5月の投稿書籍

さんさん録1ショッピングの女王おいピータン‼︎ 1D坂の殺人事件
俺物語‼︎ 1続 脳と医療の話のみじょし1漫才入門
新渡戸稲造武士道真夜中の天使彗星 少年団特選明るい悩み相談室

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くじにドキドキ、ほろ酔い気分

ファイル 2016-05-28  

年に数回実施されるセブンイレブンの700円くじ。
今年も第1弾が始まり、高まる気持ちを抑えつつ、
ときどき仕事帰りに寄るお店に向かう。

その日は退社したのが11時過ぎ。
空には満点の星が輝いていたのに、
国道は閑散としていた。

ドアをくぐり、生活必需品や冷凍食品に
嗜好品などをカゴに入れて、レジの前に立つ。

会計が済み、「このなかから12枚ひいてください」と、
店員さんから箱を差し出される。

ドキドキしながら、でもそれを悟られないよう、
右手を箱に入れてカードをかき混ぜながらひく。

1枚目……スーパードライ350ml缶
2枚目……ほろよいぶどうサワー
3枚目……サッポロ黒ラベル

と、成果は12枚中10枚当たりの大収穫に大興奮!

淋しかった我が家の冷蔵庫の棚が
缶ビールなどで埋まり、わたしの心も満たされる。

翌日、友人と電話していて、その自慢話をしてみた。
すると友人は、
前日から続いているわたしの興奮状態とは対照的に、
冷静に訊いてきたのだ。

「ねぇねぇ、それって当たった商品を
店員さんがいちいち冷蔵庫に取りに行くの?」
「うん、そうだよ」
「わたし、そんな人の後ろに付きたくない」

えっ?
がっび〜ん!

そんなこと、まるで考えていなかった。
ですね!
もし自分がその後ろに付いたら、
ひたすらご迷惑だと思ってしまうだろう。

その日は夜中だったから、わたしのほかには
お客さんもほとんどいなかったけれど。

自分の悦びしか考えていなかった想像力欠如を猛省。
でも、その反省もどこへやら、きっとまた数か月経てば、
700円くじの情報を目にしたわたしは、
セブンイレブンへ向かって走るだろう。

追記
ですが、安心してください。
お客さんが並びはじめると、どこからかすぐに
スタッフの方が現れて、迅速に応対してくれますから〜。

それにしてもこの写真、どんだけ呑むんだ〜 ⁉︎

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

中島らもの 特選明るい悩み相談室 その1 ニッポンの家庭篇 中島らも

中島らもの 特選明るい悩み相談室


小説家、劇作家、広告プランナー、放送作家、ミュージシャンと
さまざまな肩書きを持つ著者が悩みに答える
『明るい悩み相談室』シリーズ第1弾。

たとえば、S子さんが学校でいやなことがあって泣いているところへ、
青春ものが大好きな父がやってきて両手を広げ
「この胸で泣け」と言うが、こんな父の性格はなんとかならないか
という悩みに、中島氏は「白い雲のバカヤロー!」と叫ぶ。
「不潔だっ、大人なんて」とつぶやく。太陽に向かって走る。
などで、青春ごっこにつきあってあげようと回答する。

さらに、衣服は束縛だと言って、裸にエプロン姿で料理する夫を
なんとかしたいという悩みには、そんなことに答えたくないと
言いつつ、イチジクの葉をお送りしますと回答する。

思わず吹き出してしまう悩みに、創作された物語を追加しながら、
中島氏の妙案でさらに大笑い。

「えっ ⁈ 追求するところはそこ?」
「えっ ⁈ それだと、相談者の悩みに油を注いでない?」と、
ユーモアもまじえながら、
人生経験豊かで波瀾万丈の生涯を送った著者の、
博識で慈愛と温もりや内省も踏まえた回答に
感嘆、驚嘆、賛嘆の声をあげてしまう。

ところ変われば、状況も習慣も違い、悩みもさまざま。
全国各地の悩める人々が、
中島らも氏に解決策を求めて便りし、それに応える相談室。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

