2月の投稿書籍

外道の条件浮かれバケモノの朗らかな破綻虹の岬の喫茶店リストランテ
パラディーゾ
ウロボロス 1
世界遺産の
     街を歩こう
プ ー ルキミノ名ヲ旅行者の朝食家政婦さんっ!

母 と 編み物 と ボケ防止

hand knit

母は洋裁のプロだった。
わたしが小さかった頃、
依頼された仕事の合間を縫って、
わたしたち姉妹ののスカートや
ワンピースなどを作ってくれた。

母のお手製ということが嬉しくて、
よく友だちに自慢したことを思い出す。

生まれ育った家の、狭い部屋の片隅には、
重厚で漆黒に光る工業用ミシンが置かれ、
そのミシンに向かって足踏みしている母の姿と、
生地が行ったり来たりするのを眺めるのが
好きだったなぁ。

そんな母のDNAを受け継ぐことなく、
わたしは雑巾1枚まともに
縫うことができないのだけれど……

それが年老いた母は今、編み物に夢中のようで、
わたしが実家を訪れると、座布団やら靴下やらを
編んで持たせてくれる。

そんな母は毎年、彼女の故郷である福島県まで、
電車を乗り継いでひとり旅をする。
わたしですら、iPhoneがなければ
行かれないかもしれないというのに。

さらに驚いたことに、最近母からメールが送られてくる。
しかも絵文字付きで。

やっぱり洋裁や編み物など、指を動かすことは、
脳を活性化させてくれるのだろうか……

洋裁はまるでダメなわたしも、
実は編み物は得意……だと自分では思っている……
ただ、最近は忙しさにかまけて、
毛糸に触れた記憶ははるか彼方。

いつか来る将来を見据え、認知症予防のため、
時間を見つけてセーターでも編もうかなぁ……

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

家政婦さんっ!①  作画/夏葉じゅん 原作/きたこ キャラクターデザイン/waco

家政婦さんっ!①

両親はいないが、普通の女子高生だと思っている
17歳の篠原あやめは、家が燃えてしまい、
とりあえず兄の司とともに伯父である隆志の
豪邸へ行くことになった。
しかし隆志の妻はふたりをよく思っていないため
長居はできず、あやめは隆志が理事長をつとめる
藤崎学園高等部の寮で、住み込みの家政婦を
することになったのである。

ところが女子寮だと思い込んでいた寮は男子寮で、
寮生は金髪でライオンのような渡辺仁、
銀髪赤目でウサギのような五十嵐千春、
真っ赤な髪でサルのような新山太一、
黒くて大きくてクマのような源田敦、
エロくイヌのような加藤嵐士たち、
自己チュー野生動物の5人だった。

彼らは寮ではワガママで言いたい放題、
自由奔放だったが、学園では生徒会役員で
人気者のイケメン5人組だったのである。
寮のルールは絶対不可侵だから干渉するなと、
仁から早々に釘を打たれ、生徒会庶務の仕事も
押し付けられるあやめにもようやく仲村里美という
友だち1号ができたのだった。

曲がることが疲れたから、どんなときも
真っすぐでいるというあやめ。
辛い子ども時代の体験からいつも笑顔に徹するが、
笑っていないと生きていけないと言う千春。
もの腰がソフトで馴れ馴れしい嵐士。
素っ気ない態度とは裏腹に、意外と素直な太一。
剣道着が凛々しい敦。
冷たく見えて、実は自分が傷ついてもひとを
思いやる仁。

あやめに対して、ブスだとかバカ女だとか
ドンくせえだとか、とにかく口の悪い
超イケメン寮生たち。

家政婦の仕事や学園祭に向けて奔走しながら
溶け込んでいく、イケメン5人とあやめの、
優しさや温かさが伝わる学園ラブコメディ。

家政婦さんっ!〈1〉 (魔法のiらんど文庫)家政婦さんっ!〈1〉 (魔法のiらんど文庫)
(2011/12/24)
きたこ

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テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

旅行者の朝食  米原万里

旅行者の朝食

ロシア人の必須教養であるジョークと小咄。
彼らは300話から500話もの
小咄の蓄えがあるという。

その話にしばしば登場するのが熊であり、
熊が登場する話のひとつ、
ある旅行者が森を散策中、大きな熊に出会い、
その熊が男に
「おまえさんは何者だい?」と質問すると、
「私は旅行者です」と答えた男に、
さらに熊が言う
「旅行者はオレだ。
おまえさんは旅行者の朝食だ」と。

