青春乙女番長1 清野静流

青春乙女番長1

地黒で三白眼、喧嘩が強く黒鬼様と呼ばれた父。
乱闘騒ぎを起こして狂犬女と噂された母。
そんな両親を持つ平田美羽(みはね・16歳)は、
あまりにも笑顔が醜いがため、彼女のあだ名は殺人鬼。

妖怪のような微笑にクラスの男子から怖がられているが、
美羽はイケメン・トーマ(籐間)に恋していた。
トーマに見惚れながら作る渾身の微笑みはバケモノ ⁈
その微笑みに喧嘩を売られていると勘違いしたトーマの
誤解を解こうと、美羽はうっかり告ってしまう。

親友のまりあはアイルランド系クォーターの美少女で、
美羽を美形やガン黒にメイクして楽しみつつも、
彼女の恋を応援している。

うろたえながら告ってしまったものの、即ノー返事は嫌だと、
試しに3日間だけ付き合ってみる?
という美羽が出したとっさの提案に、トーマの答えは
「明日デートしてみる?」だったが……
果たして美羽の恋は成就するのか……

いきなり跳び蹴り、普通に男をかつぐ衝撃的な美羽。
ドブスだ、キモいだ、野獣だと自分に向けられた陰口が
聞こえてきても平気なのに、トーマが笑われると暴れまくる、
健気でちょっとホラーな美羽の純愛学園ラブコメディ。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

本を殺してみたけれど リンダ・グラント 著 吉澤康子 訳

本を殺してみたけれど

かつて本を排除しようとしたのは、
都市、教会、独裁者、狂信者たち。
今は、読みたがらないという理由、
デジタル革命や使い捨て生活と狭い家ゆえに。

そして著者もライブラリーを眺め、愛蔵書を殺そうとしている。
ありとあらゆる本を読み、本の中で友人を作り夢を見た少女。
外で遊ぶより家の中での読書を好んだ少女が
自分の分身を処分することを決めた。
アパートメントを売りに出すため、
溢れかえった本を減らす必要があったのだ。

新居では蔵書を置くスペースが足りないと感じて処分し過ぎ、
本棚はがらがらになってしまった。
それは充分な蔵書を持たない人間ということであり、
本が人生のすべてである人の家ではない。

その意味するところは本の死であると同時に、
自分の死でもあった。
機械化反対派ではなく、電子書籍も好んで利用しているが、
本は現実主義とは相容れないらしい。
本を処分したことで、人生のよすがを
破壊してしまったのだ……と、著者は嘆き、後悔に苛まれる。

個人的嗜好が剥き出しの本。
文学的価値や蔵書の本質とは?
何度も戻る場所であり、ときを超え物語の世界へ
いざなってくれるライブラリーは、
魂の食糧が満載された貯蔵庫なのだ。

膨大な蔵書を抱える重荷と、書架の心配は不要だが
実体のない電子書籍の空虚感。
活字離れという現実。

長いあいだ、本棚を探していた。
けれど狭い部屋の造りに合うものは見つからず、
結局クラフト紙を使って自分で製作した。
我が家の小さな図書館だ。
そこに腰をおろし愛蔵書に面と向かえば、
どんな精神状態のときでも幸せな気持ちになれる。

でも電子書籍のライブラリーが膨らんでいくいま、
小さな図書館の蔵書が増えることはない。
本の居場所を考えなくていい合理性と引き換えに、
夢を失ってしまったのかもしれない。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

ジュウ 忍法魔界転生1 原作 山田風太郎 漫画 せがわまさき

ジュウ 忍法魔界転生1

寛永15年2月28日、天草四郎時貞が討ち取られ、
原城趾(はらじょうあと)に
立て籠もった切支丹(きりしたん)37,000人が惨殺されて、
5か月に及ぶ島原の乱に終止符がうたれた。

7年後の正保2年3月、父の仇討ちのため復讐の念と
剣のみに心を奪われ、そのことを後悔していた
余命わずかの田宮坊太郎国宗は、
魔人・田宮坊太郎となって再生する。

それは島原の乱で生き残った天草四郎時貞の一味で
キリシタン大名小西行長(こにしゆきなが)の
遺臣・森宗意軒(もりそういけん)の妖術によるものだった。

超絶な体力を持ち、一生女も知らずに悟りを求めて
悪戦苦闘した62年の生涯を悔やみ、
今まさに命のともしびが消えかかっている宮本武蔵も、
森宗意軒の指のひとつを使って術を施され……