彗星★少年団       倉薗紀彦

彗星 少年団  

母の病気治療のため、
東京から田舎に越してきた星川るい。
なにもない田舎だと感じたるいが山を歩いていると、
カブトムシを持った男の子が空から落ちてきた。
それが甲本くにおだった。

くにおと同じクラスになったるいは意地悪な6年生に、
母に作ってもらった大切なキーホルダーを
奪われてしまうが、秘かに取り返して
そっとるいの机に置く、奥ゆかしいくにお。

いつでもるいを心配してくれる優しく
さっぱりした性格のマキ。
コックリさんを使って、クラスメイトに宿題をさせたり
肩を揉ませたりとずる賢いのに、マキの嫌いな人参を
代わりに平らげる思いやりのあるカズ。
絵が上手で、飾り気のない洋太。

友だちには深い情を持っているのに、
女の子の気持ちには怖ろしく鈍いくにおと、
病気のお母さんのことが気がかりなのに、
冷静で聡明なるい。

入院しているおじいちゃんを待つ健気な犬との
交流があったり、独りのクリスマスにならないよう、
クラスメイトがるいの家でパーティーしたりと、
転校生のるいとクラスメイトたちの仲が
深まっていくなかで、彼らは近所の高校教師・
野間先生と出逢う。
そして星空観測を重ね、彗星少年団を結成する。

星空のようにきらめくたくさんの蛍が住む
自然豊かで素朴な田舎町。
そこで素朴な小学生たちが大笑いして大泣きして、
怒ったり感動したりしながら星の観察を続けて、
友情を深めていく物語。

彗星は何年かかっても地球のそばまで戻ってくるという。
そう彼らもまた……
すべてはめぐる。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

真夜中の天使 Midnight Angel リサ・マリー・ライス/著 上中 京/訳

真夜中の天使

オレゴン州ポートランドで
『ロシア皇帝の財宝展』が開かれていた。
巨大なロシア皇帝の宝石が並べられた陳列ケースを
デザインしたのはスザンヌ・ハンティントンで、
それは見事な出来栄えだ。

オープニングパーティーには、スザンヌの夫で
ミッドナイトと呼ばれていたジョン・ハンティントンと、
彼の特殊部隊時代の元部下で警備会社の
共同経営者でもあるダグラス・コワルスキも参加していた。

無情でいかつく危険な顔をしているコワルスキに、
一般の女性たちは好奇と恐怖の表情で顔をそらす。
退役してから慣れたとはいえ、こんなパーティーから
一刻も早く抜け出したいと思っていたとき、
天使のような声が聞こえてきた。

ステージの上で、赤毛の美しい女性が
アイリッシュ・ハープを弾き、
清らかな声で歌っていたのである。
あらゆるジャンルの音楽が好きなコワルスキは、
その調べに呼応し震える。

歌声が囁くように消えて歌い終わり、スザンヌに
彼女がアレグラ・エニスだと紹介されたコワルスキは、
アレグラの視線が胸元に注がれていることに、
またかとうんざりした。
ところがそれはいつもとは違ったのだ。
アレグラは盲目なのだった。

音楽的才能にあふれ、知性と勇気、滑らかな白い肌と
深緑の瞳を持つ、まるで天使のようなアレグラに、
コワルスキは瞬時に心を奪われてしまった。

そしてアレグラもまた、コワルスキの魅力的な低音の声、
動く鋼のような力強く温かい筋肉に触れて安心感を覚え、
胸をときめかせながら、自分の心が彼に届くよう
願いながら演奏を再開したとき、大きな爆発音が轟いた。

突然、武装したプロの窃盗団に会場を占拠され、
コワルスキは本能的にアレグラを抱き抱えて
ステージの下に隠れ、細いアレグラを全身で覆って守るが、
すっかり魅了されたアレグラの身体に
ぴったり寄り添うコワルスキは、身体が反応してしまい……

強面の悪人面、強靭で頼りがいがありながら、
アレグラを前にすると純情な少年になってしまう、
思いやりとユーモアにあふれたコワルスキに、
読み手は本の世界だと分っていながらも恋に堕ちそうになる。