実はロシアには「旅行者の朝食」という名の、
非常にまずい缶詰があるらしい。
小咄はこの不人気缶詰を揶揄するために
作られたとのこと。
才能とエネルギーの非生産的で、文学的な
方向性を持つロシア人は、フランス語と
フランス文化に憧れるという。

フランスやロシアの食文化と料理文化を皮きりに、
世界の食に関する書籍の紹介やエピソードなども
まじえ、食材のルーツや歴史、食料問題にまで
ふれていく。

アダムとイブがおかした禁断の実は林檎ではなく
ジャガイモだったとか、ジャガイモを「地中の林檎」
トマトを「黄金の林檎」と名付けたとか、
『ちびくろサンボ』はインドを舞台にした物語で、
虎のバターで作られたのはホットケーキではなく
ナンだったとか、ロシア語通訳の著書が語る
興味深い記述が満載のグルメエッセイ。

旅行者の朝食旅行者の朝食
(2002/04)
米原 万里

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テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

スノーシュー、体験しちゃいました!

ss.png

信州といえば、北アルプス、スキー、
スケート、林檎とお蕎麦にわさび。
それにときおり北海道をしのぐ、
最低気温ベスト10のなか、
8か所ほどを占めてしまう極寒の地であり、
豪雪地帯もあり、でも自然だけは豊富で、
田舎という代名詞がぴったりの、
そんなちょっと自慢できる
わたしの生まれ育った場所。

スケートは小学校時代、教科のひとつであり、
でもスキーは生まれて初めて体験したのが
高校1年生のときで、お蕎麦もまるで味音痴という、
自慢できると言っておきながら、信州の自慢を
少しも会得していない、ダメダメ信州人ですが、
先日はじめて、最近マニアック人気の
スノーシューを体験しました。

実は昨年行く予定だったのが、
天候不順のため結局行かれず、
2年越しの挑戦となったものの……

当日は去年の天候とは打って変わった
スカイブルー。
快晴という言葉がぴったりの、
真冬とは思えないさわやかな朝。
くっきり浮かぶ山の稜線をめがけて、
オリンピック道路をひた走り、正午少し前に
目的地・国営アルプスあづみの公園
大町・松川地区に到着。

「腹が減っては……」なので、とりあえず
ランチかなぁと、ご当地メニューである
“黒部ダムカレー” を注文。
何種類かのスパイスが効いたコク深い
アーチカレーを味わい、いざ出陣!

レンタルルームでスノーシューとストックを
お借りし、トレッキングシューズに
しっかり固定させる。
「馬の○○○○○長野県」と
比喩されるように、縦に長い信州は
地域によって、気候もさまざま。
県北部に位置する大町は雪が多く、
その日も眼前に広がる白銀の世界。

アカマツヤナラの木をぬいながら、
どこでも自由に散策できるスノーシュー。
空を歩くような空中回廊を見上げ、
ときどき右足が左のスノーシュー靴を
踏んでしまい、こけそうになりながら、
心地よい冷風に包まれる。
園の半分ほどをまわり、
インフォメーションセンターに
戻ってきたときには、
身体のなかから発する
「もっと歩きたい」という声に呼応し、
またもう一周する。

純白の雪と、凛とした清々しい空気、
身体を動かすことの悦びがあふれたまま、
帰りには悠然と聳える常念岳が一望できる
露天風呂で、心地よい疲れを癒す。

温泉から出たころには辺りも薄暗くなり、
なんて信州らしい休日の過ごし方だろう!と、
自己満足の一日は暮れていった。

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

キミノ名ヲ。  作画 柘植ミズキ 原作 梅谷 百

キミノ名ヲ

2010年夏
兄弟の多い桜井千鶴子には、大学2年の長男・太一、
中学3年生の次男・大和(やまと)、
小学3年生の三男・頼人(よりと)、幼稚園児で
末っ子の夕子と、さらに大和の二卵性双生児である
月子までいる。
母は他界し、父は史学科の大学教授で、
千鶴子が弟妹の面倒を見ながら、
食事の支度や洗濯などの家事をこなしている。

