4月の投稿書籍

   
白銀ジャック
最後の晩餐
鞄 図書館
青空のルーレット
ユニコ
雨はあした
晴れるだろう
  ごんたイズム子育て バトル365日
偶然にも最悪な少年

偶然にも最悪な少年 Guuzen nimo Saiaku na Shounen  グ スーヨン

偶然にも最悪な少年

『前章 解決方法』
大韓民国の金泉市(キムチョンシ)の小さな家に、
母と育ちざかり5人の子どもがいる家族が住んでいた。
放蕩オヤジの父は家に帰らず、母が必死に働いても、
5人の幼子を育てるには限界がある。

ところが幸いなことに、とても気のいい牧師がいる
近所の教会が、子どもたちの学費やら生活費などを
援助してくれたのである。
教会のご慈悲のおかげで、
子どもたちは優しくすくすく成長した。

父親は女をたらしこみ、日本と韓国を行き来しながら、
ブローカーのような仕事をしていたが、
ふらっと家に寄っても金銭を渡すことなく、
また別の女のところへ行ってしまう。
一夫多妻制の名残りが根強い1945年当時、
韓国は男尊女卑の風潮が色濃く存在する
酷い時代だった。

その年の夏、2番目の女の子が
風邪をこじらせて他界した。
お金がなく、病院で診てもらうことも
できなかったのである。
その頃、下関にいる父の愛人に男の子が生まれた。

『強迫神経症』
過食症と拒食症の一種で、強迫神経症と診断された
佐々木由美は、バス停のゴミ箱に病院で出された
薬と診察券を投げ入れた。

『偶然、日本に生まれた』
渋谷を歩いていたとき、ある事件で知り合った
タローさんの部屋に行くと、高校生だろう、
年上の女性がベッドで寝ていて、ヒデノリは
そのまま彼女と初体験を済ませてしまったが
……イマイチだった。
敵なのか味方なのか、
いつも目を見て判断するのに、
彼女は1度も目を合わせようとしない。

そのうちケータイが鳴って彼女の顔色が変わった。
彼氏のイタ電らしい。
彼氏からはケータイをチェックされたり、
暴力をふるわれたりするのに、
それが愛情表現だと言うその女は脳みそが
破壊されていると思うが、ヒデノリも
タローさんからどこか壊れていると言われる。
ヒデノリは彼女に「あとはもう自殺しかないね」
と言って部屋を出た。

『不幸に価値をつける』
小学校3年生のとき「朝鮮人!朝鮮人!」と
揶揄されてイジメられた。
「そんなヤツはぶっ飛ばしなさいと」と言う、
ハンパじゃなく強い母は離婚して、姉のナナコと
小田急線沿いのマンションに残り、
目黒本町の中古マンションで、
ヒデノリと父の殺風景な生活が始まった。

『悪い人が好き』
8回めの家出をして、タローさんの部屋に
転がり込んだ。
そしてタローさんとマサさんと組んで、
タワーレコードでCDを万引きする。

『自己防衛の為のレッスンその一』
朝鮮中学の1年坊主につかまってカツアゲされ、
殴られたり蹴られたり。
「やられてるけど、やられてない」と自分に
言い聞かせながら、15分ほど我慢する。
死んだら化けて出ようと考えていたら、
可笑しくなって笑っているところに、ヒデノリが
通っている日本の中学の英語教師・佐々木に
声をかけられ、渋谷のマクドナルドに入って、
ジュースをおごってもらう。
佐々木は朝鮮中学の生徒の話を訥々と
話してから、満足感を漂わせてセンター街に
埋もれていった。

『偶然は必然?』
代々木公園では、ニセ関西人の外国人が
偽造テレフォンカードを宣伝しながら、
ダイエットの薬と言って覚醒剤を売っている。
その様子を眺めていると、女子高生に囲まれて
ヘラヘラしている佐々木がシャブを
買って原宿の方へ歩いていった。
その様子をデジカメで数枚記録する。

『百万回の偶然は必然?』
井の頭線駒場東大駅前のホームで
姉のナナコに声をかけられた。
2年ぶりに会った姉は女っぽくなっていた。
懐かしいマンションで、
生まれて二度目のエッチをした。
相手は実の姉だ。

ナナコは強く見えるから、無視されても
大丈夫だと思われているから、
誰もナナコを見てくれる人はいない。
そして韓国人でいることを許せないのだ。

『スキとキライのマチガイ』
部屋でパソコンをいじっていたら、
いきなりケータイが鳴った。
小学校時代の友だち・伊藤丈一から呼び出され、ふたりで
伊藤が付き合っている彼女の家に行くと、横倒しになった
タンスや、マヨネーズがぶちまけられた天井など、
しっちゃかめっちゃかの部屋のなかで、
彼女は整然と正座していた。
伊藤に女がいると思い込んでいる彼女が
さらにキレて、ふたりはやむなく部屋を飛び出した。