視力を失うことで、真実の姿を見ることのできる
真の視力を得たアレグラ。
愛とエロスを知ったふたり。

かけがえのない存在を失う恐怖を抱えながら、
行き着く先が見えないような深い愛情に包まれるが、
数か月前に契約を破棄したアレグラに腹を立て、
彼女の記憶と視力を奪った音楽プロデューサーの
コーリー・サンダースンがまたもアレグラを襲おうと企てる。

美しいアレグラと屈強なコワルスキ、ふたりが持つ心の闇が、
ふたりが出逢ったことでそれらを溶かしていく、
ロマンスに包まれた官能サスペンス。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

まんがでわかる新渡戸稲造『武士道』 岬 龍一郎 著 涼原ミハル まんが 朝日文左 シナリオ

まんがでわかる新渡戸稲造武士道


1900年、新渡戸稲造著『BUSHIDO THE SOUL of JAPAN
(武士道)』がアメリカで刊行されて大きな反響を呼び、
100年以上経った現在も世界中で読み継がれている。

旧5,000円札の肖像画となった稲造は1862年岩手県盛岡市で
誕生し、1877年札幌農学校(北海道大学)に入学。
同校卒業後、東京大学を退学して、
1884年アメリカ・ボルチモアのジョンズ・ホプキンス大学に
留学し、妻となるメアリー・エルキントンと出会って、
1887年アメリカで結婚。

1891年に帰国し札幌農学校に赴任するも、
ふたりともに体調を崩し、転地療養先の
カリフォルニア州モントレーで『武士道』を執筆。

稲造は日本人の崇高な生き方を外国人に伝えたいと
『武士道』の執筆に取り組んだが、
原文が英文で書かれていたこともあり、日本人にとっては
やや難解だったことから、
分かりやすくまんがで描いたのが本書である。

主人公は高村瑛太と平塚なつ。
サンライズ商事で首都圏担当の営業マンをしている高村瑛太は、
友人たちがどんどん出世していくなか、
自分は売上目標も達成できずに社長から罵倒されることに
思い悩んでいた。

そこに突然現れた袴姿の少女。
彼女は平塚なつと名乗り、1908年つまり明治末期から
タイムスリップしてきたという。

なつは、なぜ自分がこんな見知らぬ場所に、
どのような力によって連れてこられたのか判然としないまま、
瑛太が持っている携帯電話や、
周囲のさまざまな文明の発展に戸惑いつつも、
瑛太と行動をともにし、武士道を語っていく。

武士道とはあえて困難な道を進むことであり、
義(正義の道理、武士が最も重きを置いた価値)、
勇(決断する力、危機に遭っても動じない平常心)、
仁(上に立つ者に求められる徳)、礼(他者を尊重し、
思いやる心)、誠(嘘やごまかしを認めない誠実さ)、
名誉(武士にとって命より重い価値)、
忠義(武士は何のために生きたか)と7つの徳を持つ。

大切なのは勝ち負けではなく、人にとって正しい道に
従っているかどうかという教えが、史実や歴史上の人物を
例にあげ、なつの言葉によって解説される。

関ヶ原の華とまで讃えられた大谷吉継、
自分の命と引き換えに、飢饉から村を救った佐倉惣五郎、
戦国という世でやむをえず手にかけた若い敵将・
平敦盛のため、武勲も名誉も棄て去りその魂を
供養することに生涯を捧げた熊谷直実、礼を具現化した
千利休、仁義礼智信で商人道を説いた石田梅岩、
己の義に従って誠を貫いた福沢諭吉と勝海舟、
羞悪の心を説いた孟子、無私無欲の生き方を貫いた
西郷隆盛などなど。

武士の社会と現代とでは価値観が異なる。
だからすべてが万人に通じる教えではないが、
人としての生き方や品性、美徳など、
時代が違っても絶対に変わらないものもある。
その根底にあるのは、高き身分の者に伴う義務であり、
究極の理想は平和であるという。