父が忘れた書類を届けるため、
デートで出かけている月子以外、兄弟6人が鎌倉の
鶴岡八幡宮を訪れるが、そこで千鶴子は誰かに
呼ばれたような気がした……「ひな」と。
そして突然地面から出てきた手に引っ張られ、
助けようとした大和とともに
地の底へ落ちてしまったのである。

気がつくと、そこは大和の国十津川郷で、
元弘元年の師走だという。
道端に倒れているところを、竹原八郎・茂子父娘に
助けられたらしいが、周りの光景を見て愕然とする。

そこに眉目秀麗の法師がやってきた。
尊雲(そんうん)と名乗った法師から「そなたは?」と
訊かれ、「桜井千鶴子」と答えると、
「鶴を名乗るのは早すぎる。せいぜい雛鳥だ」と
笑ってから、そっと呼ばれたのである……「ひな」と。
その響きに、あのとき鶴岡八幡宮で聞いた、
あの声がよみがえる。

1000年も昔にタイムスリップし、習慣も風俗も
馴染めない時代に戸惑いながら、周りの人たちの
優しさに気持ちが和み、元の時代に戻りたいと
願いつつも、尊雲に惹かれていく。

千鶴子の居るべき場所は現代なのか、
尊雲の元なのか……
街には帝が行方不明だという噂も流れ……
小説のコミカライズ『キミノ名ヲ。』は2巻へと続いていく。

キミノ名ヲ。〈1〉キミノ名ヲ。〈1〉
(2010/07)
梅谷 百

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テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

プール  松久 淳 + 田中 渉

プール

彼女は水棲哺乳類を連想させるようになめらかに泳ぐ。
5月の水は冷たい。

プールサイドでゴムボール野球をしている水泳部員たちを
眺めなている佐伯薫(さえきかおる)の横に座り、
広戸壮一(ひろとそういち)は初めて、
明るく笑う彼女と冗談を言いながら話をした。

その日、全教室のテレビにはインターハイの中継が流れ、
画面に映った薫を観て、壮一は、あの日会話した薫と、
テレビに映っている姿とが別人に思えてならない。
スタート音とともに水に吸い込まれるように入水した薫は、
自己最高タイムで全国大会進出を決めたが、
学校中にわき起こる歓声のなかに、
なぜか壮一は入り込めなかった。

壮一が最近まで付き合っていた京子とは、
揉めにもめて別れたばかりで、プールサイドでの
できごとがあってから、全日本の強化選手である
薫のことが気になって仕方ない。

学園祭の夜、プールにいるという薫を探しに行った壮一は、
2コースのスタート地点に立ち、薫を確認した刹那、
水のなかに落下して意識を失った。
そこにはある人物の意思が働いていたのか……

大学を卒業して自動車メーカーに就職した壮一は、
7年間新車開発を担当していたが、居心地の悪さを拭えず、
自分の役割を明確にするため、2か月前に会社を退職して、
長い旅に出た。

メキシコからキューバ入りして、突然めまいに襲われた壮一は、
救急車で病院に運ばれたが大したこともなく、
数日で退院して旅を続ける。
グランドキャニオンからオハイオ州まで歩くことを決め、
孤独という恐怖にとらわれながら3日間歩いた。

それからさらに4日め、軽トラックに乗ったナバホ族の
アメリカンインディアン・エルクと出逢いミルクをもらって
渇きから救われ、食べることは生きることだと感じる。
軽トラックで走り、夜がふけるとエルクが差し出す
自家製バーボンをあおる。
そしてギャラップにあるエルクの自宅で数日を
過ごした壮一は、キャニオン・デ・シェイという聖地や、
風に乗って空を舞うナバホ族のことを知る。

3月
山崎幹子(やまざきみきこ)の誕生日に、
叶井瑞江(かないみずえ)の部屋で
沢崎真由美(さわざきまゆみ)がパーティの
仕込みを手伝っていたとき、その手紙は届いた。
吾妻久史(あづまひさし)が受け取り、
瑞江が読んでから真由美に差し出す。
そのとき電話が鳴り、瑞江は受話器の向こうに
いるのは壮一だと直感する。

不思議な力を持つ瑞江に、壮一は東京にいるときから
いろいろ相談していた。
電話で旅行の経過を報告し、グランドキャニオンに
向かう旨を告げると、瑞江はパワーのある土地だから
気をつけてと言って電話は切れた。