『トモダチ欲しい』
渋谷で遊んでいる連中の口癖は
「友だち欲しい」「友だちいっぱいいる」
タローさんがナンパした女の子たちと宮益坂の
下のボーリング場で遊んでいるという情報が入り、
行ってみた。
そこにはタローさんと川村さんに木島さん、
まゆみとかおりになおこ、それに由美と名乗る
女子高生がいたが、暗い感じの由美が
タローさんに喧嘩を売り、ヒデノリがタローさんから
手渡された飲みかけのコーラを由美の頭から
ぶっかけて、由美はヒデノリにピンタをお見舞いし、
その場を去っていった。
そのあと知ったのだが、
彼女は英語教師・佐々木の妹だったのだ。

『痛いこと』
学校職員専用の下足箱の陰に潜んでいたら、
5人の同級生に見つかって、羽交い締めにされ
汚い雑巾で顔を拭かれたが、朝鮮中学と違って
日本の中坊は喧嘩慣れしていないから、
それほど被害はない。
それから佐々木の下足箱に、昨日撮った
佐々木の画像と、ニセ関西人の外国人にもらった
シャブのサンプルを、佐々木由美と書いた封筒に
入れて靴の上に置いた。

慌ててバスに乗って鞄をあけると、噛んだあとの
ガムが入れられていて、中はベタベタだ。
行き場のない気持ちでダメージが頂点に達し、
降りるのを忘れて終点まで来てしまった。
そこは小学校時代の友人・原田の家の近く。

裕福で美少年の原田の家には、5人のコギャルと
3人の男がドラッグをまわして騒いでいた。
そのうち原田たちは無免許でドライブすると
言って出ていき、代わりに原田がレイプドラッグを
飲ませて襲ったという女性家庭教師がやってきて、
ふたりで8本の缶ビールと6本のカクテルバーを
空けてバカ笑いした。
家庭教師は原田が大っ嫌いだと言って帰っていき、
戻ってきた原田にそのことを話すと、
多分はじめての経験だろう自己嫌悪に陥ったようだ。

『正しい解決方法』
電話の音で叩き起こされた。
病院にかけつけると手首を切って自殺を
はかったというナナコが、ベッドの上で死んでいた。
なぜか「乞食の神様」の話を思い出した
……望まないという望み。

『マイナスを探す女』
父親を早くに亡くし、必死で働く母と、中学教師の
兄を持ち、自由が丘の持ち家でそこそこ幸せに
暮らしていた佐々木由美は、男のマンションを出て、
電車のなかでドアを蹴っている。

偶然由美を見かけたヒデノリは、
彼女のあとをつけ、スーパーでマニキュアを
万引きしているところを目撃した。

それからふたりは病院に忍び込み、
ナナコの遺体を車椅子に乗せて脱出。
そして運転免許のないタローさんの運転で
赤いセリカに乗り、韓国人なのに韓国に
行ったことのないナナコを、祖国に連れて
行こうと東名高速に乗り博多へ向かうが……

歯ブラシではなく、頭を上下左右に動かして
歯磨きをし、見て見て病と誉めて誉めて病で、
外に女を作ってしまう父。
とにかくハンパじゃなく強い母。
朝鮮人という最終兵器を一度も使わずに
逝ってしまった姉。
格好は様になっていても、
結果はカッコ悪いタローさん。
度胸がすわり過ぎて、敵対心丸出しだが、
実は優しくて思いやりのある由美。

渋谷に集まっているのは、幼稚園児とたいして
変わらない大学生とフレッシャーズに、
いちばん常識がありクールな高校生。
3分単位で移動を繰り返し、
不安を解消する渋谷の若者たち。

もっとも危ないのは中学生で、
その中学生であるヒデノリは、イジメを受けながら、
いじめられても無視されるよりマシだと感じ、
辛い日常を受け入れ、事態が悪くなるのを
楽しむ余裕も持ちつつ……

幸せを探すために、全力疾走で不幸に向かっていく。
ハチャメチャなのに悟ったような哀しみに共鳴し、
そこから逃れられなくなる青春物語。

偶然にも最悪な少年偶然にも最悪な少年
(2002/05)
グ スーヨン

商品詳細を見る

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

ごんたイズム 子育てバトル365日 カツヤマ ケイコ

ごんたイズム 子育てバトル365日

家事と育児とイラストレーターの仕事をこなす
ケイコお母ちゃん。
子煩悩で休日には息子の面倒をみてくれる
優しいお父ちゃん。
やんちゃな二歳児柊太(しゅうた)くん。
三人家族(いずれ四人に)のカツヤマ家のものがたり。

目次
お母ちゃんて一体……
弱みを握られる
道のりは険しく
ホント苦労するよ!の1
ホント苦労するよ!の2
兄としての自覚?
うちの子もしかして……⁉︎
ごんた、外面がよすぎる⁉︎
二歳児のギャグ力
夫婦の攻防
定番のしつけ技
男子の美学⁉︎
柊太、お兄ちゃんになる
フォローが大変
いろいろな温度差
あとがき

