呼ばれていた。

元亀元年(1970年)岐阜
織田信長が岐阜城を拠点に
全国制覇へと踏み出していった時期

美濃斎藤氏滅亡後、小野正秀は信長に仕えてきた。
小野家の血筋にはときおり天眼を持つ者が現れる。
正秀の娘・於通(おつう)も
常人には見えぬものが見えるらしい。

戦国の覇者が築いた岐阜城下に信長が帰城すると、
その勇姿をひと目見んと町は賑わっていた。
しかし信長が於通には怖ろしい黒竜に見え怯える。
そんな於通に正秀は、於通が見えたもの、
とくに吉凶にかかわることは口にしてはいけないと、
優しく諭すのだった。

数年後、信長が安土に居城を築こうとしたために、
一家は近江の安土へ移住する。
流行の最先端をゆくこの町で9歳になった於通は、
琵琶湖に浮かぶ女神や、
当時猿と呼ばれていた豊臣秀吉を取り巻く強い光が
見えたりと、成長とともに天眼力も増していった。

母の手伝いで染め物をし、子どもたちに草紙を
読み聞かせ、物語まで作る容姿も才も優れた
12歳の於通は、ある日信長に呼ばれる。
そして信長の命に従い、
おとぎ話を聞かせることになる。
信長はくだらん話だと言いつつも、
噂に違わぬおもしろき娘よ、また参れ!と、
信長に気に入られた於通。

やがて女性初の文人墨客として公家社会に
受け入れられ、16歳で世に残る
『金葉和歌集写本』を完成。

忍びの里・信濃の飯綱で真田源三郎、
源次郎と出逢い、いつ明けるともない戦の暗闇を
さまよっているふたりは於通を見て、
夜明けを告げる明けの明星のようだという。
於通は闇の黎明を告げる巫女なのだろうか……

勘気が激しく鬼神のごとき信長のお眼鏡に叶い、
小野妹子や小野小町などによって受け継がれた
アメノウズメの力を持つ於通の生涯が、
大和和紀の美麗な画で描かれた戦国ロマン第1巻。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

必笑 小咄のテクニック 米原万里

必笑 小咄のテクニック

【第一章 詐欺の手口】
短い話で笑わせてくれる小咄。
それは感心すれば人に話したくなり、
口から口へと伝わるため、
多少変化していく民話などと同じフォークロアの一種。

小説やエッセイなど文章化されたものと違い、
いかなる権威も通用しない、
中身が勝負のシビアな世界である。

それまで聞いては笑って伝えてきた小咄を
創ってみたくなり、分類・腑分け・整理と仕組みを
明らかにしていく過程で再確認したのが、
傑作小咄のやり口は詐欺の手口に
ソックリということだった。

もともと詐欺行為とは
人間の思考習慣の裏をかく犯罪なので、
その手口が意表をつくのは当然で、
それがそのまま小咄になる。
つまり詐欺師は優れた小咄作者になれるのだ。

また大した手口ではなくても、
演出次第で相手の意表をつくこともできる。
優越感を持つ側からではおもしろくなくても、
騙される側に立って騙されたことと、
意外な手口に笑ってしまう。

詐欺は金品を巻き上げることが目的だが、
小咄は笑いを取ることであり、予測される展開と
実際の顛末との大きな落差がオチである。
手口が相手に悟られたら詐欺は失敗する。
手口こそオチなのである。

【第二章 悲劇喜劇も紙一重】
【第三章 動物と子どもには勝てない】
【第四章 お株を奪って反撃】
【第五章 木を見せてから森を見せる】
【第六章 神様は三がお好き】
【第七章 誇張と矮小化】
【第八章 絶体絶命の効用】
【第九章 言わぬが花】
【第十章 悪魔は細部に宿る】
【第十一章 権威は笑いの放牧場】
【第十二章 耳を傾けさせてこその小咄】
【あとがき】
【参考文献一覧】

と続く各章で、ユーモアセンスに卓越した著者が、
常識で凝り固まった脳に刺激を与えることによって、
笑いの法則や本質に迫る。

口から口へ語り伝えられる小咄には、
驚くべき大傑作がある。
本書は、名誉も著作権料も主張しない謙虚さと
気前良さに敬服すると語る著者が、既存のテーマや
国、時代などでまとめられたものではなく、
方法論で分類された小咄テクニック集。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