午後3時前には幹子の家に到着した3人に、
中田亘(なかたわたる)と班目昌彦(まだらめまさひこ)が
加わりパーティが始まって、話は自然とそこにはいない
壮一の話題で盛り上がる。
その日、手紙は幹子の家にも届いた。
そして瑞江は言う、この手紙は私宛ではないと。

さらに新しい手紙が届き、6人は原宿の
スペイン料理店に集まった。
以前聞かされた、癌に罹り余命數か月だという班目を見て、
彼は本当に死んでしまうのか久史が不思議に思っていると、
瑞江が囁く……人がいなくなるってことは、
存在がなくなるんじゃなく、いないことが存在するのだと。

縦書きの便箋にボールペンで書かれた、とりとめもない内容。
差出名はなく、最後の數cmが切り取られた手紙。
何通めかに書かれていた
「私にとってあなたが、あなたにとって私がなんなのか……
私はあなたをどう考えたらいいのでしょう……
あなたは誰なのですか?」
端正で力強く淋しい手紙。
差出名の書かれていない手紙は、やがて誰がどんな想いで
書かれたものなのか、うっすらと輪郭が見えてくるが、
さらにその手紙とは別の手紙も届く。

高校時代スキー部に所属し、大学を卒業して7年間の
エリート会社員生活から、突然北アメリカに渡った壮一。
インターハイで全国大会に出場するほど水が好きな薫。
壮一の先輩で、相手の言葉にリアクションのない
マイペースを貫き、第六感の鋭い瑞江。
瑞江と同郷で彼氏なしという、保育士の幹子。
化粧品会社で経理担当の、やはり彼氏なしの真由美。
大手広告代理店勤務、女好きなのに
彼女なしでアニメオタクの亘。
雑誌編集者で美人の彼女・留美がいる久史。
新エネルギー・産業技術総合開発機構で、
風力発電の開発と研究をし、癌で余命いくばくもない昌彦。

経歴も年齢もバラバラの仲間が、瑞江の周りに集まり、
差出名の書かれていない手紙をめぐって
過去と現在が繋がっていく。
過去の想いに翻弄され、自分の気持ちに対峙し
葛藤しながら静かにしっとり書かれた
言葉の切なさが染み入る純愛小説。

プールプール
(2002/11/28)
松久淳+田中渉

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テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

世界遺産の街を歩こう

世界遺産の街を歩こう

表紙をめくると、黄昏の空のもと、燃えるように
瞬く家の灯りが映える迫力の写真。
その片隅に浮かぶ《見所あふれる世界遺産の街で、
極上の散歩を楽しもう》の一文。

本書はヨーロッパ・アジア・中南米・アフリカの
世界遺産が、鮮やかで荘厳な写真とともに、
世界地図や世界遺産とは何か?
という説明とともに紹介されている。

【北・西ヨーロッパ】
イギリス エディンバラ市街
フランス パリのセーヌ河岸
フランス リヨン歴史地区
フランス 城塞都市カルカッソンヌ
ベルギー プリュージュ歴史地区
スイス ベルン旧市街
オーストリア ザルツブルク歴史地区
オーストリア ウィーン歴史地区

【南ヨーロッパ】
バチカン市国 バチカン市国
イタリア / バチカン市国 ローマ歴史地区
イタリア ヴェネツィア
イタリア フィレンツェ歴史地区
イタリア サン・ジミニャーノ歴史地区
イタリア シエナ歴史地区
イタリア ナポリ歴史地区
イタリア アマルフィ海岸
イタリア アルベロベッロ
イタリア ピエンツァ歴史地区
ギリシャ コルフ旧市街
サンマリノ サンマリノ歴史地区
スペイン 古都トレド
スペイン グラナダ
スペイン サラマンカ旧市街
スペイン コルドバ歴史地区
スペイン バルセロナのガウディの作品群
トルコ イスタンブール歴史地域

【東ヨーロッパ】
クロアチア ドゥブロヴニク旧市街
チェコ プラハ歴史地区
チェコ チェスキー・クロムロフ歴史地区
ハンガリー ブタペストのドナウ河岸
エストニア タリン歴史地区
ポーランド クラクフ歴史地区
ポーランド ワルシャワ歴史地区
ロシア サンクト・ペテルブルク歴史地区

【アジア】
中国 ラサのポタラ宮歴史地区
中国 マカオ歴史地区
中国 麗江旧市街
ネパール カトマンズの谷
ラオス ルアン・パパン
ベトナム 古都ホイアン
ウズベキスタン プハラ歴史地区

