オリーブオイルに願いを

オリーブオイル


小高い山が墓石でうめられた霊園がある。
お彼岸やお盆には、そこで眠っている父の好物を持参して訪ねる。

先日も老いた母とふたり、供花と天ぷらを持って霊園に足を向けた。
その帰りに近くのスーパーに寄った際、突然声をかけられる。

「珍しいところにいるんですね、◯◯さんですよね?」
……えっ、誰だっけ?なんとなく見覚えはあるものの、思い出せない……
などと思案に暮れながら、とっさに出た言葉は
「お久しぶりです。よく分かりましたね」
脳内の思いとウラハラにその場を取り繕っている自分自身に呆れていた。

小学生らしきお嬢さんを連れていた彼女は
「この子が気づいて教えてくれたんです」と言う。
わたしは名前を思い出せないまま、
当たり障りのない話をしてその場を去った。

早くそのスーパーを出たい、
とにかく逃げ出したいという気持ちでレジに向かう。
すると “広告の品” と書かれたポップとともに
高く積まれたオリーブオイルを発見。

オリーブオイルといえば地中海料理。
地中海料理といえば認知症予防に効果大。
思わずレギュラーサイズよりかなり大きめの
“広告の品” をカゴに入れた。

我が脳の不甲斐なさに少し自棄になっていた。
帰ったら、オリーブオイルの一気飲みだぁ!

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幸せの香り

キンモクセイ


遠い昔、上京した年の初秋、
調布で初めて金木犀の香りを知った。
可憐なオレンジの花が空中を舞うように香る秋の香気。

それから金木犀の虜になったわたしの家には、
毎年小さな花とともに、この時期甘く優しい香りが
我が家を包んでくれる。

庭だけではもったいないと思い、
今年は枝を数本いただいて部屋に飾ってみた。
朝起きて、階段を降りながら、
ふわっと感じる香気に幸せな気持ちになる。

強く気高い芳香のわりに、慎ましい花をつけることから、
花言葉は「謙虚」だとか。
甘い香りに満たされながら願う、今秋は謙虚に、
でもスィートな恋と出逢えますよう!

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惜しむ夏とオバケきゅうり

きゅうり


つい先日まで確かに夏だった。
季節がはっきりしている信州では、秋も突然やってくる。

庭の片隅に植えた野菜の苗たち。
夏のあいだ、細々と生ってくれたきゅうりもそろそろ終わりかなと、
ウッドデッキから眺めてみると、目に飛び込んできた巨大な1本。

それはまるで過ぎ行く夏を惜しみ、最後の力を振り絞って、
変わる季節に抗っているわたしの心を
代弁してくれているかのようだった。
ありがとう……敬意を込めて、きゅうりに敬礼する。

し、しかし、この、長さがわたしの顔の倍はあろうかという
オバケきゅうり、いったいどう調理したものやら……
どなたか美味しいきゅうりレシピをご存知でしたら、
ご教示くださいませ。

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tag : 料理と洋楽

See you soon !

イタリアン


友人がイタリアンの彼をともなって、我が家を訪れてくれた。
イタリア語などチンプンカンプンのわたしは、
片言の英語と彼女の通訳でイタリアンの彼と
なんとかコミュニケーションをとるが、日常伊会話はともかく、
少し踏み込んだ話になると、彼女も
「なに言ってるか分からない」と、
両手のひらを天に向ける姿に、みな声を揃えて「マンマミーア!」

突然グローバルになった片田舎の小さな家。
最高潮のテンションに、別の友人も呼ぶことに決定。
すると彼は本場のパスタとブルスケッタをふるまってくれるという。

我が家の空気は香ばしいにんにくと
新鮮なオリーブの香りに満たされ、
日本の片田舎から陽気なイタリアにワープする。

翌日、駅で別れを告げる際、陽気なイタリアンは
今にも泣きそうな表情で言葉を詰まらせていた。
わたしたちも涙がこぼれないよう、大きな声で
See you soon !

おうむ返しのようにイングリッシュで See you soon ! と
応えてくれる彼に心のなかで呟く。
再会の折りにはイタリア語で
「久しぶり、逢えて嬉しい!」って言うね

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お国柄は違えど……

オリーブオイル


イタリア通の友人から送られてきたイタリア土産。
それは手作りのオリーブオイル。

えっ?手作り?

彼女曰く
「イタリアでは、どの家庭にもオリーブオイルを搾る機械を
常設している」とのこと。

日本では、特に極寒の信州ではオリーブの木を育てることさえ
苦難を極めるのに、そのうえ兎小屋と揶揄されるような
狭い住宅のなかに、機械を置くなんて……

文化の違いに圧倒された気分だった。
でも……と、幼いころがよみがえった。
農家でもない我が家で、しかも坪数15ほどの兎小屋とも言えぬ
鼠小屋のような小さな家の一室に、
毎年味噌玉が置かれていたことを思い出した。

それは遠い異国のイタリアとどこか似ているような気がして、
親しみを覚える。

今、社会問題にもなっている認知症に
効果があると言われるオリーブオイル。
世界的に注目されている発酵食品である味噌。

ん〜、これは看過できないコラボ!
お互い由緒あるオリーブオイルと味噌。
イタリアと日本の融合で、
国境を越えたハピーなレシピが生まれるかも!と、
料理の天才(あくまで自称)と自負する腕が騒いでいる。

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ノスタルジー と ワイン

昼神温泉


信州の南端、星空がもっとも美しいといわれる阿智村。
年に1度、女性ばかりのささやかな小旅行は、
ここ阿智村が誇る昼神温泉。

数か月前から待ちわびていた癒しの旅。
日が近づくにつれ、気になる天気予報。
前日の予報で雨マークはなかったが、
高速を降りたあたりから、フロントガラスを濡らす雨粒。

わずかな通り雨に見舞われながらも、
到着した宿は歴史を感じさせる情緒あふれる日本家屋。
客室に通じる渡り廊下の窓からは、
勢いよく流れ落ちる滝の水しぶきが清涼感を運んでくれる。

落ち着いた個室での懐石料理。
「美人の湯」と謳う良泉たっぷりの大浴場。

そしてなんといっても客室から続く
ウッドテラスに設えられた檜風呂。
静まり返った真夜中、そぼ降る雨音をBGMに、
ぼんやり庭園を眺めながら、ノスタルジーに酔う。

と、自己陶酔に浸るわたしに友人がひと言
「そろそろボトルのワインも最後の一滴になるよ」
そう、握ったグラスからは鮮やかな真紅が
妖艶な光を放っていた。
酔っていたのは神秘な光景?
それともアルコール?

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プロフィール

Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。