スティーブ・ジョブズ Steve Jobs 1 ヤマザキマリ [原作]ウォルター・アイザックソン

スティーブ・ジョブズ Steve Jobs 1

突然、ウォルターはスティーブから
彼の伝記を書いてみないかと依頼される。

まだ若いスティーブがなぜ?
そんな思いを強く抱いたウォルターは、10年か20年したら、
と軽く流していたある日、スティーブの妻・ローリーンから
電話で彼が癌だと知らされる。

そしてウォルターは18か月間、スティーブの元に通い詰め、
彼の友人や知人、競争相手など
100人以上の人々からも話を聞き、
スティーブ・ジョブズ伝の執筆に取り組んだのである。

スティーブは養子だったが、両親の深い愛を受けて育った。
父・ポールの仕事である車いじりが、スティーブの
エレクトロニクスへの興味が生まれた所以であり、
近所に住むHPのエンジニア、ラリー・ラングにも
強い影響を受けたらしい。

両親からはおまえは特別な人間だと褒められ、
スティーブ自身も父親より頭がいいかもしれないと
感じていた。

小学4年生のときにはすでに高校2年生の学力を持ち、
中学校を卒業してホームステッド・ハイスクールに進学。
ラリーの紹介でHP社の探求クラブに参加して、
エンジニアの話を聞いたり、
コンピューターを見せてもらったりして、
周波数カウンターを作ることを決め、
HP社でバイトさせてもらうことになったスティーブは
15歳で自分の車を手に入れた。

そんなある日、スティーブ・ウォズニアックと出逢った。

彼もまた神童と呼ばれるような天才的なエンジニアだった。
6歳でアマチュア無線の免許を取り、
10歳でトランジスタラジオ、14歳で計算機を作ったが、
同級生とはなかなか話が合わずに孤立し、
つまらなく感じたウォズは電子メトロノームを使って
爆弾に見せかけたいたずらをして一晩少年院に送られたが、
そこでも鉄格子に電流をつなぐという
イタズラで楽しんでいたのである。

それからふたりはいっしょに
いろいろなイタズラを企むようになった。

イタズラが楽しいのは自由を意味するから。
ふたりの、何者にもとらわれないイタズラ欲が
エレクトロニクスと結びつき、
のちのアップル創業につながる冒険が始まる。

《文系と理系の交差点に立てる人にこそ
大きな価値がある》そういう人間になろう
と思ったとジョブスは言う。

賢くて残酷、威圧的な独裁者で、
まわりからは偏屈と見られているのに、
なぜか彼に魅せられ人が集まってくる。
完璧を求める情熱と猛烈な実行力。
PC、アニメーション、電話、音楽など、
6つの業界に革命を起こした起業家、
偉大な世界のスティーブ・ジョブズの人生が描かれた
ウォルター・アイザックソン著『スティーブ・ジョブズ 』が、
ヤマザキマリ氏によってコミカライズされた物語。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

黄金仮面  江戸川乱歩

黄金仮面

この世のなか、50年か100年にいちど、
奇怪な事件がおこる。

それは春というにはまだ肌寒い3月初旬のこと。
金製仮面をつけた怪人物の風説が、
やがて新聞の社会面をにぎわすほどの
真実味ある物語へと膨らんでいった。

その年の4月、上野公園で5か月にわたる
大博覧会が開かれた。
呼び物は産業塔と名づけられた高塔、
喜劇と舞踏の大一座、三重県産で日本随一の大真珠
「志摩の女王」の出品などだったが、
ひと身代の価格を持つと言われるその大真珠には、
当然厳重な警戒がしかれていた。

博覧会開催5日目、さる高貴なお方が来場されるという日、
ある男に出されたお茶を飲んだ看守4人は
そのまま眠りこけてしまった。

そこにソフト帽をかぶり、オーバーの襟を立てた
洋服男が近づいてきた。
顔はゾッとするほど無表情な金色をしていた。
その黄金仮面は「志摩の女王」に見入ると、
喜びに震えながらも手際よく厚いガラス板に
穴を開けて大真珠を手中にしたのである。