【中南米】
メキシコ メキシコ・シティ歴史地区
キューバ オールド・ハバナ
ペルー クスコ市街
プラジル サルヴァドール・デ・バイア歴史地区

【アフリカ】
モロッコ マラケシ旧市街
チュニジア チュニス旧市街
エジプト カイロ歴史地区
マリ ジェンネ旧市街

各都市のなり立ちや歴史も学ぶことができ、
〈街歩きポイント〉で見どころが分かり、
〈お買い物メモ〉で特産品や土産物にワクワクする。

歴史ある街並み、紺碧の海、カラフルな家々、
緑あふれる豊かな自然、古都に屹立する建造物、
宗教に彩られた建築様式、中世に
タイムスリップしたようなノスタルジィ、ライトアップに
煌めくドナウ川の水面などの写真にため息がもれる。

いつか時間と資金に余裕ができるまで、
本書が代わりに “世界遺産を巡る旅” に
連れていってくれそうな1書。

世界遺産の街を歩こう―ヴェネツィア、パリ、ローマ、ドゥブロヴニク、プラハ世界遺産の街を歩こう―ヴェネツィア、パリ、ローマ、ドゥブロヴニク、プラハ
(2012/04)
学研パブリッシング

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テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-1  神崎裕也

ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-1

15年前、ぼくたちにとって
とても大切な人が殺された。
逃げる犯人たちの姿を見たと言ったのに、
刑事はぼくたちの証言を揉み消した。

食いさがるぼくたちに、
金時計をはめた刑事は吐き捨てる。
「警察は君たちのちっぽけな人生すら
握り潰せる」と脅して!事件を隠蔽したのだ。

だからぼくたちは「法の番人」と「闇の住人」、
2匹の龍(ウロボロス)となって、
結子(ゆいこ)先生を殺した真犯人を、
悪を裁くことを誓った。

6階建てのビルから転落死した事件が起きたが、
検死の結果、自殺と断定された。
しかし新宿第二署刑事課の嫌われ者で、
検挙率トップの龍崎イクオ巡査部長は、
神奈川県警警務部警務部長の愛娘・日比野美月
(ひびのみづき)警部補に小言を言われながらも、
その結果に不信感を抱いていた。

美月はイクオを刑事の目ではなく、
犯罪者のそれのように感じている。

そしてイクオは、我孫子会系三次団体松尾組
若頭段野竜哉(だんのたつや)から、
それが自殺ではなく殺しだと知らされる。
その会社員が勤めていたのが、坂田(はんだ)組の
フロント企業で、中国から仕入れた改造拳銃を
倉庫に隠していたのを偶然見つけ、警察に
密告しようとして滝川将司と銃の運び屋3人に
殺されたらしいということだった。

東京湾で会社員の妻と娘が乗った車が発見され、
娘は奇跡的に一命をとりとめたが、妻は溺死。
ところが溺死であるはずの妻の肺から
水が検出されなかった。
イクオは会社員を殺した犯人が、
その家族も襲ったと確信して、怒りに震える。

タツヤが運び屋のひとりに警察に自首しろと
拳銃を突きつける。
イクオは運び屋を待っていた滝川を
一発で為留める。
滝川は朦朧としたなかで、
イクオの壊れた目を見ながら死んでいった。

撃った拳銃はタツヤが処分し、滝川の死体を
発見したということで、またイクオの手柄となる。

坂田組が潰れれば、タツヤはこの街のシノギを
すべて手中にでき、イクオはさらに手柄を増やす。
警察と極道、それぞれの道で成り上がる。
決して交わることのない表と裏。
それがイクオとタツヤであり、
ふたりの哀しい決意だった。

警察も法律も無力なら、誰かが殺された人の魂を
救わなければと、悪に立ち向かいながら、15年前の
真相を暴くポリスエンターテイメントコミック第1巻。

ウロボロス―警察ヲ裁クハ我ニアリ― 1巻ウロボロス―警察ヲ裁クハ我ニアリ― 1巻
(2012/01/20)
神崎 裕也

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テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