タイトルにある “ごんた” は、
「いたずらで手に負えない子どものこと」と
“ごんた” が表すように、柊くんはいたずら盛りで、
自分の言葉を理解してもらえないと爆ギレしたり、
お母ちゃんの仕事用Macのコンセントを
抜いてしまったりと、やんちゃな二歳男児。

昼間、柊くんを託児所に預けて、
イラストレーターの仕事をしているケイコお母ちゃんは、
締め切りが迫っているときなど、
柊くんが眠ってくれないとイライラしてしまう。

ケイコお母ちゃんは、柊くんが自分とふたりのときは
ちっともご飯を食べてくれないのに、託児所や
おじいちゃんおばあちゃん宅ではちゃんと
食事していることを聞き、やさぐれ、最終的にはキレる。
お母ちゃんが怒っていることを察したのか、
柊くんは怒られた後に食べ直して自慢顔。
それを確認したケイコお母ちゃんは、
子どもの理解力に感激して、それはもう大喜び。

ホンマ、子育ては大統領や総理大臣の仕事より、
大企業や零細企業の社長さんよりたいへんや思うねん。
24時間365日、ほんの少しの時間かて休めないさかいなぁ。
きっと子育て中のママさんパパさん、
子育てを卒業した経験者の方も、
「そうなんやで〜!」とうなづき共鳴し、
勇気をもらえること間違いなしや!
……めちゃくちゃなエセ関西弁、失礼いたしました………

たいへんな育児、戦場のような毎日に、
海のように深い深い母親の愛も、どこへやら。
でも、子どもにとってお母ちゃんがいちばんでなければ
……そう、母親がいちばん我が子を愛しているのだから。

やがて妹・京香ちゃんが生まれ、
“男子のかっこいい美学” も芽生えた柊くんは
本当のお兄ちゃんになっていく。

赤ちゃんさえもボケをかわしてツッコむ
大阪人らしいウィット。
凛々しい柊くんの成長。
リアルでユーモラスな登場人物の表情。

育児と家事と締め切りに負われたケイコお母ちゃんの
(ときどきお父ちゃんも活躍)、泣いたり笑ったり怒ったり
キレたりしながら、柊くんと京香ちゃんへの
愛情がたっぷり感じられる子育て奮闘記。

ごんたイズム 子育てバトル365日ごんたイズム 子育てバトル365日
(2011/05/18)
カツヤマ ケイコ

商品詳細を見る



テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

雨はあした晴れるだろう  三浦綾子

雨はあした晴れるだろう

『世界一の悲劇』
六月三十日
「傷痍(しょうい)なき人生は恥」
義兄から教わったことば。
傷つくことのない人生なんて……

私の部屋で本をめくる義兄の端正な顔から、
目をそらすことができない。
彼は世界一好きな人。

七月十二日
疑うことを知らない無邪気な姉から
映画に誘われたが、仲のいい義兄と姉を
見ることはできず断った。
ひとりで勉強していると直彦君がやってきて、
自分をどう思っているのか訊かれた。
親友だけど、それ以上ではないと答えてから、
今のところはと、期待を持たすようなことを
言ってしまった。

『だれよりもあの人に!』
七月二十五日
今日から夏休みだけれど、遠軽にいる父母の
もとには行かず、旭川で過ごすことにする。

七月二十七日
父がまた転勤になるから、夏休みには戻ってくるよう
母から手紙がきたが、義兄のそばを
離れることはできない。

七月二十九日
中学卒業後すぐに結婚した留美ちゃんに会った。
一歳六か月の男の子を連れていた。
同い年の私だって母親になってもおかしくない。
母が姉を産んだのは、今の私と同じ歳だ。

七月三十一日
直彦君とふたりで嵐山に行った。
牛朱別川(うししゅべつがわ)と石狩川、
美瑛川(びえいがわ)と忠別川(ちゅうべつがわ)、
嵐山から眺める旭川は美しい。

直彦君はつきつめたように話し出す。
「サチコは友人でいようと意識して、
握手もしてくれない」
私は「結婚する相手に、誰とも握手していない手を
差し出すの」と答えると、直彦君は
「その初めての握手を僕にさせて欲しい」と言う。

私たちは友人でそれ以上ではないと言って、
直彦君を傷つけてしまった。でも私も知っている、
そんな悲しい心を持っているから。

『ふたりっきりの車』
八月一日
義兄が遠軽まで車で送ってくれると言う。
本当は嬉しいのに遠慮してみせると、義兄は
「遠軽のお母さんに用事があるから」と言ってくれた。
神さまに感謝します。

八月二日
義兄の後ろ姿を見たいから、後部座席にすわって、
ただ彼を眺めるだけで幸せだった。
でも義兄は姉が妊娠したことを報告に行くのだ。
私の気持ちを全然分かってもらえないと思ったら、
涙が出てきた。
気づいた義兄は車を止めて訳を訊ねる。
そしてふたりで銀河の滝に降りると、義兄は
私の顔を食い入るようにながめている。