刹那、けたたましく鳴った電鈴に慌てた怪物だったが、
屈強な警察官たちをすり抜けて会場の外に姿を消した。

正面の建物では喜劇「黄金仮面」が上演されていた。
舞台で主役を演じていたのは本物の黄金仮面で、
現実が偶然お芝居の筋書きと一致して大捕物となったが、
会場内が恐怖に包まれたころには、
怪物はとっくに木戸口を脱出していた。
黄金仮面は主役の役者に化けて、
朝から楽屋におさまっていたのだ。

大勢の警察官に追われながらも、遭遇した貴賓の一行に
威儀正しい最敬礼をおこない、
黄金仮面は産業塔の切り立った屋根によじ登った。
この人間業とは思えない勇士に、
警官は誰ひとりたどり着くことができない。
たぶんそれは警察はじまって以来の大椿事だったろう。

そして賊は金の仮面と衣装を頂上の棒に
つる下げて消えたのである。

僅々数日後
日光山中、北国大藩の大名家族を祖先に持つ
鷲尾侯爵家の別邸で2度めの事件が起きた。
古美術蒐集品を巡覧するために
某国大使ルージェール伯爵が同家を訪れたときだった。
当主正俊氏の一粒種で、あどけなく不思議な魅力を携えた
19歳の美子(よしこ)は、従兄弟の千秋が
英京の遊学から帰国すれば結婚式を挙げることに
なっていたが、その美麗麗しき美子と小間使いの小雪が
惨死し、国宝にも匹敵する古美術品が盗難された。

3度めの事件は4月の終りに近い日、有名な大富豪・
大島喜三郎の長女、なかなかの才媛で類いなき美貌を持つ
22歳の不二子が黄金仮面と逢い引きし、
家宝の紫式部日記絵巻を怪盗に盗み出させた。
そのことに腹を立てた喜三郎は厳重な警戒態勢で不二子を
部屋に軟禁するも、黄金仮面の意表をつく入れ知恵により、
不二子は愛する怪盗のもとへ逃亡してしまう。

東京市民はもちろん全国民が恐怖に戦慄が走るなか、
明智は喜三郎の依頼を受け、
仇敵黄金仮面に深讐綿々たる闘志を語る。
そして仇敵と仇敵、正義の巨人と
邪悪の怪人との金色の闘いの行方は……

耳まで裂けた三日月型の唇、シューシューという
なんともいえない不穏な声、傍若無人で正確無比の
腕力と大胆不敵で敏捷な怪物・黄金仮面の正体は……

天理教の布教師や運転手、かの黄金仮面などに化けながら、
怪盗の巧みな罠に平常心を乱され翻弄される明智小五郎は
黄金仮面を追い落とすことができるだろうか……

昭和5年9月〜同6年10月まで雑誌『キング』に連載された、
江戸川乱歩著作のなかでも
最も不健全性の少ないミステリー傑作選。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

赤灯えれじい①    きら たかし

赤灯えれじい1

まゆみちゃんと知り合って1か月が過ぎた。
「そろそろちゃんと付き合わへん」て言おうと思っていたら、
壺を売りつけられ、
毎月5,000円36回払いのローンを組んでしまった。

高校を卒業して1年間プー太郎生活が続いている
ヘタレの柳川サトシは、ガードマンのバイトで知り合った、
ガラが悪く性格もキツい金髪のチーコに恋をした。

チーコからヘタレだショボイだと言われるサトシは、
男らしくなりたいとボクシングジムに体験入門するが、
腕立てと腹筋だけでヘロヘロになってしまうのだ。

どんくさく気の小さいサトシはドライバーにもなめられるが、
体調を崩したチーコを休ませるために
「ドライバーをぶっ殺すつもりで、にらんでみぃ!」という
彼女の言葉を思い出し、目に気合いを入れる。