リストランテ・パラディーゾ Ristorante Paradiso  オノ・ナツメ Ono・Natsume

リストランテ・パラディーゾ

15年前、母は父と離婚し、ニコレッタは
田舎の祖父母に預けられた。
母・オルガは結婚したい人がいるけど、
彼は子持ち女は嫌だからと、ニコレッタは
祖父母のもとで育てられ、ほとんど娘に
会いにも来ず、成人してもひと言もない母に
憤り、オルガを困らせるため、結婚相手である
リストランテのオーナー・ロレンツォの店を
訪ねたのである。

予約がないと入れないその人気店は確かに
味は一流なのに、客の目当ては料理より
老紳士の従業員たちで、
彼らはみな老眼鏡をかけている。
老眼鏡はオルガの趣味であり、彼女の希望を
ロレンツォが取り入れた採用条件なのだった。

カメリエーレ長のクラウディオはとても紳士的で
色っぽく、ニコレッタは彼が気になるが、
それが恋なのか分からない。
そのことを確かめようと、アパートに送ってくれた
クラウディオを強引に部屋に誘い押し倒すが、
そこにオルガがやってきて作戦は失敗。

そして自分が娘だということをオーナーに
黙っているかわりに、リストランテで働かせて
もらうよう、オルガに交換条件を出したのである。

リストランテで働きはじめると、クラウディオの
元妻・ガブリエッラがやってきて、ふたりの様子を
うかがうニコレッタは、クラウディオはまだ
彼女のことが好きなのかもしれないと不安感が募る。
それにクラウディオはいまだに、
結婚指輪を外せないでいる。

オルガとガブリエッラは職場が同じ忙しい仕事を
持っているため、クラウディオはガブリエッラと離婚し、
ニコレッタはオルガと離れて暮らしてきた。
だからクラウディオはニコレッタに言う。
「見捨てられた者同士、似てますね」と。

セント(聖)・パラディーゾ・クラウディオ(天国)という、
名前通りの聖人で、とても優しく、女性が彼を
困らせたいという思いを抱かせてしまう
魅惑的なクラウディオ。
才女で美しく、クラウディオの元妻・ガブリエッラ。
恋と仕事に生きるけれど、娘のことも
ちゃんと見ているオルガ。
妻・オルガの頼みをなんでも聞いてくれ、従業員や
ニコレッタにもとても優しいオーナー・ロレンツォ。

ローマのリストランテを舞台に、働く女性と母娘の
関係なども織りまぜながら、魅力的な老紳士と
優しい仲間に囲まれて、ニコレッタの恋が
育まれる恋愛コミック。

リストランテ・パラディーゾ (f×COMICS)リストランテ・パラディーゾ (f×COMICS)
(2006/05/18)
オノ・ナツメ

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テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

虹の岬の喫茶店  森沢明夫

虹の岬の喫茶店


第一章 《春》アメイジング・グレイス
妻が急性骨髄性白血病で他界してから、
夜中に何度も目覚めるようになった。
今日も窓ガラスを叩く雨音で目が覚める。
傍には、4歳の娘・希美(のぞみ)が、
愛くるしい寝息を立てていた。

肋骨の内側に鼓動を感じながら、
今後どう生きていけばよいのだろう?と
不安な思いにとらわれて、妻の小枝子とそっくりの
希美の額を眺めていると、涙が伝い落ちてきた。

結局布団から出ることにして、深煎り豆を粗めに挽き
コーヒーを淹れて、お揃いのカップに注ぎ、
ひとつを遺影の前に置いた。
ひとくちだけコーヒーを啜り、写真を見ると小枝子は
幸せそうに笑っている。

そのカップは、陶芸作家である私が、小枝子が
妊婦だったころ、鴨川シーワールドで見た
シャチを描いて、彼女の誕生日に
プレゼントしたものだ。

テレビ画面からは、
「今日からゴールデンウィークですね」と、
嬉しそうな声が漏れてくる。
今年の連休はどうしようかとぼんやり考えながら、
希美の好きなシナモンシュガーの
フレンチトーストを作る。

寝ぼけ気味で起きてきた希美がまぶたをこすり、
部屋を見まわしている。
遺影に目を留めたので、慌てて希美を呼んで抱きしめ
「シナモンシュガーのフレンチトーストを作ったから
食べよう」と言うと、
「ごはんを食べたら、絵本の『ミミっち』読んでくれる?」と
笑顔で訊いてくる。

焦げて茶色くなってしまったフレンチトーストだったが、
「ママだって失敗したことあるよ」と慰められて
朝食を済ませ、リビングの床に寝そべって『ミミっち』を
読み聞かせた。