家に着くと「おじいちゃんおばあちゃんに
なるんだよ」と、私が報告してしまった。

『生マレテキテスミマセン』
八月五日
義兄のそばを離れたら、かえって勉強も
読書もはかどった。
「生マレテキテスミマセン」と言った太宰治の
気持ちが分かるような気がする。
決して愛してはいけない人を想って、
なんのために生きているのだろう。

「われ山に向かいて目を上(あ)ぐ」と、
太宰は書いている。
太宰にとっての山が神なら、
私にとっての山は義兄だ。

八月八日
会いたい気持ちを抑えて耐えることはとても辛い。
けれど同時に充実感を覚え、
「実存」ということばが浮かぶ。

八月十二日
ようやく旭川に帰ってきた。
会社から戻った義兄が一瞬
熱っぽいまなざしを向けた。
きっと車のなかで、私の気持ちを
悟られてしまったのだ。
知られてはいけないと思い、わざと義兄の前で、
直彦君から手紙が来なかったか訊いてみる。

八月十四日
町でバッタリ優子さんといっしょの直彦君に
会ったが、手紙の返事をしないことを
怒っているのか、だまって通り抜けて行った。

八月十五日
急に直彦君が貴重な存在に思える。
なんて貪欲なのだろう。

八月十六日
義兄からビールを勧められた。
姉は驚いたが、初めての体験に好奇心旺盛の
高校生はビールを飲んだ。

八月十七日
直彦君の親友である青山君が来て、
最近直彦君の様子がおかしいと言う。
畳に寝ころんで、目に涙をためていたと聞いて、
胸がキュンと痛くなった。

『共犯者』
八月十八日
「われ思う、ゆえにわれあり」
義兄がぽつんと言った。
「われ思う、ゆえにこの世あり」と、私は浮かぶ。
私が死んだら義兄も死ぬ、いいなと思う。

八月二十一日
二学期が始まり登校すると、直彦君から
手紙を渡された。
封を開けると「絶交状」と書いてある。
足のほうから血が引いていくのを感じた。

八月二十四日
姉が流産で入院し、義兄とふたりきりで
過ごすことになった。
自分がとても悪い女になったように思いながら、
神さまに目をつぶってもらいたいという気もする。
でも義兄は寂しそうだ。
私も義兄に振り向いてもらえず寂しい。

八月二十五日
夕食後、義兄はシューベルトの「冬の旅」を
かけてくれた。

八月二十七日
どこまでも歩きたいと思えるほど元気なのに、
誰かにすがって泣きたいような気もする。

八月二十九日
夕食後、義兄とお散歩に出かけた。
ただ、黙って歩いているのに楽しい。
途中、男の人に抱かれた赤ちゃんに出逢い、
赤ちゃんにならないうちに
死んじゃった消えた命のことを思った。

いきなり私は義兄の広い胸に包まれた。
そして義兄は「お兄さんがさっちゃんを
好きだったことを知っていた?」と訊く。
遠軽に行くとき、私の気持ちを知ったのだと。

『くずれた偶像』
九月一日
姉が帰ってきたが、私は義兄の胸に抱かれたことを
思い出しながら、なにくわぬ顔で
姉と話ができることに驚いた。
義兄も以前とまるで変わらない。

九月二日
放課後、図書室で直彦君と隣り合わせになった。
なんとなく落ち着かない。

九月五日
今日も直彦君が図書室で隣りに座った

九月八日
家には義兄とふたりきりだった。
今日は君と初めてあった記念日だからと
プレゼントを渡してくれ、キスしようとしたとき、
姉が帰って来た。
部屋に逃げてから震えが止まらなかったが、
義兄からもらった銀のブローチにそっと口づけた。

九月九日
直彦君は今日も、図書室で一言も
しゃべらないままとなりに座った。
家では義兄が帰ってこなかった。

九月十日
学校から帰ると、姉は真っ青な顔をしていた。
私は義兄が事故かなにかで死んでしまったのかと
涙声になって聞くと、姉は泣きながら言う。
違うの、死んだんじゃないのあの人は……

そして最終章『傷は人間の印』へ。

裏切り、愚かな人間、罪、人の心の不思議。
《過ギタル幸福ノ思イ出ガ現在ノ不幸ヲ倍ニス タッソ》
それはあまりに胸に染み入る情感。

人は誰しも「生マレテキテスミマセン」と、
謝りながら、それでも生きているのだろうか……

人間の罪と、生きることへの力強さ、優しさと慈愛が
描かれた三浦文学の原点であり、著者初期の作品集。
ほかに『この重きバトンを』『茨の陰に』収録。

雨はあした晴れるだろう (角川文庫)雨はあした晴れるだろう (角川文庫)
(2000/10)
三浦 綾子

商品詳細を見る


テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

ユニコ 手塚治虫

ユニコ

『プロローグ』
ユニコーンは人間には決してなつかないが、
純真な心を持った人には、そのピュアな心を慕い、
永遠の幸福をもたらすという。

美しく気だての良い娘・プシケに、ユニコーンの
ユニコはよくなついていた。
毎日2万通もラブレターが届くほど人気があったプシケを、
心の醜いビーナスは気に入らずに、十万キロ四方を
見わたすことのできる百眼のアルゴスにプシケを
監視させていたのである。