武士道とは武士だけの実践哲学ではなく、
時代や人種にとらわれない生き方であり、
清廉潔白で高潔な日本人として生きていく上で
美しい姿である武士道がまんがで学べる嬉しい1書。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

漫才入門 ウケる笑いの作り方ぜんぶ教えます 編著 元祖爆笑王

漫才入門

笑いを提供し、夢を与える漫才師。
読破するころには漫才をしてみたくなるという本書は、
元祖爆笑王と元お笑い芸人で現役作家の松本哲也氏、
大隈一郎氏が講師として、東京アナウンス学院・
芸能バラエティ科の特別授業「漫才入門」を元に
構成されている。

漫才とは、「突っ込んじゃった」「ボケちゃった」が
自然の流れで成り立つふたりの会話である。

漫才師を目指すのであれば、旺盛な好奇心を持ち、
ネタ作りのために足繁く現場見学をして、
周りで何が起きているか見極める洞察力と、
アンテナを張った情報収集で、
引き出しを増やすことが重要。

一流の漫才師は知識が豊富で時代に敏感なため、
旬のネタで聴衆を笑いに誘うのだ。

笑うことはインフルエンザウィルスや
ガン細胞まで死滅させるという。
そんな夢と生き甲斐に満ちた仕事である
漫才師になりたい人、漫才に興味があるという人にも
満足できる、漫才師になるための
ノウハウが紹介されたお笑い指南書。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

のみじょし①     迂闊

のみじょし 1

仕事を終えて帰宅し、お風呂上がりにビールを飲んで、
「っぱああーっ‼︎」とおやじアクション。
夕飯はコンビニ惣菜。
ゴミ袋がなくなってもなんとかなるだろうと
お気楽なのに、まんが『バンブー』の発売日には
夜中でも躊躇なくコンビニに走り、
ゴミ袋のことはすっかり失念してしまう
抜けてるOL高瀬道子・29歳独身。

結婚8年め、ゲームショップ店長36歳の夫・
東雲保孝と長男さとし7歳、二男ひろむ4歳の4人家族。
幼いのに職人気質のさとしと、
ピーマン嫌いのひろむは進んでお手伝いをする
素直な息子たち。
夫とはいまだにアツアツの、幸せな主婦東雲ゆき29歳。

趣味は筋トレ、毎日ジムで鍛えることに生き甲斐を感じる、
書店勤め独身の宮内美園29歳。

ビール好きの道子、アルコールはなんでも恋(来い)のゆき、
日本酒好きの美園と、仲良し3人が
ビアガーデンで、温泉で、クリスマスにバレンタイン、
ご来光を眺めながら、とにかく呑みまくる、
お酒好きにはたまらない呑んべいコミック第1巻。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

続 誰も教えてくれない脳と医療の話 〜脳神経外科の現場から〜 第1版 名月 諭

続 誰も教えてくれない脳と医療の話

前作『誰も教えてくれない脳と医療の話』で
取り上げられなかった病気などの話とともに、
実例を交えて4つの症状や病気に関する記事を
加筆された本書は、
第一章 意外と身近な脳神経外科
第ニ章 続・脳外科の病気と治療
第三章 日本の医療の不思議
で構成されている。

今や社会問題となっている認知症。
血圧と脳の関係。
健康寿命を保つために、人は脳の仕組みや
病気に関する知識に関心を持つことは不可欠だろう。

脳ドッグを受けようか迷っている方にも指針となり、
検査と治療のメリットとデメリットや
脳ドッグを受けるために
必要な心構えなども解説されている。

日常生活に関係ない事項や
興味のないものはとばし、
自分自身あるいは家族の健康に深く関係する項目を
抜粋して読むこともできる合理的な1書。

個人的には、致死や後遺症を引き起こす怖れのある
危険な頭痛と一般的な頭痛の見分け方や、脳出血、
くも膜下出血、脳梗塞、脳幹出血の違いなどの項目が
興味深い家庭の脳医学解説書。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