その物語は嬉しいことがあると、主人公のミミっちが
「ハッピーのどきどき」と言って、自分の胸を指差し、
母うさぎがミミっちの胸に耳をあてるのである。
希美も同じことを小枝子にしていたらしい。

絵本を読み終え、ゴールデンウィークになにか
したいことがあるか訊いたそのとき、
希美が窓の外に向かって「すごい!」と叫び、
目を丸くしていた。
そこには朝の虹がかかっていた。
そしてふたりは、ゴールデンウィークは、
虹探しの冒険に出ようと決めたのである。

セレナに乗り込み、小枝子が大好きだった
スピッツの『春の歌』という曲の、爽快な音に
包まれながら国道を走り、峠を越えて坂道を下ると、
目の前に藍色の海原が広がった。
しばらく砂浜で遊んでから、再び海沿いの道を進む。

やがて《おいしいコーヒーと音楽♪ 岬カフェ》と
書かれた看板を見つけ、行ってみることにした。
青いペンキで塗られた手作り風の小さな喫茶店。
海の向こうには悠然とそびえる富士山。

そこに前脚の半分下がない白い犬が、
まるで喫茶店に誘うように鳴く。
こじんまりとしたお店に、オーナーらしい
上品なたたずまいの初老の女性。
大きな窓からは絵画のような風景。
岬ブレンドと林檎ジュースを注文したとき、
希美が壁を指差し歓声をあげた。

ふたりはついに出会ったのである!
慈愛に満ちた、透き通るような神々しい音色
……アメイジング・グレイス(驚くほどの恩恵)の
曲に満たされて……

過酷な現実に、どう対峙していけばよいか
逡巡しているなかで、4歳の幼い女の子が
悲しみをこらえ、明るく振る舞う健気な姿に
涙がこぼれそうになる。
どんなに辛い日常にも、必ず先に進む道を
照らす灯りがある。
そんな希望を分けてもらえる1話。

そして、音楽と美味しいコーヒーが自慢の、
虹の岬の喫茶店をとりまく物語は続く。
第ニ章《夏》ガールズ・オン・ザ・ビーチ
第三章《秋》ザ・プレイヤー
第四章《冬》ラブ・ミー・テンダー
第五章《春》サンキュー・フォー・ザ・ミュージック
第六章《夏》岬の風と波の音

虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)
(2013/11/14)
森沢 明夫

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テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

浮かれバケモノの朗らかな破綻  原作 タカハシヨウ 作画 竜宮ツカサ

浮かれバケモノの朗らかな破綻

特別な才能もなく、頑張るのも疲れる。
だから普通の高校生に夢などないと思っていた。
あの日までは……

『第1話 今時のクラスメイトは鼻の美しさで食ってる』
『第2話 楽器屋に犬を放つとポーズを取る』
『第3話 地底から来た上から目線』
『第4話 はじけ飛べ!思春期の柔いハート』
『第5話 ひまわりは力強く咲く(物理)』
『第6話 君がミディアムレアになる前に』
『第7話 君のためにできる事』

高校生活も3か月が過ぎた。
1年A組 真笠郁也(まがさいくや)は、
密かにピアノが上手で同じクラスの
倉祢実乃(くらねみの)に想いをよせている。

郁也はクラスメイトの天葉風(あまばかぜ)と仲が良く、
下校途中で風から、実は自分は天狗で天狗界では
カリスマ鼻タレ(鼻タレント)として大活躍していたが、
人間界に憧れ、なんとか親を説得してやってきた。
人間界で必要な存在になったら永住してもいいという
父との約束を果たすため、
いっしょにバンドを組んで欲しいと頼まれる。

そしてクラスに人間はふたりしかおらず、
あとはバケモノなのだと打ち明けられた。
郁也はその日から、日常を超えた日常に
巻き込まれるのだった。

風は地根源(ちのねげん)を仲間に引き入れた。
源は地底人で、人口過多の地底社会では、
高校生になると強制的に人間界へ留学させられ、
帰省することも許されないため、
ホームシックに罹ってしまったという。
地底に帰るには、人間と行動して功績を
残さなければならないらしい。

そこにピアノコンクールを目指して
毎日厳しいレッスンを受けている実乃が、
ピアノを楽しみたいからとバンドに加わり、
実乃が大切に育てていたひまわりに
意志が生まれた八雲葵(やくもあおい)も参加する。