そして息子のエロスにこの世でいちばん醜く卑しい男と
恋をさせるよう命令し、エロスはプシケに矢を放つ。

愛の矢は、矢が刺さってから最初に見た相手を好きになる。
だからエロスはプシケに矢が当たってすぐに、
乞食のガノモスをひきあわせようとしたが、ユニコが
エロスのお尻にツノを突き立てたため、エロスは
自分の矢を受けて、プシケに恋してしまった。
ところが人間にはエロスの姿が見えず、
プシケは恋した気分になっただけだった。

策略の失敗に怒り狂ったビーナスは、
テッサリアで行われるペットコンテストで、
ユニコーンをさらってしまおうとくわだてる。
ビーナスに命じられた西風の精はユニコをさらい、
何千年もくだって忘却の丘が過ぎるところまで
やってきて、そっとユニコをおろす。

すっかりプシケのことを忘れ、そこがどこなのか、
自分がなにをされたのかも分からないユニコは……

『第1章 野牛の丘』
『第2章 うるわしのロゼリア』
『第3章 ほうきにのったネコ』

コケティッシュでユニークな動物たち。
頭部から天に向かって生えたツノとクリクリした
大きくかわいい目を持つ、お人よしで騙されやすく
バカ正直、心から愛する人が危機に瀕したとき、
テレパシーや変身などの不思議な力を発揮する
伝説の動物・ユニコーンの子ども、ユニコが
出逢いと別れを繰り返し放浪する
ファンタジーメルヘンコミック。

ユニコ (手塚治虫文庫全集)ユニコ (手塚治虫文庫全集)
(2009/11/11)
手塚 治虫

商品詳細を見る

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

青空のルーレット  辻内智貴

青空のルーレット

人、車、騒音が溢れかえる、
熱されたコンクリートの街・東京で、
ロープにぶら下がり、揺れながらビルの窓を
拭いている。

もう何年も気に入って、
高所窓硝子特殊清掃作業員の
アルバイトを続けていた。
無意味に思える窓拭きを素敵だと
感じながら続けている。
休みたいときに休憩し、休日も自由、
目を光らせる上司もいない。
半月も働けば充分な収入になる、
「夢見る好青年」どもに最適な仕事なのである。
焦がされながら、太陽の下に転がって、
翼を探す毎日。

芝居やマンガに音楽など、
夢はそれぞれ持っているのに、
翼より足で地上を歩く方が確実なことも
分かっているのに、なぜかみんな
窓拭きを続けている。
ガラスの向こうにいる会社員にはなれない。
勤勉なサラリーマンも、家庭を作るのも、
こうして浮かんでいるのも人生なのだ。

宝栄ビルサービスのバイト従業員の
ほとんどは夢を持ちながら、
窓を拭いたりモップをかけたりしている。
ギターとボーカル担当のタツオと
ベース担当の工藤、それに23歳なのに
子どもっぽいドラム担当の進藤とでバンドを組んで、
そのために高所窓硝子特殊清掃作業員の
アルバイトをしているのである。

ほかにやりたいことがある訳ではなく、
たぶん母と妹の生活を支えるため、
仕事だけをしている18歳の保雄。
彼は皆に好かれ、頭も良く仕事ができて
細やかな気配りができる優しくていいヤツだ。

4人に気を遣ってくれる業務主任の岸野は、
2年前酔ってナンパした女を嫁さんに
してしまったが、子どもにも恵まれ、
みずから幸せだと公言している。

45歳、唯一中年ガラス清掃作業員である
萩原は奥さんとふたりアパートで暮らし、
小説を書いている。
情が深く、小説が好きな社長はなにかと
萩原の力になってくれる。

安アパートでカップラーメンをすすりながら
漫画を描いている、正義感が強く大男の緒方は
仕事が雑でミスが多いためクビ寸前である。

宝栄ビルサービスで働く若者のほとんどは、
やりたいことのために高層ビルの窓ふきという
アルバイトをしているのである。

ところが屈折したロマンを持つ自分たちには
素敵に感じられる、物静かで純粋な萩原さんを、
社長の実弟で46歳、専務の奥田は
偏執的な性格のヘンな奴で、ときに触れ
萩原さんに難癖をつけて苛めている。
みな、専務を胸くそ悪く感じているのだ。

いつも仕事が終わると、駅裏のスタジオ
「ムーン・リバー」で、タツオと工藤と進藤は、
CCRの「雨をみたかい」で音ならしをし、
それを保雄が長椅子に座って付き合ってくれる。
そして狭い天井には、
アメリカ南部の青空が広がっていくのだ。