俺物語‼︎ ①        作画/アルコ 原作/河原和音

俺物語‼︎ 1

親友のふたり、ブサメンの剛田猛男(たけお)と
女子に大人気の砂川誠(すな)。

ふたりは3歳のときから、同じマンションのお隣さん。
幼稚園で演じた劇『泣いた赤鬼』で、
主役なのに若干アホな猛男と、
名演技で母親たちを号泣させたすな。

小学校では、猛男がおもらししたり、遠足でお弁当を
ひっくり返す姿を見て、すなは大笑いするが、
そのあといつもすなは猛男を助けてくれる。

幼いころから、猛男が好きになる女の子は
みんなすなに告白し、すなはそっけなく女の子たちに
「好きじゃない」と応える。

そんな集英高校1年の親友ふたりが電車の中で
痴漢に遭っていた小泉女学園1年の大和を助けたのが
きっかけで、3人の付き合いが始まる。
猛男はお菓子作りが得意の大和に惹かれるが、
今まで好きになった女の子と同じように
大和もすなを好きなんだと感じ、
彼女が失恋するのは忍びないからと、
密かに2人を応援する

器が大きく青鬼みたいに友だち思いで容姿端麗、
所作もさりげなくモテ男なのに、
女子と付き合うのはだるいと思うすな。
青鬼のようにはなれないと思いつつ、
すなのよき理解者で、女の子に対しては自信がないが、
優しく力も腕っぷしもある猛男。
一途でかわいらしくピュア、
真の価値を見抜くことのできる大和。

端正な顔立ちから漏れるクールなツッコミ、
純粋ゆえのもどかしさ、笑いとドキドキに
ページをめくる指に気も逸る、
友情と恋が描かれた純情コメディー。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

D坂の殺人事件       江戸川乱歩

D坂の殺人事件 b


『D坂の殺人事件』
9月初旬の蒸し暑い晩、
学校を卒業したばかりで無職の私は
D坂にある白梅軒(はくばいけん)という
喫茶店でアイスコーヒーを飲みながら時間を潰していた。

白梅軒に面した大通りの向い側に場末の古本屋があり、
最近知り合った妙な男・明智小五郎の幼馴染が
この古本屋の女房になっていると聞いた私は
彼女に興味を覚え、ずっとその店を眺めていたのである。

どこか官能的に男を惹きつける魅力のある細君は、
毎夜店番をしているというのでひとめ見たいと
思ったのだが、店には誰かいる様子もない。

しばらくして店と奥の間をつなぐ障子が
閉まるのが目に入った。
私は違和感を覚え、その古本屋から
目を離すことができなくなった。

そういえばその美人の細君と、隣りの
蕎麦屋の細君には体中傷だらけだという噂がある。
そんなことを思い出しながら古本屋を眺めていると、
そこにやってきたのは明智小五郎だった。
そして彼は私の隣りに腰掛け、私と同じ方向を
凝視しはじめたが、しばらくして私たちは
どうも古本屋の様子がおかしいと、
喫茶店を出て古本屋に入り大声で叫んでみた。
しかし返事はない。

そこで障子を開けて奥の間を覗いてみると、
例の細君が首を絞められて死んでいたのである。
死体の首には紫色した指の痕があったものの、
抵抗した様子はない。
店の主人は上野方面へ夜店を出しにでかけていて不在。
近隣住民も不審な人物や物音は確認していないと言う。

犯人はどこから入って、どこから逃げたのか……

心理的に人の心奥底を見抜く探偵法や、
心理学上の連想診断法が描かれた、
明智小五郎初登場の『D坂の殺人事件』、
デビュー当時に発表された『二廃人』から
『防空壕』まで、10作品が収録された推理小説短編集。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

おいピータン‼︎ ①     伊藤理佐

おいピータン‼︎ 1


『弱気も強気も×(ダメ)な時』
彼から突然別れを告げられた。
傷心のままラーメン屋に入ったが、
そこはラーメンは美味しいが
お店のおばちゃんの態度は最悪。
元カレを殴り、ケンカ腰のおばちゃんに
対戦してみたものの……

『ひとり』
付き合いだして3か月の彼が
1週間台湾出張になった。
アツアツの毎日だったから、彼には
そんなに長く離れるのは淋しいと演技しつつ、
内心はひとりの自由を楽しめると喜んでいたが……