人間界にやってきた自称バケモノ高校生と、
普通の高校生が、それぞれ目的は違うものの、
同じ夢に向かっていく青春コミック第1巻。

浮かれバケモノの朗らかな破綻 (1) (ガンガンコミックスONLINE)浮かれバケモノの朗らかな破綻 (1) (ガンガンコミックスONLINE)
(2013/08/22)
家の裏でマンボウが死んでるP(原作:タカハシヨウ 作画:竜宮ツカサ)

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テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

実録・外道の条件 町田 康

実録・外道の条件


『ファッションの引導鐘 1995年5月』
スチール撮影に際して、圧下蓮子に面談を求められ、
1時間半もかけて銀座の喫茶店に行ったのに、
彼女は10分も遅刻し、カタカナ語と
「……って感じ」「……って雰囲気」と、
空疎な文言を繰り返したり、
間違った丁寧語を使ったり、とにかく奇異だった。
でも、まぁとりあえず仕事である。
当日指定された場所に向かう。

送られてきたファクシミリには「402号室、
スタイリストの事務所に10:30に来てください」と
書かれていた。
陳腐な集合住宅のエレベーターはなかなか
やって来ず、階段を一気に駆けのぼる。

息を切らしながら時計を見ると、時間は約束の5分前。
スタイリストの事務所と言っていたが、
402号室には猿田彦十と書かれた紙が
貼ってあるだけなのを訝しく思いながら、ブザーを押す。

ところが何度押しても反応がない。
ファクシミリに記載された番号に電話しても、
留守応答のメッセージが流れるばかりである。

しょうがねぇ、と背を向けたとき、ドアが開いた。
女に促され埃っぽい玄関をくぐる。
大音量でヒップホップが流れるリビングルームには、
奇抜な格好をした4人の男女がくつろいでいたが、
誰も挨拶するどころか、目を合わせようともしない。

しばらくして圧下がリビングに入ってきた。
そしてカメラマンの桧原とスタイリストの猿田を紹介し、
「ヘアメイクの方がまだ来られていないので、
もう少し待っててください」と、
また間違った敬語を使う。

事務所というより、気まぐれに集まるサークルの
部屋といった様相のリビングで、頑なに挨拶を
拒否する怪しい連中を見ていると、
彼らはトーシローかもしれないという思いが過ぎり、
暗澹たる気持ちになる。

7本目のタバコに手を伸ばしたとき、
ようやくメイクさんが来たが、彼の姿を確認するや
この家の御連中は一斉に近づき大騒ぎ。
見ると、メイクさんは丸坊主に
チェックスカート姿の欧米人男性だった。
御連中は慌てて撮影準備をしだしたが、
今になって慌てるぐらいなら、
待っている時間に用意しとけばよかったのにと
呆れてしまう。

椅子に座り、メイクさんが顔に粉を
塗布し始めたが、いつまで経っても終わらない。
目を開いて正面の鏡を覗くと、そこには昔の
女郎のような白塗りの自分が写っていた。
嫌な予感がした。
衣装を見せてほしいと請い、圧下と猿田が
持ってきたのは、なんと真っ赤なハイヒールと
真っ赤なロングドレスだったのである。

撮影中にシャワーを浴びるスタイリスト。
挨拶をしない御連中を
《不自然なまでのシカトをこいている》と称したり、
塗られたおしろいを《この気色の悪い天ぷら粉》と
比喩したり、
《ポヨヨン。自分は、漫画で目玉が飛び出るときの音を
口でいってみた。ちっとも楽しくなかった》と呟いたり、
《おまえなめとったらあかんど、こら。埋めるぞ、こら》と、
怒った練習をしたり、読みながらついつい
大口を開けた笑いがこぼれる。

16歳でパンク歌手になり、同年代の男の子や
婦女子と遊ぶこともせず、朝から晩まで
パンクばかりしてきた主人公が語る、
非常識でハチャメチャなギョーカイの有り様に
爆笑の物語はまだまだ続く。
『ロックの泥水 1996年4月』
『地獄のボランティア 1996年11月』
『紐育(ニューヨーク)外道の小島 1998年7月』

実録・外道の条件 (角川文庫)実録・外道の条件 (角川文庫)
(2004/12/24)
町田 康

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プロフィール

Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。