バイトぐらいこなせなかったら、就職どころではないのだ。

舞台は深夜の赤灯が光る道路工事現場。
ボコられそうになると死んだふりをするヘタレだけど、
チーコの作ったまずい料理を無理して必死で食べるサトシと、
年上で気が強く「ありがとう」と「すみません」を言うのが苦手の
チーコが繰り出すほのぼの大阪純情LOVEコメディ。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

夏野菜 と 優しいおじさん

野菜


朝7時、庭木の水やりをするために玄関のドアを開ける。
すると、ポーチに白いレジ袋がふたつお行儀よく並んでいた。

なにかなぁ?
と、考えるいとまもなく、眼に飛び込んできた鮮やかな色。
あっ、キュウリ。

キッチンに運び、袋を開ける。
赤く熟したトマト、漆黒がかった濃紫が艶めくナス、
自由に育ったのだろう少し曲がったキュウリ、
それに長く伸びたヒゲが愛らしいトウモロコシ。

採れたての大地の匂いにうっとり。
トウモロコシは皮をむいて、蒸し器に入れる。
ほかの野菜はきれいに洗って、とりあえず冷蔵庫で保管。

まだ湯気の立つ熱々のトウモロコシを頬張りながら、
夕飯は夏野菜コーンカレーに即決。

毎年、収穫豊富なこの季節には、
朝、玄関を開けるのが楽しみなのだ。
我が家に隣接する畑を耕すおじさんは、
ときどき朝採り野菜をそっと分けてくださる。

今日は買い物しなくても食材ゲット。
夏の太陽と肥よくな土と、優しいおじさんに感謝。
天を仰ぎつつ心から、ありがとうございます!

hollyzo(ほりぞー)心の俳句
夏香る
野菜にあふれる
思いやり

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

NHK出版新書 ビジネスマンへの歌舞伎案内 成毛 眞

ビジネスマンへの歌舞伎案内

何百年も変わらない日本人の姿が描かれている歌舞伎。
そこには、ビジネスマンたちの
好かれる、あるいは煙たがれる理由、
優秀、あるいは人気者である “なぜ” が秘められていた。

拷問のごとく退屈な観劇に人々が夢中になる
そのわけを知りたくて通いはじめ、
そして知らされる偉大な歌舞伎の詳細。

その魅力とは、国が運営しているのではなく、
松竹という民間企業が手がけていること。
伝統芸能であり、役者には人間国宝も多いこと。
300年以上ものあいだ、
利益を上げながら伝統を守ってきたこと。

20年ほど前まで歌舞伎のおもしろさが
まったく理解できずに、何度も首をひねり、
ひねっているうちに、その魅力が腑に落ちたと
語る著者・日本マイクロソフト社の元社長が、
観劇の仕方や楽しみ方を案内する。

30〜50代のビジネスマンに向けた、
日本人の教養として
趣味としての歌舞伎が説かれた、
初心者のための歌舞伎手引書。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

カラオケ と 猿の次郎ちゃん

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朝目覚めてベッドから降りようと足を伸ばす。
そのとき左脚の付け根に激痛が走った。
な、なに?

それから階段の上り下りはもちろん、
座ったり立ち上がったり、
平坦な道を歩くことさえおばあちゃんになった気分。

確かに昨日、カラオケで歌って踊って
ハジけはしたものの、それは毎度のことだ。

とりあえず職場に向かう。
仕事はデスクワークなのでほぼ1日中
座ったままだけれど、時間を経るにしたがい、
立っても座ってもいられないほど痛みが増していく。

そろそろ限界だと感じたわたしは、
早めに上がらせてもらい、整形外科へ車を走らせた。

左脚を引きずりながら、のっそり歩く姿を見て、
受付の方はすぐベッドに案内してくれた。

しばらくしてドクターが現れ診ていただくと、
「靭帯が腫れているのが原因ですね。
とりあえず痛みを取るために座薬を使いましょう」
と言われ、ドキっ!