晩夏の夕方、いつものように仕事を終えた3人は
スタジオに入ったが、練習を始めて
1時間が過ぎても保雄は現れなかった。
タツオは嫌な予感がした。

その日保雄は萩原と新人の3人で、
少し面倒な現場にいた。
その仕事は新宿の10階建てのビルで、
ローブ2セットが必要だったが、会社側の
手違いで1セットしか用意されておらず、
事務所に電話するとあいにく
岸野は出かけていた。
電話に出たのは、事情を飲み込めていない
業務に就いたばかりの新人で、こともあろうに
専務の奥田に取り次いでしまったのである。

現場のことなど少しも理解していない奥田は、
とにかく今日中に終わらせろと言う。
保雄は、また奥田の萩原苛めに繋がることを
おそれ、萩原と新人のふたりには
内側の清掃を指示し、ひとりで
外側から吊らされる選択をした。

気温36度、厳しい残暑のなかで、
明らかに疲れた保雄の姿を見て心配した萩原の
「ぶら下がる作業を代わる」という言葉を受け流し、
保雄は作業を続けた。
しかし保雄は命綱をつけていなかったのである。
そして……

校舎のガラス磨きも、川の泥掃除も、
いつも青空に包まれていた。
昭和50年代、熱い時代に、
夢を見るために窓を拭き続ける。
思いっきり嫌な奴もいる。
でも、正義感が強くてアホでこのうえなく
イイヤツらの、爽快な夢と友情物語。

青空のルーレット (光文社文庫)青空のルーレット (光文社文庫)
(2004/01)
辻内 智貴

商品詳細を見る

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

鞄 図書館  芳崎 せいむ

鞄 図書館

《今日と明日の間には 長い期間が横たわっている
君がまだ元気なうちに 早く処理することを学べ》
《何事につけても 希望するのは
絶望するのよりよい》
《可能なものの限界をはかることは
だれにもできないのだから》

15冊の話には、必ずゲーテの引用がなされ、
鞄のなかには古今東西のあらゆる本が
揃っているという伝説の鞄図書館。

生まれつきロマンチストで、無数の蔵書が
収められた、しゃべるかばんちゃんと、
リアリストの司書さんが、全世界を旅して
人々が望む本を鞄図書館から取り出し貸し出す。
貸出期限は最長1年、返却日には
借主がどこにいても、本を受け取りに現れる
司書さんとかばんちゃん。

1961年設立、蔵書約100万冊を誇る、
ドイツワイマールのアンナ・アマリア公妃図書館の
大火事で、火を浴び焼失しそうになっている書籍も
鞄に入れる。
するとそれら本たちの火は消え、
息を吹き返すのだった。

宇宙の真理が詰まっている鞄。
けれど人ひとりの存在は、宇宙の真理より重いと
言いつつ、歳をとることもなく、ときには喧嘩もし、
傷ついたかばんちゃんを修理してもらったりしながら、
祖父の形見の本、世には出回っていない
事故死した息子が書いた小説、実在しない究極の
魔道書など、要望の本を提供する旅は続いていく。

文中の1文……
《暗い心の海の底に きらめく光が差した
それが物語の力だったのです》
……そう、まさに本の力。

そして、鞄図書館はなにかにそっくりだと思った。
薄くて軽くて、手軽に持ち運べるのに、
たくさん本が入ったライブラリーが
いくつか存在する重厚な iPad だ。

鞄図書館は世界の人々の宝物で、
iPad はわたしの宝石箱。
そんなことを再確認させてくれた1書。

あっ、でも本はやっぱり
“紙の本” がいちばん好きですけど……

鞄図書館<1>鞄図書館<1>
(2009/10/29)
芳崎 せいむ

商品詳細を見る

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

最後の晩餐   開高 健

最後の晩餐

《食物と女が書けたら一人前》という文壇用語が
あるくらい、食と女を書くのは難しい。
食談や食欲描写、料理の話が
めったに登場しない日本の文学。

私生児扱いを受けてきた食談の
偽善癖を是正したい。
食欲を味覚だけで観察することを警戒するため、
魯迅や老舎の挿話をマクラとして紹介し、
常日頃、朦朧とした恐怖から『最後の晩餐』という
タイトルを付け、その横に
「腹のことを考えない人は頭のことも考えない」という
碩学サミュエル・ジョンソン博士の1行を掲げて連載され、
単行本になった本書。

メデューサ号の筏やアンデス山中の事件など、
極限状態における人肉嗜食。
軍隊で殴られ罵られ、倦怠のなかで
異常に膨れ上がる兵隊の食欲。
働き者の牝ライオン、獲物をかすめ取るので、
えげつないやつと悪口を言われるハゲワシとハイエナ、
アウシュビッツの天然資源、人灰で作った野菜。