『炊飯器物語』
OLひとり暮らし10年めで炊飯器が壊れた。
新しい炊飯器はどんなタイプにしようか、
ワクワクしながらパンフレットを見比べていたのに、
彼の「小さいやつでいいんじゃない?」の
ひとことになぜか落ち込み……

そして『冒険者たち』『ハム』『別れのカレー』
『恋の決め手』『初デート』『幸せな食卓』
『困りもの』『石焼きイモ』『退治』『うまい』
『遭難』『主義』『分際』『ジェネレーションギャップ』
『新装開店』『なれそめ』と続く、
恋とグルメが描かれたオムニバス・ショート。
第29回講談社漫画賞受賞作。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

ショッピングの女王       中村うさぎ

ショッピングの女王


ストレスがあってもなくても、
お金がなければカードかローンで買いまくる。
精神科医から買い物依存症と診断された著者が、
週刊文春から買い物をネタに連載を依頼され、
最初に買ったのが、人間工学に基づいて作られた
身体に優しい椅子だった。
値段は約12万円。まさに女王さまの玉座である。

ところが腰かけてみると非常に座りにくく、
心が不安定になる。
ロッキングチェア状なので執筆に打ち込めず、
電話中、後ろにひっくり返ってしまった。
初回から大失敗した著者は言う。
《おいおい、ホントに身体に優しいのかよ、この椅子⁉︎》

しかしめげる様子も見せず、ブラの上からはみ出した
アメリカ製ニセオッパイ、細くならなかった
痩せるボディシャンプー、魔法のシミ抜き剤、
3,000円の松阪牛コンビーフ、
歯医者の機械と同じ振動音がする
アメリカ製高性能電動ハブラシ、シャネル、
エルメス、ブルガリと買いまくる。

税金滞納、サラ金借金問題に、年間2,000万円の
服飾代事件もなんのその、
買い物に対する執着はとどまることを知らない。
女王さまはいったいどこに向かっているのか……

喋りのように軽妙なリズムで繰り出される文体。
ポロポロとこぼれる、飾らない本音の口調。
宮殿をめざしたつもりが、
迷宮に迷い込んでしまった心の樹海物語。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

春 と 山菜 と デトックス

山ウド


一見タラの芽風でも、これは山ウドだ。

「今年もまた山菜採りに行ったから、おすそ分け」と、
近所の方から茎のしっかりしたコゴミと
若い山ウドをいただいた。
ウドは生え出したばかりだから、灰汁も少ないし
天ぷらにすると美味しいというアドバイス付きである。

さっそく山ウドを適当な大きさに揃え、
小麦粉・卵・冷水を混ぜて下準備に入った。

ところが、油がオリーブオイルとごま油しかない。
迷ったあげく、ごま油を使うことに。
やはり揚げるとなれば、油の量も半端ではなく、
結局ごま油1本丸々使うという、
贅沢な山ウドの天ぷらになった。

火は通っているか、灰汁はどの程度かと、
揚げたての熱々を味見してみる。

お〜!さすがコク深いごま油だけあって、
豊かな香りに食欲をそそられる。
口に含んだ瞬間サクッと切れの良い音。
程よいエグみも山菜の醍醐味!

深く積もった雪が溶け、燦々と春の陽射しを受けて、
この季節、山は山菜の宝庫となる。
フキノトウにしてもウドにしても筍にしても、
春の旬山菜はエグみのあるものが多いが、
このエグみが冬に蓄積された身体のなかの
毒を排出してくれるという。

春の山菜をたくさん摂ったら、
心の毒もデトックスしてくれないだろうか……

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

さんさん録1   こうの史代

さんさん録1

妻のおつう(鶴子)が突然他界してしまい、
参平は息子の詩郎家族と同居することになった。

妻が残してくたれた『奥田家の記録』。
それはおつうの愛情があふれた生活記録であり、
ノートを開けばおつうを近くで感じることができる。

生活録・炊事録・洗濯録・住居録・金銭録・親戚録・
詩郎録・礼花録・乃菜録、そしてさんさん(参さん)録の
付箋が付いた1冊のノート。

新しい生活が始まった参平は嫁の礼花や息子の詩郎に
いいところを見せようと、炊事録を見ながら肉じゃがを作るが、
完成までに5時間もかかったり、
乃菜がおつうとなにやら交わしていたらしい約束を
乃菜録から探しだしたりと、『奥田家の記録』を片手に
主夫業に邁進していく。