魔界の力でよみがえらせる秘術、魔界転生。
せがわまさきの鬼気迫る筆致で描かれた、
山田風太郎の伝記小説・忍法帖シリーズ最高傑作。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

記憶の盆踊り 町田 康

記憶の盆踊り

酒をやめて約1年。
特に理由はなかった。
強いて言えば、記憶が飛んでしまうことが
困ったからだろうか。
酩酊中ならよくあることだが、シラフのときにも起こる。
約束を失念したりするのだ。

今では酒のことなどすっかり思い出しもしなくなったが、
ときどき頭の中が空虚になり雨が降る。
その日も……

突然、敷島秀子がやってきた。
20年前に弄んで捨てた女だ。

と思ったが、そうではなかった。
編集・ライターだというその女は、
たまたま昔の彼女と同姓同名だったのだ。

泊りがけの仕事を依頼にきたというが、
どうも話がかみあわない。
こちらがすでに承諾したという前提で話が進んでいる。
見目麗しい美人ではあるが、気がおかしいのかもしれない。

彼女の提案でホテルのラウンジに場所を移し、
ノンアルコールを飲んでいたのに、
いつの間にかウイスキーのグラスを握っていた。
いつウイスキーを頼んだのだろうか、覚えていない。
結婚しているはずなのに、妻の名前は?
今、シャワーを浴びている女とは過去に情交したんだろうか?
景色が溶けだして揺れている。
自分はどこにいるのか?

精緻を極めた文章が
夢にいざなわれるような錯覚を覚える幻想短編小説。

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

歌舞伎町スカウトサバイバル 新宿スワン 和久井 健

新宿スワン

タツヒコ(白鳥龍彦)19歳、全財産100円。
パチンコで2,000円を20万円にしようと
淡い夢を見たのがいけなかった。

上京したときには輝かしい夢にあふれていた。
なのに、現実は所持金100円。
都会での生活に夢破れてヘコんでいたとき、
真虎(まこ)に出逢った。

歌舞伎町で水商売・風俗・AVのスカウトを
生業とする真虎はなぜかタツヒコを気に入り、
タツヒコもスカウト業を誇りに思い、
爽やかに怖いことを言う真虎をかっこいいと感じて
彼の部下になる。

スカウト……タツヒコにとって初めて経験する世界。
女性を食い物にする仕事に反感を抱きながらも、
新人とは思えない才能を発揮して
仕事の成果を上げていくが、自分の好みに
ぴったりハマってしまった長谷川裕香を
スカウトしたことで、とんでもない抗争に
巻き込まれていく。

喧嘩は強くないのに負けん気は一流、
不幸な子をそれ以上不幸にしたくないという
独自の美学を持ち、
優しさと正義感にあふれるタツヒコ。
部下を大切に思い、冷静で頭が切れ、
行動も表情もスマートでとにかくかっこいい真虎。

大都会新宿でホスト、スカウト、闇金融など
裏社会が描かれた痛快コミック第1巻。

テーマ : アニメ・コミック
ジャンル : アニメ・コミック

シャンデリア 川上 未映子

シャンデリア

朝10時、大きな扉が開かれ、
笑顔の従業員に迎えられてデパートに入る。

バッグ売り場、コスメ売り場で買い物をし、
ハイジュエリーを眺めたり、レストランフロアで
適当に注文して、日がな一日デパートで過ごす。
それが日課。

そのことを人に話すと、感心と困惑の表情をされつつ
呆れられているのがよく分かる。
もしデパートではなく、動物園だったら?美術館だったら?
嘲る人はいないだろうし、
むしろ羨望の眼差しを向けられるかもしれない。

3年前、突然印税が入るようになって、
デパート巡りが始まった。

アクセサリー売り場を過ぎて、
顔を上げると巨大なシャンデリアが輝き続けている。
その輝きはいつか耐えられなくなり、落下してしまうのに。
そしてその瞬間、わたしは真下にいるのだ。
シャンデリアに押しつぶされながら、押し返す。

時間も立ち位置も季節も財も考えないわたし。
シャネル、ヴァレンティノ、ドルチェ&ガッバーナ、
なんでも揃う、キラキラ輝くデパートで、空虚、孤独、
自死の思いの奥に秘められた期待が……

テーマ : 本の虫
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

Hollyzard

Author:Hollyzard
本が恋人です。
料理は大嫌いですが、でも実は天才なんです(笑)。
外でおいしいお料理に出会うと、勝手にアレンジしてマイレシピにしてしまいます。