……えっ ⁈ 座薬? お、お尻を出すの ⁈……
瞬間、痛みより羞恥心が勝る。
でも、いかんイカン!
恥は一瞬、疼痛はいつ止むやもしれぬ。

風邪をひくと必ずお尻に注射された幼いころを
彷彿とさせながら、おとなしく座薬を注入していただくと、
徐々に痛みは和らぎ、身体も楽になってきた。

でもこんなときいつも思う。
人は、自分は、愚かな動物。
苦痛を伴わないと、
健康でいられる幸せを忘れてしまう。
当たり前の生活は当たり前ではなく、
もしかしたら奇跡なのかもしれない。

日光猿軍団の猿・次郎ちゃんのように、
右腕を伸ばしこうべを垂れて「反省!」なのだ。保存

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

のだめ カンタービレ ♯1  二ノ宮 和子

のだめ カンタービレ#1

ピアニスト千秋雅之の息子で、
桃ケ丘音楽学園ピアノ科在籍の千秋真一は、
小さいころから父に連れられて世界中の舞台をまわり、
セバスチャーノ・ヴィエラの指揮に魅せられてから、
音楽に夢中になった。

劇場に潜り込んでヴィエラ先生にいろいろなことを
教わっていた千秋だったが、父と離婚した母とともに
日本へ帰国することになり、
そのとき指揮者になることを決意する。

エリート専門江藤塾と呼ばれているカリスマ教師江藤の
お気に入りで、選抜コンサートにも出られることに
なっていたのに、千秋は彼をハリセン教師と罵ったために、
担当が谷岡肇に変更されてしまう。
実は谷岡は学生から落ちこぼれ専教師と呼ばれていた。

オレが落ちこぼれ?
なぜまだ日本にいる?
と苦悩する千秋は、かつて飛行中に胴体着陸した経験が
トラウマとなり、飛行機が怖くて乗れなくなってしまったのである。

そんなとき同じマンションの隣りに住む野田恵(のだめ)の部屋に
迷い込んだ千秋は、ゴミの中で美しく響くピアノ・ソナタ、
カプリチオーソ(気ままに気まぐれに)カンタービレ(歌うように)を
聴いた。

しかしのだめの部屋は凄まじかった。
酷い異臭が漂い、鍋のホワイトシチューは黒くとぐろを巻き、
ご飯はイクラのように変化し、洗濯物にはキノコが生えていた。

千秋は耐えられなくなり、ゴミを捨て、掃除機をかけ、
洗濯をしていると、のだめが即興で作って奏でた
ピアノ・ソナタ〈清掃〉の音色に惹きつけられる。
千秋はずっと気になっていたのだ、のだめのピアノに。

そんなふたりに、谷岡は連弾の課題を言い渡す。

耳がいいので楽譜を見ずに弾く習慣がデタラメな弾き方に
なってしまうが、のだめのピアノは絶対なにかを持っている、
そしてそのピアノに合わせられるのはオレ様だけだと
思いながら、千秋はのだめの指導兼連弾に悦びを覚える。

ヴィエラ先生は「身震いするほど感動できる演奏は稀だ」と
言っていた。
のだめと連弾することで、千秋はその言葉を感じ身震いする。

大学一ピアノがうまく、指導力もあるが短気なところが短所の
千秋と、お風呂は1日おき、シャンプーは5日おきで、
部屋はすぐにゴミだらけになってしまうのだめとの
かけあいが笑えるクラシック音楽コメディ。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

カラスの恩返し

201607151124199b.jpg

農業や園芸に関してまるで無知なのに、
今年もきゅうりとトマトの苗を植えた。

それから2か月が経ち、
きゅうりはいくつか花開き、
トマトは緑色の実を2つ付けた。

毎朝晩の水やりの際、その成長を確認するのが
楽しみである……はずだった。

そう、ある朝、いつものようにホースで水をかけていると、
な、なんと、トマトが誰かに(何かに?)
齧られているではないか!

え〜、そろそろ赤く熟れて
食べごろかもと思っていたのに……
たぶん、犯人はカラス?

ショックを隠せず、心は萎えていく。
でも、と、気を取り直す。

『鶴の恩返し』があるなら、きっと鶴と同じ鳥の仲間である
カラスだって恩返ししてくれるはず……
う、ううん、たぶんしてくれるよね……
あっ、きっとしてくれることを願っております……

カラスくん、キミの好きな光り物(ダイヤでもサファイアでも)
運んできてくれますよう、お待ちしてます〜!
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テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

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Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。