鶏肉とお肉の野菜煮など、栄養満点のペットフード。
食糧を考えると、ペットも人口に
入れなければならないほどの膨大なペットフード量。
ドッグフードからマンフードを作るレシピ。
ペットに興味がなく、広大な食欲、味覚、
料理術を誇る広東人。

右翼国と左翼国の国境線、チャップリンの
ノー・マンズ・ランド1本道。
『収容所群島』での食事などなど。
「食」が文学と歴史に融合され、
精緻な筆致で描かれる究極の食物大全。

目次
『どん底での食欲1』
『どん底での食欲2』
『どん底での食欲3』
『女帝を食うか、女帝に喰われるか』
『華夏、人あれば食あり1』
『華夏、人あれば食あり2』
『スパイは食いしん坊』
『日本の作家たちの食欲』
『芭蕉の食欲』
『王様の食事』
『自然に反逆して自然へ帰る』
『一匹のサケ』
『玄人はだし』
『大震災来たりなば』
『ーー非常時の味覚ーー』
『ありあわせの御馳走』
『神の御意志のまま』
『天子の食事』
『一群の怪力乱神』
『腹に一物』
『最後の晩餐1』
『最後の晩餐2』

名酒を知りたければ、日頃は安酒を、
御馳走を味得したければ、日頃非御馳走に
ひたらなければありがたみが分からない……など、
「うんうん」と何度も頷いてしまう名言が
そこかしこにちりばめられた1書。

最後の晩餐 (光文社文庫)最後の晩餐 (光文社文庫)
(2006/03/14)
開高 健

商品詳細を見る

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

春雪 と 健気な 芝桜

Evernote-Camera-Roll-20150408-083102 のコピー

先日ようやく桜の開花宣言が出され、
信州にも遅い春がやってきた。
と、思っていた。
ところが、今朝カーテンを開けると、また冬再来?

もう数日すれば、開くかもしれないと思っていた
庭のさくらんぼの蕾にも、緑濃く張り出した苺の葉にも、
純白のベールが……

そして鮮明なピンクが、小さいけれどその存在を主張し、
我が家でいちばん早く春を伝えてくれた芝桜の上にも、
まるで白無垢の綿帽子のような雪が……

冬が狂い咲きしているのか、寒太郎の迷い道なのか……

穿いているチノパンなど、何の意味も持たずに
突き刺さる寒気。

花にどっかり積もった雪で、さぞ寒かろうと芝桜を眺めれば、
少し花弁をすぼめながらも、
凛々しく雪と戯れているかのようにさえ見える。

冬を惜しみ4月に降る雪も、氷のような冷たさに堪える芝桜も、
到底人間などには持ち合わせない偉大な自然。

でも……
偉大な自然に敬意をはらいつつ、やっぱり口ずさんでしまう。
♫ は〜るよ来い!は〜やく恋 ♪





続きを読む

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

思いがけない 春

桜1

昨日は春の嵐なのか、
傘も意味をなさないような強風雨の1日だった。
そのせいだろうか、急に歩きたくなり、
ルル(パピヨン犬・14歳)を連れて
音楽文化ホールに向かう。

そこはコンサートや講習会などが行われる
大小のホールと、広い敷地を持つ「楽都松本」の
拠点施設である。

駐車場に車をとめ、
敷地内の公園へ、ルルとともに歩きだす。
園内では小学校低学年らしき男の子数人が
笑いながら駆け回って遊んでいた。

そのさらに先には、公園を縁取るように
桜の木が植えられている。

昨日の天気予報で、東北地方まで
伸びていた桜前線は、信州だけが取り残され、
そこだけ暗い色をしていた。
だから、桜はまだまだ先だと思っていた。

それが、数十メートル先の桜の木に目を凝らすと、
うっすらピンク色が!

「えっ?」

ルルといっしょに走った。
ルルに引っ張られるように走った。
桜の木のもとへ。

そして見つけたのである。
可憐に、でも春を告げる意志を持った、
気高いピンクに彩られた花を!
思わず口ずさんでしまった。
♫ちい〜さいは〜る〜、小さい春〜、
ちい〜さいは〜る〜、見〜つけた〜!

その淡く高貴な桜を愛でながら、
偉大な存在に祈願する。
多くは望みません、私にも小さい春を!

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

コミック 東野圭吾ミステリー 白銀ジャック  原作 東野圭吾 作画 高柳衣良

コミック 東野圭吾ミステリー 白銀ジャック

新雪がきらめく新月(しんげつ)高原スキー場に、
メールで脅迫状が届いた。
その内容は、ゲレンデに爆発物を仕掛けたから、
現金3,000万円を用意しろというものだった。

もともと複数の町村がそれぞれに
運営していたスキー場を、
新月高原ホテルアイランドリゾート株式会社の
親会社である広世(こうせい)観光株式会社が
買い取り、リニューアルオープンさせたのが、
新月高原スキー場だった。