お菓子ではなくとろろ昆布を好み、
昆虫好きで個性的な孫の小学生乃菜。
まるで新婚のように仲の良い夫婦、
おっとりしていてかわいらしい女性の礼花と、
優しくまじめな詩郎。

掃除、料理、アイロンがけ、ボタンつけ、
お茶の淹れ方などのこまやかな説明にも
おつうの想いが伝わる、参さんファミリーの
家族団らんがほんわかタッチで描かれた、
ほのぼのコミカル物語。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

水陸両用 『ダックツアー』 と 諏訪湖 の 神話

ダックツアー

信州が誇るものといえば……
国宝松本城、北アルプスの伏流水で育まれるわさび、
安曇野の大地に広がるリンゴ園、弥陀の浄土・善光寺、
神秘的な絶景・上高地、避暑地とリトル東京が融合する
軽井沢などなど、ほかにも多々ありますが、今年は7年に1度、
日本の3大奇祭である御柱祭と、
その聖地がある御渡りで知られる諏訪湖でしょうか。

というわけで、いま御柱祭に熱い諏訪に行ってきました。
目的は水陸両用バス初体験。

諏訪湖といえば、冬の氷上から穴をあけて釣るワカサギ釣りと、
日本一の打ち上げ数を誇る4万発の諏訪湖湖上花火大会が有名だが、
つい最近まで水陸両用バスの存在はわたしの意識のなかにはなかった。

そもそも水陸両用バスなるものが、どういうものか知らなかったので、
それを体験したく、年に1度か2度ぐらいしか利用しないハイウェィを
疾走して、年老いたワゴンRにムチ打ちつつ諏訪湖に向かった。

その名も『ダックツアー』
発着所であるSUWAガラスの里に着いたのは、
ちょうど太陽が頭上にさしかかったころ。
まだ4月だというのに、気温はぐんぐん上昇し、
25度を超え夏日になったが、窓ガラスのないオープンウィンドーから
吹き込む容赦ない風は、涼しいというより肌寒ささえ感じられる。

さざなみロードを抜けヨットハーバーに着く。
そこからは陸上の交通法規から海上法規に変わるため、
シートベルトを外す。
スロープを下りて湖上へ突入したとたん、
ザバーンと勢いよく水しぶきがあがった。

ヨット&バスガイドさんがおっしゃるには、
この瞬間が『ダックツアー』最高の醍醐味だとか。
子どものようにはしゃいで、iPhoneを取り出し
窓枠から乗り出して撮影に夢中になりつつ、
もし手を滑らせたらと思うとヒヤッとする。

そうこうしているうちにバスは湖上をだいぶ進み、
目の前には花火が打ち上げられる人工島・
初島が浮かんでいた。
この小さな島にも鳥居が立ち、諏訪神社に属す
初島神社が建立されて御柱祭が行われるという。

諏訪大社は全国各地にある諏訪神社の総本社といわれ、
上社(本宮・前宮)と下社(秋宮・春宮)4つの神社があるが、
元々上社にいらっしゃったご夫婦の神さまが喧嘩して、
妻の神さまが上社を出て下社に居住するようになったと、
ガイドさんは説明してくれる。

へぇ〜、神さまも夫婦げんかするんだぁ〜と、
遠い存在だった神さまになんだか親しみを感じる。
水陸両用バス初体験のみならず、
神さまのおちゃめな部分も知って、救われたような気になる。

厳寒の時期、全面結氷した諏訪湖の氷がせり上がる御神渡りも、
男神が女神に逢いに通った道とされている。
この地を訪れれば、ホットな未来が開けるかも?

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

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プロフィール

Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。