事件に関し、索道部(さくどうぶ)マネージャー
索道技術管理者の倉田玲司は警察に連絡して、
ゲレンデを閉鎖すべきだと主張するが、
ホテル事業本部長兼支配人の中垣は
聞く耳を持たず、広世観光の取締役でもある
新月高原ホテルアイランドリゾート社長の
筧(かけい)純一郎と相談の結果、
犯人の要求通り現金を払うことにするという。

運搬役を任されたゲレンデパトロールの根津昇平は、
犯人の指示どおりスキーでゲレンデを滑り、
現金は犯人に渡った。
しかしその後届いたメールに、爆発物の場所は
明言されておらず、さらに3,000万円を要求してきたのだ。
そこで根津は現金の運び役を、同じくゲレンデパトロールの
藤崎絵留(える)に頼み、犯人の尻尾をつかむため、
自分は別の場所で待機することにする。

実はこのスキー場で、昨年悲惨な事故が起きていたのである。
連絡コースから北月エリアへの合流点で、
コースをはずれてルール違反を犯したスノーボーダーが
突然飛び出して入江香澄と接触し、
彼女は頸動脈切断による出血多量で死亡してしまった。
犯人はそのまま逃走し、いっしょにいた息子の達樹は
強いショツクを受け、いまだに不登校のままなのだ。

その事故が原因で北月エリアは閉鎖され、
そのため北月町の財政は逼迫していた。
もともと北月エリアは、利用者数と利便性から
「お荷物ゲレンデ」と呼ばれ、経営者側は
切り捨てたいと思っていたのである。

ホテルからの招待もあり、入江義之は達樹を
ショツクから立ち直らせるために、このスキー場を
再訪し、スィートルームに泊まっている。
同じフロアには、みごとなテレマークスキーを扱い、
かなり裕福そうな日吉夫妻も泊まっていた。

北月エリアで行われるクロス大会に出場予定の
瀬利千晶(せりちあき)も加わり、スピード感あふれる
犯人追走劇が繰り広げられていくクライマックス。
白銀に描かれるシュプール、ダイナミックで
華麗な滑り、谷を飛び越えるロングジャンプ、
爆破の恐怖とスリル、スキー場経営の現実。

ネットの掲示板で見つけた、広世観光がスキー場を
売却するという書き込みが意味するものは……
いったい誰がどんな目的で、新月高原スキー場に
爆発物を仕掛けたのか……
達樹は辛い記憶を克服できるのだろうか……

東野圭吾原作のミステリー『白銀ジャック』を、
高柳衣良がコミカライズ化。
荘厳な雪山を背景に、臨場感と爽快感に包まれる
サスペンスコミック。

東野圭吾ミステリー「白銀ジャック」 (マンサンコミックス)東野圭吾ミステリー「白銀ジャック」 (マンサンコミックス)
(2013/12/16)
東野 圭吾

商品詳細を見る


テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

ピンク の 春 と ブルー の 煌めき

Gift.jpg


今朝、我が家のご長老ルル(パピヨン犬・14歳)を連れて
庭をお散歩中、ほんの小さな、けれど濃く鮮やかな
ピンク色が視界の片隅に。
何だろう?と、しゃがんで目を凝らすと、
可愛く可憐なシバザクラの花ががふたつ。

信州の桜はまだもう少し先になりそうだけれど、
我が家の庭で “芝桜の春” 発見!
そんなウキウキ気分のまま、仕事を終え帰宅すると、
郵便受けには定形外の封筒が
主人を待ちわびるように顔を覗かせていた。

大好きなこの季節は、わたしの生まれた季節でもある。
封書を裏返すことをせずとも、誰からなのか分かる
宛名に書かれた懐かしい文字。
昨年も同じように送ってもらったバースデープレゼントの
手作りブックカバーは、いつもわたしの心を和ませてくれる。

封を開ける前から、誕生日の贈り物だと決めつけている
図々しさに自戒しつつ、早く中身を知りたいと気持ちは逸る。

厚めの内袋から出てきたそれは、和風のポーチだった。
青色を基調とした生地に牡丹や藤などの花が描かれ、
花弁には細かいビーズが縫い込まれている。
ファスナーを開くと、カードなどが入るポケットが
いくつも付いていて、表生地で縁取られたファスナーの
端の始末に、彼女らしいこまやかな気遣いが感じられ、
感謝と悦びをかみ締めていた。

何に使おうか迷ってしまう。
もったいなくて、ずっとタンスの引き出しに
収まったままになってしまうかもしれない。
そんなことを考えるだけで、幸せな気分に包まれる。
カラーセラピストである彼女から、以前
「ブルーは至福の時間」だと教わった。
まさに至福のとき!

またひとつ歳を重ねてしまうと嘆きつつ、
今年も無事に迎えられた誕生日と、
友人の優しさに心より感謝!です。

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

tag : 料理と洋楽

カウンタ
Kindle 電子書籍の購入
電子書籍リーダー
honto 電子書籍の購入
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
03 | 2015/04 | 05
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新トラックバック
検索フォーム
カテゴリ
リンク
おすすめ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
プロフィール

Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。